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おまけの話
会いたい 可愛い 抱き締めたい
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アスターネスに弟のマックが嫁と子どもを連れて帰って来た。
留学先で行方不明になってから、ベルドンナで見つかるまで、大変な経験をしていたようで、兄ちゃんは生きていてくれただけで…もう…嬉しくて嬉しくて。泣いてしまったよ。連絡をもらった時は、本当にすべてを投げ出して会いに行こうとして……部下や友人、家族に、総出で邪魔され……いや、止められ……それでもグレイに一喝されなければ止まらなかったかもしれない。いつも穏やかなグレイの威圧は本当に滅多にない事。いやあ、目が覚めたね………
自由に会いに行けなくて、いっそのこと転職でも……と出来もしない考えに囚われていると…妻に叱られた。しかし今は、アスターネスに帰って来た。すぐ近くにいる。しかも仕事場は同じ王宮……いつでも会える!
王宮のレストランを工事しているなと思ったら、そこにマックは勤めるという。宰相が進めている王宮内の増強に伴い騎士舎も新しくなるし、いい仕事しますなぁ。宰相には、いつも過密スケジュールで働かされているので、文句は山ほどあるのだが、この件に関しては、大いに礼を言いたい。
「マック~」
「兄さん。」
俺はグレイ付きの近衛騎士。団長もまかされているので、超忙しいのだが、弟会いたさに時間があれば彼の職場に通っている。
休暇が合えば、彼の家で一緒に過ごしたり家族ぐるみで出掛けたりする。俺の妻はそんなに度々行くのは迷惑よと、止めるが、いやいや、何年離れていたと……何年行方不明だったと思ってる?毎日会いたいに決まっている。
「マックの作る料理は美味しいなぁ~」
「兄さん、忙しいのに毎日来て…嬉しいけれど、皆さんに無理言ってない?」
「大丈夫ですよ。」
同席していた部下達が答えた。お前は俺たちの会話に割り込むな。
「団長、睨まないで下さい。」
「本当に、マックさんに会えないと、団長は腑抜け状態で仕事が進まなくなりますから。昼食の時間くらい…」
「黙れよお前ら、お前らと喋るとマックがへる。」
「もう、減るって何?俺は減らないよ。兄さん。」
おっ!マックが頭にキスくれた~顔が自然にニヤケる。
「団長…その顔……」
「あの…鬼が…信じられない…」
頭を抱える部下達はほっとく。
少し離れた席にこちらをチラチラ見ている奴がいるな。見慣れない奴。そいつの死角で手信号を出す。よしよし、部下も了解の合図だ。できる部下だ。あとはまかせたよ。
「マック~ここにもチュってして~」
「団長~」
「もう、止めてください~」
「兄さん…仕方ない人だなあ。はい。チュッ」
そう言いながら頬にキスをしてくれた。マックは優しいな。だから、顔を両手で逃がさず口付けしてやった。
「ん~ん~!ぷぁ!……兄さん!もういくね。じゃ。」
ちょっぴり怒った顔も可愛いぞ。後ろ姿を見送る俺に部下達は笑いが止まらない奴、呆れ顔の奴、俺の顔を凝視する奴……さあ、仕事行くぞ。
「はい!行動開始!」
「了解!」
俺の意図を酌んだ部下達が動き始めた。今しがた見た怪しい奴等が何処から来たのか調べに行ったのだ。
「俺は、いい部下を持ったな。」
一人午後からの担当へ向かう。あ、まず、グレイに報告して……それから………
留学先で行方不明になってから、ベルドンナで見つかるまで、大変な経験をしていたようで、兄ちゃんは生きていてくれただけで…もう…嬉しくて嬉しくて。泣いてしまったよ。連絡をもらった時は、本当にすべてを投げ出して会いに行こうとして……部下や友人、家族に、総出で邪魔され……いや、止められ……それでもグレイに一喝されなければ止まらなかったかもしれない。いつも穏やかなグレイの威圧は本当に滅多にない事。いやあ、目が覚めたね………
自由に会いに行けなくて、いっそのこと転職でも……と出来もしない考えに囚われていると…妻に叱られた。しかし今は、アスターネスに帰って来た。すぐ近くにいる。しかも仕事場は同じ王宮……いつでも会える!
王宮のレストランを工事しているなと思ったら、そこにマックは勤めるという。宰相が進めている王宮内の増強に伴い騎士舎も新しくなるし、いい仕事しますなぁ。宰相には、いつも過密スケジュールで働かされているので、文句は山ほどあるのだが、この件に関しては、大いに礼を言いたい。
「マック~」
「兄さん。」
俺はグレイ付きの近衛騎士。団長もまかされているので、超忙しいのだが、弟会いたさに時間があれば彼の職場に通っている。
休暇が合えば、彼の家で一緒に過ごしたり家族ぐるみで出掛けたりする。俺の妻はそんなに度々行くのは迷惑よと、止めるが、いやいや、何年離れていたと……何年行方不明だったと思ってる?毎日会いたいに決まっている。
「マックの作る料理は美味しいなぁ~」
「兄さん、忙しいのに毎日来て…嬉しいけれど、皆さんに無理言ってない?」
「大丈夫ですよ。」
同席していた部下達が答えた。お前は俺たちの会話に割り込むな。
「団長、睨まないで下さい。」
「本当に、マックさんに会えないと、団長は腑抜け状態で仕事が進まなくなりますから。昼食の時間くらい…」
「黙れよお前ら、お前らと喋るとマックがへる。」
「もう、減るって何?俺は減らないよ。兄さん。」
おっ!マックが頭にキスくれた~顔が自然にニヤケる。
「団長…その顔……」
「あの…鬼が…信じられない…」
頭を抱える部下達はほっとく。
少し離れた席にこちらをチラチラ見ている奴がいるな。見慣れない奴。そいつの死角で手信号を出す。よしよし、部下も了解の合図だ。できる部下だ。あとはまかせたよ。
「マック~ここにもチュってして~」
「団長~」
「もう、止めてください~」
「兄さん…仕方ない人だなあ。はい。チュッ」
そう言いながら頬にキスをしてくれた。マックは優しいな。だから、顔を両手で逃がさず口付けしてやった。
「ん~ん~!ぷぁ!……兄さん!もういくね。じゃ。」
ちょっぴり怒った顔も可愛いぞ。後ろ姿を見送る俺に部下達は笑いが止まらない奴、呆れ顔の奴、俺の顔を凝視する奴……さあ、仕事行くぞ。
「はい!行動開始!」
「了解!」
俺の意図を酌んだ部下達が動き始めた。今しがた見た怪しい奴等が何処から来たのか調べに行ったのだ。
「俺は、いい部下を持ったな。」
一人午後からの担当へ向かう。あ、まず、グレイに報告して……それから………
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