白の衣の神の子孫

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第四章 君と一緒に生きていきたい

無人の星 5

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「君達の乗ってた脱出用ポッドをそのままにしてあるのは、我々の情報操作のためなんだ。」

  オッドの説明によると、今回の件で、未開惑星の調査船の乗組員が密輸の疑いで逮捕されたらしいと。逃亡の際に、証拠を脱出ポッドでスファナに投下した。現行犯でないため、証拠品の捜索船が度々スファナを訪れるようになった。
  それ以前に、ベルドンナの大手リゾート開発事業者が、規制緩和によって、無人のスファナの開発事業を計画した。いずれ大掛かりな調査団が押し掛けてくるだろう。そうなれば、無人の星と言われているスファナに住むオッド達が、獣人がいずれ見つかるだろう。その日までに、ここに住んでいた同胞をこっそり脱出させて各地に送り出して、この星に大勢の一族が永らく隠れ住んでいた証拠を消し去る準備を進めていたのだ。その日が少しばかり早まるだけなのだ。

  遠い昔、住む星を失い、彼らは散り散りになった。獣人族の彼らは、ある地では殺され、ある地では奴隷とされ、ある地では差別を受け迫害された。受け入れられたところもいくつかあったが、しょせん難民扱い。知能も高く長寿種の彼らに自分達の住みかを取られ、仕事を奪われ、国を乗っ取られるのでは?という疑念からか、悪であるとして攻撃、脅迫、侮辱され、暴力事件が起きる。
  そんな彼等とは別に、隠れ住む道を選んだ一部の者達。たどり着いた無人の星地中深く住みついた。太陽に近い灼熱の星は非常に都合が良かった。高度な科学力を持つ彼らは実にうまくやった。太陽の強い磁力を避けるため一般の宇宙船の通らない土地、知的生命がほぼ存在しないと思われていたため、めったに近寄る者もいなかった。たまに、人の目を気にする犯罪者が隠れ蓑に使おうと立ち寄るが何もない星に長居はできなかった。
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