ヴァンパイア戦記

瞳の住人

文字の大きさ
上 下
28 / 82

学生達の野外活動10(アンデットの軍勢との撤退戦)

しおりを挟む
「GGGRRRRUUOOOOOOO
               Hellfire Flame!!(地獄の業火)」


目に見えるすべての場所が青い炎につつまれる

イフリートの地獄の業火は、こちらに向かって突撃してくる騎馬隊に直撃し半数以上を灰に変えた。
「まだまだぁぁぁ!!イフリート!!連続で敵本陣に地獄の業火!」

自分のMPが空になるかつ、生き残った騎馬隊が俺に突撃するのを承知で、密集している約2500体がいる本陣に向け、イフリートを連続召喚する。
イフリートの地獄の業火を一度見た敵は、二度同じ手を食らわないよう対策を立て、密集しない陣形となる。密集しない陣形の相手にイフリートを召喚しても殲滅できる敵も少なく、効果は薄い。つまり、使いどころは密集している今が一番なのだ。

その刹那、イフリートが出現し、再度攻撃を行う。
「GGGRRRRUUOOOOOOO
               Hellfire Flame!!(地獄の業火)」


目に見えるすべての場所が青い炎につつまれる

直後、脳内に機械音が流れる。
「経験値280,922獲得しました。LV.22となりました。」
「HPMP超回復LV.MAX」となりました。
未だ嘗てないほどの、すまさじい経験値が手に入る。進化レベルには達しなかったが、ステータス面では、大きく上昇した。
鑑定するMPが残っておらず、敵を何体削れたのか不明だが、この莫大な経験値だ、とりあえず最初の先制攻撃は成功したと思ってよいだろう。次は召喚直後の隙をつき突撃してくる騎馬隊の対処である。俺は少しでもダメージを抑えるため防御の姿勢をとり、ランスを構えた突撃してくる騎馬隊の直撃に耐える。遠方からユリルが回復魔法をかけ続けてくれるが、それを上回るダメージによってHPが減り続ける・・・。片腕をもっていかれ、目は潰され口からは血が溢れ満身創痍になる中、無限に近いと思われるような時間を耐え続ける・・・。
「・・・ぐはっ・・・よ・・し・・・うう、おおおおっっインフェルノ!!」
イフリートを二度使いMPが一度空となった後、騎馬隊の突撃中に自動回復スキルHPMP超回復LV.MAXで溜めたMPすべてを使い、騎馬隊の中を一点突破する。
 「破滅の斧」を装備したレッズと、氷系最上級魔法「ブリニクル」を連発するユリルが、敵騎馬隊を倒しながら俺を回収し、戦線を離脱した。
泣きながらユリルが俺に語り掛ける。
「ご主人様、さすがに今回は度が過ぎております・・・。私の蘇生魔法も一度も使ったこともなく成功するかどうかも不明なのです・・うぅぅ・・本当に死んだかと思いました」
「すまんな・・みんな生きるためにはこれしかなかった。もう俺はしばらく立てない状態だしばらくお世話になるぞ・・・。」
俺はユリルに背負われながら、戦闘の勝率を上げる方法について考える。
今のままでは確実に全滅である・・・。勝つ可能性があるとしたら、次の三つのうちどれかが成功する必要がある。

1. 俺かユリルのAランクへの進化
2.「勇者の卵」、「聖女の卵」の覚醒
3.  敵の戦術の要「リッチキング」の撃破

1.はそのままであり、Aランクの強力なステータスによって数の優位をなくし敵を蹴散らして勝利を収めることである。
2.については両者が覚醒すれば戦力の増強は計り知れない、Bランク5人であれば戦略次第では何とかなるだろう。
3.についてであるが、最初鑑定した際、リッチキングのスキルに特殊なものがあった。「気配察知LV.MAX」
     「下級アンデッド再生LV.MAX」である。リッチキング自体はステータスも低く単独であればCランクの学生達でも倒せるくらいであるが、「下級アンデッド再生LV.MAX」は自分のMPが続く限り、ランクD以下のアンデッドが破壊されても再生し続けるというものである。再生されたアンデッドでも経験値がはいるのが唯一の救いであるが、今後、再生スキルを使い俺たちを削ってくるだろう…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

処理中です...