ヴァンパイア戦記

瞳の住人

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水を統べし女帝 ウンディーネ1

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【1日目】
ウィンディーネがいる場所まで歩いていくと3週間近くかかる距離のため、セイコルドをお姫様抱っこし、高速移動を行う。
遭遇する出てくる敵を吹き飛ばしながら進む。経験値は入るもののまったくレベルは上がらない…。
その代わりお姫様抱っこをしているセイコルドにも経験値が一部入るらしく、レベルがどんどん上がっている。
やっぱり低ランクの頃が一番ワクワクするな…。何に進化するか楽しみだし。
俺もまだ進化を残しているはずであるが、ルシファー先生によれば強さのランクをAからSに上げ進化するためには、Aランクでレベル99(MAX)の上限まで上げた後、何かの「条件」が必要らしい。
その「条件」とはルシファー先生にも分からないようだ。
俺のSランク進化は当分先かなぁ。まぁ「条件」が分からない今、レベル99まで上げることに集中しよう。
今回の戦争で経験値を荒稼ぎできるはずだし、レベルは何とかなるはずだ。


【2日目】
今日も敵を吹き飛ばしながら夕方頃には目的地の湖に到着。俺の高速移動は凄まじく早い…、多分、前世で言うリニアモーターカーより早いかもしれないと考えながら湖を調査する。
この湖の奥底に確かにウィンディーネがいる気配がする…。
セイコルドも若干疲れてるし今日は休んで明日に備えよう…。セイコルドには今夜も頑張ってもらわないといけないわけだしね。


【3日目】
ついに俺はウィンディーネ鎮圧作戦を決行する。
湖にいるウィンディーネをどうやって捕まえよう…。
選択肢としては3つだ。

1.イフリートと俺のインフェルノによってウィンディーネの気配がする場所にピンポイントで水を蒸発させる。

2.呼んでみる 

3.座して待つ

とりあえず、3はないな。俺はそんなに暇じゃない。
まず2をした後は1だ!!
よしやるぞ!!

「魔王の我が命ずる、ウィンディーネよ。姿を表したまえ!!」

「………………………………」


「クスクス、セリフ付きでカッコつけたのに…」
セイコルドが失笑している…。

恥ずかしすぎるので急いで計画1に移す。
「我を無視するとは万死に値する、地獄の住人イフリートよ…」

「待って!!」

詠唱の途中で静止される。

湖の中から槍を持った青い髪の美少女…人間?が出てくる。こいつがウィンディーネか?

「鑑定!!」

種族:水を統べし女帝 ウンディーネ(召喚獣)LV.99 ランクA
 

HP   1900/1900
MP   5580/5580
攻撃力  220
防御力 2000
魔法  2450
スピード1600

スキル:水系最上級魔法「大海乱舞」
特記事項:召喚獣スキル「生魂強化」

大海乱舞は分かるが、生魂強化ってなんだ?!スキルを再鑑定してみる。

召喚獣スキル「生魂強化」
仲間全体の全ステータスを一定時間1.3倍に引き上げる

全ステータスアップの支援魔法か…。なんてチートな…

‥‥‥俺の召喚獣にしてやる!!やる気が出てきたぞ!!

そしてイフリートが俺のMPを吸い取り勝手にでてくる。

「gruuuuuuuu‥‥1000年振りか?!ウィンディーネ」


「あら…イフリート久しぶりね…。そこの魔王さんの召還獣になってたのね。」


「あぁ…。この魔王は初めはそこらのゴブリンと同じくらいの強さだったのに、短期間の間に今ではこの世界の最強種の一角だ。ワシでも今の魔王には敵わんだろう。」

「へ~そうなんだ。そんな規格外の生物がいるもんなんだねぇ。」

「そして火山生活に比べて刺激が多く満足しておるわ。」

「あらそう」

イフリートさんそろそろいいっすか?!もうMP吸い取られ過ぎて俺も限界なんですけど?!てか攻撃以外でも出ることできたんだな…。

イフリートを戻しウィンディーネに話しかける。

「早速だけど俺の召喚獣になってくれないか?!」

「嫌よ」

え?!今なんて?!もしかして俺、断られたの?!もしかしたら、俺の誘い方が悪かったかもしれない。もう一度言ってみよう。

「魔王の我が命ずる、女帝ウィンディーネよ俺の召喚獣となれ!!」

「嫌よ」

あっ‥‥。

「‥‥‥‥」

「何故断る?!」

「会ったばかりの女の子に対して、いきなり早速だけどエッチしないか?!とか魔王の我が命ずる俺とエッチしろ。とか言ってくる人にokと言う女の子が居ますかという話よ」

大変分かりやすい例えである。

「ではどうすればいい?!」

「なかなか真面目ね。魔王なら無理矢理俺のものにしてやるって言いそうなのに…。あなたみたいな男は嫌いじゃないわ。そもそもね、私たち召喚獣は一定の場所でしか生きられないの。その場所以外で生きようとすると誰かの召喚獣になって主人のMPを使ってしか具現化されないの…つまり誰かの召喚獣になるということは、ペットになると同じ意味ということね。勿論、召喚獣の方が楽しい場合もあるわ。あなたのイフリートのようにね…。」

そうだったのか…、知らなかった。

「そうか…。それなら諦める!!邪魔して悪かった!!」

ウィンディーネの支援魔法はチートだけど今の俺に必須なわけではない。俺が本当に欲しい召喚獣は「バハムート」や「リヴァイアサン」だ。そして何より、このウィンディーネはめんどくさそうだ、よし帰ろう。

即座にセイコルドをお姫様抱っこして高速移動を開始する。

「ちょっと待って!!」とウィンディーネに呼び止められるが、俺は「もうお前なんていらねーよ」と小声で呟き呼び止めを無視して先に進む。



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