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第七章

エピローグ

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  タクーン星の妹の墓に、ミリナは手に持った懐中時計をそっと置いた。
「ファータ。マックの時計が戻ってきたわ。」
じっと墓標を見つめるミリナ。
「愛しい息子レディが今どこにいるのか、貴方は知っているのかしら。」
若くして亡くなった妹の顔が浮かぶ。思い出の中の彼女はいつも笑顔。
「きっと元気でいるわ。」
ミリナは瞳を閉じ、微笑んだ。
「沢山の人を魅了するのは父親に似たのね。有名なコックさんだって………手先が器用なところは母親似かしら。でも、見かけとは違って中身の黒さは誰に似たのかしら…?……。それにしても、性に関して奔放なのは困り者よね。あちこちに子どもを作ってないといいのだけれど。」
額に手を当てて、ため息をついた。
「私にばれてないと思ってるのかしらねぇ?ふふっ、そこがまた、可愛いのだけど。」
 あら、魅了されてるわね、私も。
と、笑った。
「再び時を刻む時計に、何か意味があるのかしら。何かが始まっているのかしら。」
正体のわからない不安がミリナをイライラさせる。
「でもね、マック、貴方が幸せであるように、と、皆祈っているから。」
帰ってらっしゃい。ここへ。
………マック・レディ・・・…………………
口には出せない彼の名前を、ミリナは胸の奥にしまった。

墓標に刻まれた名前は
   ファータ・レディ・キャスティ

 



…………………………………………………………
ー再会ー ユーリ親友マックの写真の話     完      です。

お付き合い下さった方々、ありがとうございました。なんだ、再会しないのかよ…とか、エロ成分たりねえよ…とか、レヴィって誰よ……とか、…謎増やして回収できるのかよ……とか、ぼやきつつ終わりです。この後、おまけの話を何編か予定してます。ユーリとマックの再会はさらに十年後です。

元々は、昔作ったお話、レヴィとマックの旅の話。(どこかで二人のエピソードねじ込めるか考えてみよう…)マックは面白脇役キャラでした。
ー再会、告白、結婚ーは……マックの設定を詰めていたら楽しくなってしまって……勢いで書いてしまいました。タイトルに深い意味はありません。

ー再会ーマック編(本作品ですね~レイのじれじれ初恋編も書きたいな……ユーリとの本当の再会の話とかもいつか…書けたらいいな~)

次はー告白ーファータ編に取りかかります…カテゴリは恋愛。(ファータの恋のお話。少しだけ、マックとユーリも出ます。名前だけ出ていたミユルの父、ハルバートも出ます!ボチボチ手直ししながら出して行きます。)

ー結婚ー??編…カテゴリに悩みましたが…なんちゃってSFで…おっさんになったマックが出ます。(前半はほぼできてますが、後半が進まなくて頭を悩ませております…話を練るのは難しいですね。力不足を痛感します。)

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