ヴァンパイア戦記

瞳の住人

文字の大きさ
上 下
12 / 82

オークの軍勢との最終戦2

しおりを挟む
メグたちのもとへ急いで行くと、前衛をレッズ、後衛をメグという布陣で劣勢ながらもまだ戦闘は継続していた。戦闘と言っても基本応戦しながら逃げるだけなのだが、圧倒的な力の差があるなかで、長い時間足止めを行っているというのは奇跡に近い。
そして後衛のメグに目立った傷はないが、前衛のレッズは血まみれで立っているのがやっとの状態だ。
このまま二人を犠牲にして、敵ごとイフリートで灰に変えることもできるが、それは人としてやってはいけないことだろう。人じゃなくてヴァンパイアだけど。
それはさておき二人とも無事でよかった。まず厄介なオーク近衛兵を屠るとするか・・・
死角からオーク近衛兵に向けて炎系上級魔法「インフェルノ」を放ち火だるまにする。
「ぐおおおおおおおおおおおお」と叫びながら暴れまわっている。
「さすがにタフだな・・・、二度目はどうかな?焼き尽くせインフェルノ!!」
もう一度、炎系上級魔法インフェルノを放ち確実にオーク近衛兵の生命を刈り取る。

そして俺は指示を出す
「メグ、レッズ!雑魚は任せるぞ!!俺はオーク将軍を殺る!」
インフェルノで攻撃した後、オーク将軍に妖刀村雨で斬りかかるが、何合、何十合打ちあっても俺の苛烈な攻めを全て 捌き斬り、ほとんどダメージを与えられなかった。そして所々でカウンターされ少なくないダメージが俺の身体に蓄積されている。
「ちっ、さすがに俺よりランク上位なだけあるな・・・、それならこれはどうだ?魔豪格闘流奥義LV.MAX!」
鉄槌!!掌底!!平拳!!刀峰!!弧拳!!猿臂!!左下段前蹴り!!鉄槌・・・

おいおいマジかよ、全部ガードされている。一回でも当たればそのままコンボできるが、すべて防御されている・・・・さすがに勝てないか。

そこでレッズの大声が聞こえる
「大将!雑魚は全員倒しましたぜ!」

レッズの報告を聞いた後、メグとレッズの位置を確認する。
よし!これなら召喚できる!
距離をとりオーク将軍に語りかける
「オーク将軍よ、ここまでだ。そちらの作戦はどれも優れたものであり、最初に不意打ちでイフリートを使い戦力を削れたこと、また内乱が起こってなかったら負けているのはこちらだった、貴殿に敬意を表する。」
召喚スキル発動「いでよ地獄の住人イフリート、オーク将軍を攻撃しろ。

「GGGRRRRUUOOOOOOO
               Hellfire Flame!!(地獄の業火)」


目に見えるすべての場所が青い炎につつまれる

   ☆

これで終わったか?いや、経験値取得の脳内アナウンスがない。
レッズに指示し、オーク将軍の死体があるとされる場所に直行させる。
その間、メグの回復魔法と自分の自動回復スキルで回復を行う。

レッズから報告がある。
「大将!こいつは虫の息ですぜ?とどめをさしますか?」
その報告を聞き俺も現場に直行する。

イフリートからの攻撃を受けた際、あらかじめ作っておいた、深い塹壕に身を隠し、命だけは助かったようだ。だが、放っておいても死ぬほどの重症・・・・さてどうるか。

「メグ、こいつに回復魔法をかけてやれ!」

メグとレッズは驚愕した顔で俺の顔を見る。
「オークに回復魔法はかけたくありません!」
「そうですぜ大将、そもそもオークに慈悲をあげる奴なんて生まれてこのかた見たことはありませんぜ。」

メグとレッズによる反対意見を押し切り、回復魔法をオーク将軍に唱えさせる。
渋々ながら回復魔法を唱えた結果、喋れるまで回復した。

「おい、オーク将軍よ。聞こえるか?こちらの質問にすべて答えるならとどめは刺さず、生かして返してやる。どうだ?答えるか?」

オーク将軍は目を閉じ、静かに回答する。
「よかろう・・・・、それで死なずにすむなら質問に答えるくらい安いもんだ。何が知りたい?」
交渉成立だ・・・メグとレッズを会話が聞こえないような位置まで離れることを指示して、オーク将軍に問いかける。ずっと違和感があったことについて最初に問う。
「まず、お前は転生者か?」
オーク将軍が閉じていた目を大きく開き、俺を見つめる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

処理中です...