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第一章 神の子孫
藤黄の衣 14
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「そんな風に思っていたのか……?」
ザ・ザは顔を上げルーイを見た。
その頃カークとアークは別室で香り茶を飲みながら、楽しげに話をしていた。
「トラネクさん……」
「そろそろ、ジイジと呼んで欲しいなー」
カークは首をちょこんと傾げるしぐさをした。猫系は見た目で年齢判別が難しく、人族型のアークから見ると可愛く見えるのだが、目の前の祖父を可愛いと思うのは変だよな……と思う。気づかれないように表情を変えずに答える。
「それは、今更……無理ですよ。それにお孫さん沢山いますよね?なんて呼ばれてるのですか?」
「ジジィとかオジイとか、ジイーさんとか。呼び捨てにする奴もいるしな。」
カークはもう数えきれん、覚えきれん、とぶつぶつ言っているが、可愛くてしょうがないのだろう目尻が下がっている。その数、孫が51人に曾孫が9人。ザ・ザは北の街に、ダ・ダは東の街に店を構えているので、年に数度の親族が集まる時には広い屋敷内を所狭しと、転がるように走り回っているのだとか。
「賑やかで楽しそうですね。」
「その中にぜひ、君も……」
「いや、遠慮しておきます。」
「小さい奴らが君に群がって引っ付いて団子なっている姿が……ぜひ、見たいな。人族の言うモフモフだぞ?想像してみ?ふかふかで楽しいぞ?」
「………すみません……」
アークは頭の中で、一瞬、子どもの獣人に囲まれる自分を想像してしまった。モフモフに囲まれるとか、気持ち良さそう……いやいや、ダメだ。ちょっとだけ、誘惑に負けそうになったが、実際対面したらそんな事になるはずがない。孫と言っても、小さい子だけではない。成人した子もいるだろうし、見知らぬアークなど警戒されて近付かないだろう。
ザ・ザは顔を上げルーイを見た。
その頃カークとアークは別室で香り茶を飲みながら、楽しげに話をしていた。
「トラネクさん……」
「そろそろ、ジイジと呼んで欲しいなー」
カークは首をちょこんと傾げるしぐさをした。猫系は見た目で年齢判別が難しく、人族型のアークから見ると可愛く見えるのだが、目の前の祖父を可愛いと思うのは変だよな……と思う。気づかれないように表情を変えずに答える。
「それは、今更……無理ですよ。それにお孫さん沢山いますよね?なんて呼ばれてるのですか?」
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「いや、遠慮しておきます。」
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「………すみません……」
アークは頭の中で、一瞬、子どもの獣人に囲まれる自分を想像してしまった。モフモフに囲まれるとか、気持ち良さそう……いやいや、ダメだ。ちょっとだけ、誘惑に負けそうになったが、実際対面したらそんな事になるはずがない。孫と言っても、小さい子だけではない。成人した子もいるだろうし、見知らぬアークなど警戒されて近付かないだろう。
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