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おまけの話
その後の妄想少女
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「シン…ラさ…ん?」
レイナに教えてもらったレストランに取材旅行の名目で次回作の取材とインスピレーションを求めて…は表向き、実はマックの現在の姿を拝見するための…旅の予定だ。
「えっ……?」
………覚えてるの?……私のこと……
「ああ、そうだ。姉のクラスの。シンラさん。」
「はい。お久しぶり…です。」
「偶然ですね。こちらにはご旅行で?」
「は…はい。」
……あなたの顔見に…とは言えない。三十三歳には見えない…美しい…やっぱり天使…大天使だ……
「ごゆっくり。」
……来て良かったよぉぉ……
「ご注文をお伺いしてもよろしいですか?」
……きゃぁ!かわいい!獣人!ってことはこの子が彼女ね…しっぽがピクピクしてるぅぅ……
「えっと、おすすめで、お願いします。」
「苦手なものや、アレルギーはございますか?メインは肉か魚をご用意できます。」
「食べられないものありません。魚でお願いします。」
「すこし、お待ちくださいね。」
彼女はニッコリ笑う。
「あの……」
……なにかしら?……
「後で、サインをお願いしてもよろしいでしょうか?私あのお話大好きでファンなんです。」
「まあ、うれしい。サインOKですよ。後でね。」
彼女の顔はぱあっと明るくなり、しっぽがブンブン振られる。獣人は気持ちを隠せない。
……モデルが彼だと知ったら驚くでしょうね……
お客さんは数組だ。忙しくないようでテーブルに挨拶にでてきたマックと少し話した。話をしている間もむくむくと妄想が大きくなる。
ユーリとマックの再会の話をレイナに聞いた。息子のキス。娘の反応……等々。あまりになついて、度々子ども達を連れてここに来るのだとか。
………本当に初恋なの?そうね、天使と…人の子どもの恋の話か………レイナには呆れられるかしら………
「あの……」
さっきの彼女が絵本を持ってきた。本当に何度も何度も読んだのだろう、ずいぶんくたびれている。
………あら、初版本………すごいわ………
「あ、サインね。」
「キュール…その絵本…えっ?…シンラさん…の…本なの?」
……レイナはマックに言わなかったのか…知らなかったのね……
「そうなの。私の宝物。先生はお写真を公開していないの。でも、最初に本を出した時のインタビューの記事を見つけて…写真があって…あ…お願いします。」
……絵本の影響でマックを好きになったとか?…まさかね……絵本作家さんに本の絵は依頼したから、天使の顔はマックとは似ていないもの。特徴だけ説明して彼女のイメージで描いてもらったから…幼年学校の知り合いでもたぶん、モデルがマックだと気付かないと思う……レイナには、ばれたけどね………
貴重な初版本は私の手元にも一冊しか残っていない。当時の気持ちを思い出してサインする。
「先生、最初の話に…金の輪が出てきましたよね。」
「ええ。」
「その後のお話には出てませんが、何か意味があるのか、聞いてもいいですか?あの……」
「あら、気になるのね。でもまだ続きは誰にも教えていないの。」
「……あの……わたし…」
「キュール?無理を言ってはダメだよ。」
「あの…私、見えたの…金の輪。」
「見えた?」
……あら、不思議ちゃんなのかしら?……
「ごめんね、シンラさん。キュール先読ができるから、時々、わからないこと言うんだ。」
「先読………したの?」
「…あの、マックと子ども達が見えた時に、彼の瞳の奥に……金の輪が……」
「あら、まあ。」
「あ…でも、もしかしたら、好きすぎて絵本の絵と混同したのかも……」
彼女はしゅん……となってしまった。
「そうね、じゃあ、ひとつだけ、教えてあげるわ。金の輪はね……」
「あーっっ!!やっぱりだめーっっ!言わないでっ!!」
彼女が耳を塞ぎながら声を大きくした。
「本になってから、読みます!先に聞いたらもったいない!ごめんなさい!」
……あらあら……
「そうね、次の本を楽しみにしていて?」
「はい!」
……それにしても、先読ね…面白いわ……瞳の奥に金の輪……ふむ、良いこと聞いたわ。そうね、お話を少しかえてみようかな……男の子出して…金の輪を…うん。…ふふ楽しい……でも、本当にマックの瞳の奥に金の輪が見えたなんて、凄い偶然。本当に偶然?凄いわ凄い!……どうしよう…今すぐ書きたい!……
マックとキュールと一緒に写真を撮って、また再会を約束した。先読の話も聞きたいし。ユーリの息子の写真を見せてもらったら、本当にそっくりでまたまた妄想が…………
レイナに教えてもらったレストランに取材旅行の名目で次回作の取材とインスピレーションを求めて…は表向き、実はマックの現在の姿を拝見するための…旅の予定だ。
「えっ……?」
………覚えてるの?……私のこと……
「ああ、そうだ。姉のクラスの。シンラさん。」
「はい。お久しぶり…です。」
「偶然ですね。こちらにはご旅行で?」
「は…はい。」
……あなたの顔見に…とは言えない。三十三歳には見えない…美しい…やっぱり天使…大天使だ……
「ごゆっくり。」
……来て良かったよぉぉ……
「ご注文をお伺いしてもよろしいですか?」
……きゃぁ!かわいい!獣人!ってことはこの子が彼女ね…しっぽがピクピクしてるぅぅ……
「えっと、おすすめで、お願いします。」
「苦手なものや、アレルギーはございますか?メインは肉か魚をご用意できます。」
「食べられないものありません。魚でお願いします。」
「すこし、お待ちくださいね。」
彼女はニッコリ笑う。
「あの……」
……なにかしら?……
「後で、サインをお願いしてもよろしいでしょうか?私あのお話大好きでファンなんです。」
「まあ、うれしい。サインOKですよ。後でね。」
彼女の顔はぱあっと明るくなり、しっぽがブンブン振られる。獣人は気持ちを隠せない。
……モデルが彼だと知ったら驚くでしょうね……
お客さんは数組だ。忙しくないようでテーブルに挨拶にでてきたマックと少し話した。話をしている間もむくむくと妄想が大きくなる。
ユーリとマックの再会の話をレイナに聞いた。息子のキス。娘の反応……等々。あまりになついて、度々子ども達を連れてここに来るのだとか。
………本当に初恋なの?そうね、天使と…人の子どもの恋の話か………レイナには呆れられるかしら………
「あの……」
さっきの彼女が絵本を持ってきた。本当に何度も何度も読んだのだろう、ずいぶんくたびれている。
………あら、初版本………すごいわ………
「あ、サインね。」
「キュール…その絵本…えっ?…シンラさん…の…本なの?」
……レイナはマックに言わなかったのか…知らなかったのね……
「そうなの。私の宝物。先生はお写真を公開していないの。でも、最初に本を出した時のインタビューの記事を見つけて…写真があって…あ…お願いします。」
……絵本の影響でマックを好きになったとか?…まさかね……絵本作家さんに本の絵は依頼したから、天使の顔はマックとは似ていないもの。特徴だけ説明して彼女のイメージで描いてもらったから…幼年学校の知り合いでもたぶん、モデルがマックだと気付かないと思う……レイナには、ばれたけどね………
貴重な初版本は私の手元にも一冊しか残っていない。当時の気持ちを思い出してサインする。
「先生、最初の話に…金の輪が出てきましたよね。」
「ええ。」
「その後のお話には出てませんが、何か意味があるのか、聞いてもいいですか?あの……」
「あら、気になるのね。でもまだ続きは誰にも教えていないの。」
「……あの……わたし…」
「キュール?無理を言ってはダメだよ。」
「あの…私、見えたの…金の輪。」
「見えた?」
……あら、不思議ちゃんなのかしら?……
「ごめんね、シンラさん。キュール先読ができるから、時々、わからないこと言うんだ。」
「先読………したの?」
「…あの、マックと子ども達が見えた時に、彼の瞳の奥に……金の輪が……」
「あら、まあ。」
「あ…でも、もしかしたら、好きすぎて絵本の絵と混同したのかも……」
彼女はしゅん……となってしまった。
「そうね、じゃあ、ひとつだけ、教えてあげるわ。金の輪はね……」
「あーっっ!!やっぱりだめーっっ!言わないでっ!!」
彼女が耳を塞ぎながら声を大きくした。
「本になってから、読みます!先に聞いたらもったいない!ごめんなさい!」
……あらあら……
「そうね、次の本を楽しみにしていて?」
「はい!」
……それにしても、先読ね…面白いわ……瞳の奥に金の輪……ふむ、良いこと聞いたわ。そうね、お話を少しかえてみようかな……男の子出して…金の輪を…うん。…ふふ楽しい……でも、本当にマックの瞳の奥に金の輪が見えたなんて、凄い偶然。本当に偶然?凄いわ凄い!……どうしよう…今すぐ書きたい!……
マックとキュールと一緒に写真を撮って、また再会を約束した。先読の話も聞きたいし。ユーリの息子の写真を見せてもらったら、本当にそっくりでまたまた妄想が…………
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