9 / 97
第三章 再び隣国へ
2 聞いてませんよ
しおりを挟む
「はあ。」
手紙を受け取り、内容を確認する。
「俺は、寮に移ろうと思っていたんですよ。ハンさん、俺から兄に連絡しておきますので、ここでの仕事はキャンセルさせて、下さい。」
申し訳ないが、雇えないよ。
「いえ、留守番も私の仕事。旦那様がお帰りになられなくとも、私は、私の仕事をするまでです。」
「ええーキャンセルできないの?」
「はい。」
「お食事になさいますか、お風呂になさいますか?」
「ごめん、こんなことになるとは思ってなかったから、今夜は約束が……」
「それでは、お召し替えを…」
「いやいや、自分でできるから、ホント、ごめん。」
ハンはすごく残念そうだが、仕方ない。今日は時間がないのだ。
「また、明日にでも話そう。俺は出掛けるから。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
いや、びっくりだよ。
とりあえず、約束の場所に行かないとな。
家を出ると歩いてすぐの所にその店はあった。
「お待たせ~ちょっと家で予想外の出来事があってさ。」
「ソニーまった~?……え?」
ちょうどチューナーがやってきた。
「約束の相手って、マックさんなの?」
「見たとおり、そうだよ。」
「えー、お邪魔ですかぁ?」
「なんで、そんな考えになる?打ち合わせだよ。」
「へ?デートじゃないの。」
「違うよ。チューナーくん。今度の隣国行きに俺も行くんだ。」
マックがニッコリ笑う。
「おお!一緒に旅行に行くとか、仲いいねぇ~」
「どうして、お前はそっちに思考がすすむ。俺は年に一度の検診。マックは食フェス。たまたま時期が重なったから、一緒に行こうって…」
「土産よろしく。あー腹減った。何食おう。」
もう、どっかり椅子に座ってメニューを眺めている。
「納得したようだね。」
「とりあえず、食べよう。」
休暇明けにマックと隣国に出発する。俺は言うなれば、貴重な実験体だ。一年に一度検診に戻る約束をしている。戻った時にある程度の国内情報を渡すことになるが、俺が知り得る情報なんて、誰でも入手できるものだ、俺の行動は制限されてないし、口止めもされない。自由に行き来できるってことは、問題ないのだろう。
手紙を受け取り、内容を確認する。
「俺は、寮に移ろうと思っていたんですよ。ハンさん、俺から兄に連絡しておきますので、ここでの仕事はキャンセルさせて、下さい。」
申し訳ないが、雇えないよ。
「いえ、留守番も私の仕事。旦那様がお帰りになられなくとも、私は、私の仕事をするまでです。」
「ええーキャンセルできないの?」
「はい。」
「お食事になさいますか、お風呂になさいますか?」
「ごめん、こんなことになるとは思ってなかったから、今夜は約束が……」
「それでは、お召し替えを…」
「いやいや、自分でできるから、ホント、ごめん。」
ハンはすごく残念そうだが、仕方ない。今日は時間がないのだ。
「また、明日にでも話そう。俺は出掛けるから。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
いや、びっくりだよ。
とりあえず、約束の場所に行かないとな。
家を出ると歩いてすぐの所にその店はあった。
「お待たせ~ちょっと家で予想外の出来事があってさ。」
「ソニーまった~?……え?」
ちょうどチューナーがやってきた。
「約束の相手って、マックさんなの?」
「見たとおり、そうだよ。」
「えー、お邪魔ですかぁ?」
「なんで、そんな考えになる?打ち合わせだよ。」
「へ?デートじゃないの。」
「違うよ。チューナーくん。今度の隣国行きに俺も行くんだ。」
マックがニッコリ笑う。
「おお!一緒に旅行に行くとか、仲いいねぇ~」
「どうして、お前はそっちに思考がすすむ。俺は年に一度の検診。マックは食フェス。たまたま時期が重なったから、一緒に行こうって…」
「土産よろしく。あー腹減った。何食おう。」
もう、どっかり椅子に座ってメニューを眺めている。
「納得したようだね。」
「とりあえず、食べよう。」
休暇明けにマックと隣国に出発する。俺は言うなれば、貴重な実験体だ。一年に一度検診に戻る約束をしている。戻った時にある程度の国内情報を渡すことになるが、俺が知り得る情報なんて、誰でも入手できるものだ、俺の行動は制限されてないし、口止めもされない。自由に行き来できるってことは、問題ないのだろう。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる