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第九章 大学院

9 合コンのお誘い

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「あ、ちょっと、いいかな、アル君。」
「はい?」
「校内に使ってない例の建物、立ち入り禁止の囲いが、昨日の風で壊れてしまったらしくてね。」
「昨日ようけ風強かったわぁ。」
何時ものように事務局に寄ったアルに声が掛けられた。困り事があると、まずアルに相談。というのが事務局の日常。彼は知識も人脈もあり、大抵のことは解決してくれる。
「まだ、壊してなかったンあれ。」
「噂がねぇ~。ふんぎりつかないというか。」
「まかせといて。具合みて、知り合いに直させますわ。」
「お願いできる?助かるよ。もうひとついいかな?」
「ん?」
「君、合コン出る気ない?」
「職員の?学生の?」
「学生の…………すまない……断りきれなくって、一応聞いてみるって約束して……」
「たまに、あるなぁ~見た目じゃ年齢わからんからぁ。モフモフしたいだけちゃう?」
「嫌だよね、うん。断っとくよ。」
「え?えぇよ?若い娘にモフモフされるだけやろ?マジ恋愛するわけゃないやろ?」
「それが、……男子なんだ。」
「うわぁ、あかんやつやわ、それ。ケツ掘られたぁなあわ。」
「だよね。」
「条件付なら……」
「うわぁ、ありがとう。感謝する。酒奢るよ。で、条件って?」
「俺の友人同伴で。」
「なに、それ、恋人連れて合コンなんて、ないだろう。」
「そもそもやなぁ、相手が男子な時点で、合コンやないわ。」
「にしても。恋人同伴っ……」
「恋人やないわ、ただのボディーガードや。」
「相手からしたら一緒だよ。ま、それでも話が進んだら、連絡するよ。」
「ほな。修理の手配しとくけん。」

「獣人のアル・ジライ・タージニア。手を出せないって。」
「何で?獣人だろ?」
「ハーフだって、親が王宮勤めだから、拉致できないって。」
「なんだよ、それ。上級貴族か?騎士か何か?」
「料理人だそうだ。」
「は、たかが料理人に遠慮してるのか?小心者か?」
「詳しくは聞いてないけど、やばいって。」
「証拠残さなかったら、大丈夫だよ。ま、なんかあっても、揉み消してもらえばいいよ。」
「だけど……」
「大丈夫だって!」
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