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第三章 再び隣国へ
5 大嘘の予定表
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今日はエミリア姫に会う日だって、今ソルーシア言われた。えーっ予定とちがうじゃないか。
「ん?予定通りだよ。」
あっさり言われましたよ。何かい?俺のもらった予定表は嘘かい?
「ソルーシア。他にも騙してないか?」
「えー、内緒。昼食前に案内人が来るから、それまで休んでいていいよ。」
宿泊施設に戻り、カフェに寄る。とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着こうか。
「ソニーさん?」
知り合いはいないはずだが……
「やっぱり、ソニーさん。」
「誰?」
「あ、覚えてないか。すみません。看護師のシュシュです。事故の時の……」
「……どうして…………?」
「事件後すぐ、治療に…あの…お顔は……ニュースで見ましたので………」
事故当時、俺の顔は判別出来ないほどだったから、彼女がたとえ本当に治療チームの看護師でも、実際には見ていない。そうか、ニュースで顔出ていたなら……
「ごめんなさい。ひどい状態だったから、思い出したくないですよね。」
「いや?大丈夫ですよ。当時の記憶ないし。」
「担当はすぐに引き継いだから、その後どうしたかな、って思ってました。すっかり、良くなったのね。よかった。今はこちらにお住まいなの?」
「あれ?こちらでは報道されてないの?」
「ん?」
「時間あるなら、話せますか?」
「少しなら。」
一緒にカフェに入る。
聞くと彼女は一番最初の治療チームにいたと。患者は処置後それぞれ受け入れ先に搬送され引き継がれた。王子と同じ車に乗っていた俺の事は特に印象的だったらしい。
「私はレスキュー隊所属の看護師だったんです。」
「つまり、救助もするし、治療もすると。」
「そう。体力のある若い頃だったからできたのよね~今は検査技師。」
「じゃあ、またお会いするかもしれませんね。」
「楽しみにしておきますね。ソルーシア技長厳しいから。頑張ってね。そうかぁこちらの報道って、規制されてたのね。」
「あれ?言っちゃダメだったのかなぁ?俺?アスターネスでは奇跡の生還なんて、騒がれましたよ。」
「私も他で患者さんの事は話さないから。大丈夫です。ああ、もう、時間。行かなくちゃ。またね。ここ、払っておくから。」
「いや、そんな……」
「いいから、元気になったお祝い!」
「ありがと。」
俺に関するニュースは最初の報道のみで、あとは個人の特定ができないように報道規制されていたようだ。
ならば、街中を顔をさらして歩いても、誰も気づかない訳だ。
案内人に連れられ、エミリア姫いや、太皇太后か、の元へ移動中だ。事故後、目が覚めた俺がソルーシアの次に会ったのが彼女。まあ、最初は信じられなかったが…百四十年だからな。
「まいりました。」
ドアが開けられ、中にはエミリア太皇太后が待っていた。
「よくきた。座れ。」
事件当日十四歳だった彼女は今年、百五十四歳になる。タクーンの平均寿命が二百才だから、まあまあ、おばあちゃんの域なのかな。と、考えるとマックって、若々しいよな年齢の割に……と考える。ほんと、個人差あるわ。
「ん?予定通りだよ。」
あっさり言われましたよ。何かい?俺のもらった予定表は嘘かい?
「ソルーシア。他にも騙してないか?」
「えー、内緒。昼食前に案内人が来るから、それまで休んでいていいよ。」
宿泊施設に戻り、カフェに寄る。とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着こうか。
「ソニーさん?」
知り合いはいないはずだが……
「やっぱり、ソニーさん。」
「誰?」
「あ、覚えてないか。すみません。看護師のシュシュです。事故の時の……」
「……どうして…………?」
「事件後すぐ、治療に…あの…お顔は……ニュースで見ましたので………」
事故当時、俺の顔は判別出来ないほどだったから、彼女がたとえ本当に治療チームの看護師でも、実際には見ていない。そうか、ニュースで顔出ていたなら……
「ごめんなさい。ひどい状態だったから、思い出したくないですよね。」
「いや?大丈夫ですよ。当時の記憶ないし。」
「担当はすぐに引き継いだから、その後どうしたかな、って思ってました。すっかり、良くなったのね。よかった。今はこちらにお住まいなの?」
「あれ?こちらでは報道されてないの?」
「ん?」
「時間あるなら、話せますか?」
「少しなら。」
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聞くと彼女は一番最初の治療チームにいたと。患者は処置後それぞれ受け入れ先に搬送され引き継がれた。王子と同じ車に乗っていた俺の事は特に印象的だったらしい。
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「つまり、救助もするし、治療もすると。」
「そう。体力のある若い頃だったからできたのよね~今は検査技師。」
「じゃあ、またお会いするかもしれませんね。」
「楽しみにしておきますね。ソルーシア技長厳しいから。頑張ってね。そうかぁこちらの報道って、規制されてたのね。」
「あれ?言っちゃダメだったのかなぁ?俺?アスターネスでは奇跡の生還なんて、騒がれましたよ。」
「私も他で患者さんの事は話さないから。大丈夫です。ああ、もう、時間。行かなくちゃ。またね。ここ、払っておくから。」
「いや、そんな……」
「いいから、元気になったお祝い!」
「ありがと。」
俺に関するニュースは最初の報道のみで、あとは個人の特定ができないように報道規制されていたようだ。
ならば、街中を顔をさらして歩いても、誰も気づかない訳だ。
案内人に連れられ、エミリア姫いや、太皇太后か、の元へ移動中だ。事故後、目が覚めた俺がソルーシアの次に会ったのが彼女。まあ、最初は信じられなかったが…百四十年だからな。
「まいりました。」
ドアが開けられ、中にはエミリア太皇太后が待っていた。
「よくきた。座れ。」
事件当日十四歳だった彼女は今年、百五十四歳になる。タクーンの平均寿命が二百才だから、まあまあ、おばあちゃんの域なのかな。と、考えるとマックって、若々しいよな年齢の割に……と考える。ほんと、個人差あるわ。
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