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第四章 君と一緒に生きていきたい
無人の星 3
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意識のない状態で、運び込んだ二人は一日中目が覚めなかった。
脱出ポッドの中で低温睡眠装置の解凍処理は進み、着陸後数時間をかけて、体の欠損なく通常体温に戻された。ただ、この星の外気温の高さでは防護衣無しに出歩くことはできない。移動する僅な時間でも軽い火傷をおっていた。
人族の男は褐色の肌に白髪の二十代前半だろうか、足に負傷跡があり、曲がった足では歩行は困難だろう。もう一人の獣人族の少女は十代前半に見える。少し痩せぎみであるが健康状態に問題はなさそうだ。
目が覚めた彼らに声を掛けたオッドは、初めて聞く言葉にとまどったが、身振り手振りで、意思を伝え、身の回りの世話をし、言葉を教えつつ、低温睡眠の影響による機能回復訓練を始めた。なんとか、彼らの言語データを入れた自動翻訳機を作ることができた。もともと多言語に対応したそれは、ここを出るときに必要になるだろう。ここで暮らす間はオッド達が話すベルドンナ共通語だけ理解すればいいが、訳あって、いつまでもここに置いておけない。
翻訳機を使いながら、ある程度会話が出来るようになった頃、彼らがここに来た経緯を聞き取り、オッド達が状況を推理して聞かせた。
脱出ポッドの中で低温睡眠装置の解凍処理は進み、着陸後数時間をかけて、体の欠損なく通常体温に戻された。ただ、この星の外気温の高さでは防護衣無しに出歩くことはできない。移動する僅な時間でも軽い火傷をおっていた。
人族の男は褐色の肌に白髪の二十代前半だろうか、足に負傷跡があり、曲がった足では歩行は困難だろう。もう一人の獣人族の少女は十代前半に見える。少し痩せぎみであるが健康状態に問題はなさそうだ。
目が覚めた彼らに声を掛けたオッドは、初めて聞く言葉にとまどったが、身振り手振りで、意思を伝え、身の回りの世話をし、言葉を教えつつ、低温睡眠の影響による機能回復訓練を始めた。なんとか、彼らの言語データを入れた自動翻訳機を作ることができた。もともと多言語に対応したそれは、ここを出るときに必要になるだろう。ここで暮らす間はオッド達が話すベルドンナ共通語だけ理解すればいいが、訳あって、いつまでもここに置いておけない。
翻訳機を使いながら、ある程度会話が出来るようになった頃、彼らがここに来た経緯を聞き取り、オッド達が状況を推理して聞かせた。
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