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おまけの話
団長と俺 4
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森の中は暗く鬱蒼とした木々で頭上まで覆われていた。あれほど汗をかいていた体から、熱が奪われ、ゾクリと寒気がした。
行けども行けども、先の見通せない長く続く森の中の道は、光も差し込まず暗く湿っぽい。彼らが通る道程は、広大な森全体からすればほんの一部で山に近い峠までの一応街道と呼ばれる……道なのだ。普段あまり人の行き来が無いのであろう荒れて苔生した起伏のあるその道は、たまに道端から延びてきた邪魔な枝を打ち落としたのであろうと思われ、切り口も新しい枝が路肩に転がっている。長く続く列。木々が途切れ、不意に視界が開けた。
空を仰ぐと、森に入るまでとはうって変わった曇天。今にも雨粒が落ちてきそうだ。水の匂いの混じった暖かい風が頬を過ぎていく。
「団長、雨が降りそうですね……」
隣に並ぶ伝令が団長に声を掛ける。そんな事、言わなくてもわかるって。一々口にするなよ。うんざりだ。
「これから山道に入る。峠を越える前に雨が強くなるようなら、隊を止める。この先、雨をしのげる場所をチェックしながら進もう。……森まで戻ることもありえるな。」
副団長に指示を伝えているのがここまで聞こえる。雨の中進むのは濡れるし、疲れるから嫌だよな……と、思った時……
「ぷっ」
ん?誰かが吹き出した声がした。反射的に辺りを見回したが、誰もそんな素振りをしていない。気のせいだったかな?
同期のサティーは、いつも俺の事をチビ呼ばわりするが俺より少しだけ背が高いだけだ。だが、サティーは剣術も俺にかなわないし、持久力も俺の方が断然ある。サティーは俺は医療隊だからいいんだよと言うが、それは言い訳だよ。それに、訓練で一番にへばってしまうのは、俺が体力がない訳ではないのだ。毎年計っている基礎体力測定の点数は余裕で合格だし、周りの騎士達が体力バカなのだ。うん。
ずっと馬を走らせている単調な作業だけなので、余計な事を色々考えてしまう。
行けども行けども、先の見通せない長く続く森の中の道は、光も差し込まず暗く湿っぽい。彼らが通る道程は、広大な森全体からすればほんの一部で山に近い峠までの一応街道と呼ばれる……道なのだ。普段あまり人の行き来が無いのであろう荒れて苔生した起伏のあるその道は、たまに道端から延びてきた邪魔な枝を打ち落としたのであろうと思われ、切り口も新しい枝が路肩に転がっている。長く続く列。木々が途切れ、不意に視界が開けた。
空を仰ぐと、森に入るまでとはうって変わった曇天。今にも雨粒が落ちてきそうだ。水の匂いの混じった暖かい風が頬を過ぎていく。
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「これから山道に入る。峠を越える前に雨が強くなるようなら、隊を止める。この先、雨をしのげる場所をチェックしながら進もう。……森まで戻ることもありえるな。」
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ん?誰かが吹き出した声がした。反射的に辺りを見回したが、誰もそんな素振りをしていない。気のせいだったかな?
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