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第四章 君と一緒に生きていきたい
無人の星での発見
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「エリス、あんた彼氏と別れたの?」
カフェで働く同僚が休憩中に声を掛けた。
「別れたというか…犯罪者なんかお断りよ。」
「え!?」
「なんかやって、捕まったって、聞いたのよ。」
「何やったのよ、彼。」
「え~知らないけど、なんか~密輸的な?昨日、話が聞きたいって、捜査員が来たのよ。」
「やだ、怖い、優しそうな人だったのに、エリス騙されてたのね、かわいそう。」
「そうよ、結婚の約束なんて、しなくてよかったわよ。」
「何、プロポーズされていたの?」
「今度の長期の仕事から帰ったらって言ってたの。返事は帰ってからするね~って。考えとく~って……」
「うわぁ。」
「色々もらった物は売り払ったわよ。宝石とか、良い値で引き取ってくれたのよ。」
「ママ、パパは?」
娘を抱きしめ泣き続ける母。その横で叔父が怒りに震えている。
「あの人、そんな悪いこと出来る人じゃないの。何かの間違いなのよ。」
「パパ、帰ってこないの?」
「………すぐには……無理だけど、まっててあげようね。」
「すぐに別れろ!あんな奴!」
「あの人は巻き込まれただけなのよ、きっと……」
辺境調査船の乗組員が持ち出し禁止の植物と鉱物、生き物を宇宙船内に隠し持っていた。警備挺に見つかり、逃亡。証拠隠滅のために無人の星に証拠品を投下。脱出ポッドで一人は逃亡。宇宙船は拿捕され、残りの乗組員は船内で、逮捕された。
無人の星に投下された脱出ポッドは回収されたが、中に入れられていた生物は逃げ出し見つからなかった。過酷な環境下で逃げ出した生物は死亡したものと思われる。
公にされてはいないが、持ち出された生物とは、二人の現地人であることが判明している。脱出ポッド内に残された装置から採取された指紋や組織片の情報から、間違いない。
捜索の過程で無人の星と言われていたスファナで、知的生物が発見された。地下に居を持つ彼らは言葉を話し、文化的な生活を送っていたと驚きをもって報道された。
もうひとつの脱出ポッドの行き先はベルドンナで、調べによると、死亡したと思われていた無人の星に投下されたと思われていた現地人二人がどうやらベルドンナに逃れていたらしい。だが、発見には到っていない。
カフェで働く同僚が休憩中に声を掛けた。
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「え!?」
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「やだ、怖い、優しそうな人だったのに、エリス騙されてたのね、かわいそう。」
「そうよ、結婚の約束なんて、しなくてよかったわよ。」
「何、プロポーズされていたの?」
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「うわぁ。」
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「ママ、パパは?」
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「………すぐには……無理だけど、まっててあげようね。」
「すぐに別れろ!あんな奴!」
「あの人は巻き込まれただけなのよ、きっと……」
辺境調査船の乗組員が持ち出し禁止の植物と鉱物、生き物を宇宙船内に隠し持っていた。警備挺に見つかり、逃亡。証拠隠滅のために無人の星に証拠品を投下。脱出ポッドで一人は逃亡。宇宙船は拿捕され、残りの乗組員は船内で、逮捕された。
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公にされてはいないが、持ち出された生物とは、二人の現地人であることが判明している。脱出ポッド内に残された装置から採取された指紋や組織片の情報から、間違いない。
捜索の過程で無人の星と言われていたスファナで、知的生物が発見された。地下に居を持つ彼らは言葉を話し、文化的な生活を送っていたと驚きをもって報道された。
もうひとつの脱出ポッドの行き先はベルドンナで、調べによると、死亡したと思われていた無人の星に投下されたと思われていた現地人二人がどうやらベルドンナに逃れていたらしい。だが、発見には到っていない。
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