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第四章 君と一緒に生きていきたい
無人の星 4
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「マラジャはどうする?」
そう聞いてきたのは、頭に三角耳のある獣人族の青年オッド。ここは砂ばかりの星スファナ。オッドは俺達が世話になっている人だ。俺達が言葉を覚えるよりも前に翻訳機が使えるようになったので、会話がスムーズに出来るようになった。
ジュジュと一緒に神殿の中に入ったはずなのに、急に暗く狭い所に閉じ込められ気がつくと、ここにいた。初めて聞く言葉に、話も通じず、見慣れない室内。会話が通じない俺達に、オッドは身の回りの物を指差し一つ一つ言葉を繰り返し教えた。同時に俺達の言葉を聞き取り、翻訳作業も進めていたようだ。
なぜか体が自由に動かないので、食事一つを取っても、たよってばかりだが、リハビリを続ける事で、少しずつ出来ることが増えている。
ここにいるのは獣人族ばかり。俺のような人族はいないそうだ。
オッドは俺に、ここにとどまるか、ここを出ていくかを聞いた。
[ジュジュと一緒なら、どこでもかまわない。]
下を向いて答えた。ちゃんと、言葉は翻訳されているようで、オッドは頷いている。
ここだろうが、元いた所でも、どこでも同じだ。もともと、記憶はないのだから、どこでも初めての場所だ。それならどこでもかまわない。
「彼女と同じ種族の多く住む所ってこと?それとも、ここで一生暮らすって?」
[……それでもいい。]
ジュジュの生まれた場所に彼女を帰してやりたいが、俺の力では無理だ。
「……ここは君達がいつまでもいるべき場所ではないよ。ここにいたら、見つかって……もといた場所に戻れるかもしれないが記憶操作されるだろうし、最悪監禁、監視対象で自由はないだろうね。」
監禁?記憶操作?どうして、そんな心配をするのだろう。何か、訳がありそうだ。
そう聞いてきたのは、頭に三角耳のある獣人族の青年オッド。ここは砂ばかりの星スファナ。オッドは俺達が世話になっている人だ。俺達が言葉を覚えるよりも前に翻訳機が使えるようになったので、会話がスムーズに出来るようになった。
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なぜか体が自由に動かないので、食事一つを取っても、たよってばかりだが、リハビリを続ける事で、少しずつ出来ることが増えている。
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[ジュジュと一緒なら、どこでもかまわない。]
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ここだろうが、元いた所でも、どこでも同じだ。もともと、記憶はないのだから、どこでも初めての場所だ。それならどこでもかまわない。
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[……それでもいい。]
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「……ここは君達がいつまでもいるべき場所ではないよ。ここにいたら、見つかって……もといた場所に戻れるかもしれないが記憶操作されるだろうし、最悪監禁、監視対象で自由はないだろうね。」
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