白の衣の神の子孫

キュー

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おまけの話

不法投棄の予定

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「これ……このままじゃ……まずいよな……いつの間に乗り込んでたのか……気づかなかったな……」

  目の前にいるのは人族の青年と獣人族の少女。普段使用しない倉庫室内の空調設定は快適な環境ではなかったはずだ。

……外気温の変化とともに一気に下がった?………そのためか?宇宙船が飛び立った時のショックか?二人とも気を失っている……

「どうやって入ったんだ?」
「……あ……」

  つい、声が出た。

  あの時だ………瞬時に記憶が甦り、原因に思い当たった。夜の作業が終わり、同僚が休んでいる時に、こっそり出入口を開けて素材採取した時……

「何か知っているのか?」
「あ、あれだよ、ハッチのボタンをウッカリ間違えてさ、押しちゃったんだ。そう、すぐ、すぐに閉じたよ?ほんの少しさ、うとうとっ……としちゃって、ごめんよ、報告しなくて、でも、まさか、その隙に入り込むなんて、思わないよ。いや、ごめん。」

  慌てて、言い訳を並べたが、信じてくれただろうか。どちらにしても、ここに、持ち出し禁止の現地人がいるのは間違いない。

「とりあえずさ、引き返せないのなら、連れていくしか無い訳で……うん。バレないようにどこかで降ろそう。幸い俺達の顔は見られていないから、このまま低温睡眠装置に入れて運べば……」

  同僚も、バカ高い罰金も解雇も逮捕も、避けたいのか、こっそりどこかの星に降ろして知らんぷりを決め込もうと意見が一致した。

  調査船内には、様々な設備が設置されている。調査対象の星は通常運転で一年もかからない星から、高速運転の片道で五年以上もかかるような辺境もある。長距離運航の気の遠くなるような長い長い時間を閉鎖された空間で過ごすのは、負担が大きい。最新の高速自動運航システムと低温睡眠装置を使用することによって、ストレスと日常活動にかかる諸費用が軽減される。つまり、人工の冬眠状態で身体の時間の進行を遅らせる訳だ。

  低温睡眠装置を起動させた。
  彼らはこれで眠ったままの状態で運ばれる。

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