13 / 17
第13話 協力者
しおりを挟む
「ん……あれ、ここはどこだ?」
焦げ茶色の瞳と髪を持つ、筋肉質の立派な体格をした若い男が呟いた。
自分は明るい日差しの中、汗をかきながらいつものように畑仕事をしていたはずだ。
「そうだ……なぜだか急に目の前が真っ白になって……」
男はようやくそれを思い出した。
そして、きょろきょろと辺りを見回す。
今男の目の前に広がっているのは、果てしなく広がる白い風景だった。見覚えのある物が何ひとつなく、薄ぼんやりと光っている。
ここは、天国か……?
「えっ、なにここ! もしかして、天国ってやつか!」
呆然としていた男の隣から、生きのいい女の叫び声が聞こえてくる。
男が驚いてそちらを見ると、そこには黒髪に黒い瞳の見知らぬ若い女がいた。
女はいかにも気が強そうな、きらきらした瞳をしている。
「あんた、いったいどこから来たんだい?」
男は女に尋ねる。
女は男の存在に気づき、目を丸くした。
「えっ……どこって……でっかい火山が見えるとこからだけど……そう言うあんたは?」
女は怪訝そうな視線を男に向けた。
「火山だって?」
男は額を曇らせる。
「いや、なんと言ったらいいのか……しかし、俺の村の近くに火山はないぞ」
「だろうね……あたし、あんたみたいな髪と瞳の色した人見たことないもん」
女は大きな黒い瞳で、じっと男を見つめた。
「それって、つまり違う国の人間ってことだよな……俺もあんたのような髪色の人間、見たことないよ……」
男はしみじみと呟いた。
よく見ると、女の瞳には黒に微かな緋色が見える。
「あともう二人ほど見たことのない人間が増えるから、もう少し待っててね!」
突如降ってわいた明るい声に、二人は一斉にそちらに視線を向ける。
「うわあ……すごい……」
「なんっ……て色だ……」
二人は呟き、絶句する。
まるで雨上がりの空にかかる虹のように、七色に輝く男がそこに立っていた。
赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫……七つの虹の色。
腰あたりまである緩やかなウェーブを描く髪も、優しげな笑みを刻むその瞳も、鮮やかな虹の色だ。
「ひょええ……まるで神様みたい!」
目を丸くした女が叫んだ。
「みたい、じゃなくて、私は神だよ」
にっこりと笑って、虹色の男は言った。
「か、神だと! てことは、やっぱり死んだのか、俺は……」
男は真っ青になった。
「いや、君達は生きているよ。ちょっと込み入った話がしたくてね……私がこの私邸に招いたんだ……お、あとの二人が到着したようだ」
と虚空から、どさっどさっと二人の若い男が現れた。
「痛ったあ……あ……れ……ここどこ?」
現れたのは、水色の瞳に金髪の男と、碧眼に銀髪の男だった。
「やあ、いらっしゃい! さあ、これで面子は揃ったぞ!」
後から現れた二人を前に、神を名乗った男はますます嬉しそうに笑った。
「君達には、精霊を見、コンタクトを取り、さらに使いこなせるようになってもらおう!」
高らかに、神はそう宣言した。
「君は土!」
ビシッと焦げ茶色の瞳と髪の男を指差し、神は言う。
「君は火、炎だ!」
と、次は黒髪の女を指差す。
「君は水!」
と、水色の瞳の男を指差し
「君は風だ!」
と、最後に碧眼の男を指差した。
「え……何の話……」
まったく事態を飲み込めない、風担当を告げられた男が目をパチパチさせた。
「なんでこの人、こんなに派手な色なの?」
「それはな、私が神だからだ!」
眉根を寄せる風担当の男に、神はにこやかに説明する。
「神だって!」
信じられない、と風担当の男は叫ぶ。
「うちの村に言い伝えられてる神様に、こんな派手なのいたっけ?」
風担当の男は、隣にいる水担当を告げられた男に聞く。
二人は同じ村で生まれ育っていた。
聞かれた方の男は無言で首を左右に振る。
「神と一言で言っても、色んなヤツがいるんだ。私はね、この星の地表に存在するもの全てが愛おしくてたまらない。だからね、将来を見据えて準備を始めようと思うんだ。これを見てくれ」
神は四人の人間にそれぞれ一冊の冊子を配った。
それを手にした三人の男の表情は浮かないものだったが、ただ一人火炎担当の女だけは、ワクワクしたような表情で冊子のページをペラペラとめくる。
「絵が書いてある……」
女がページをめくる手を止め、呟いた。
その視線は、ページの中央に大きく描かれた噴火した山に注がれている。
「文字だと、国ごとに違ってくるからね。文字を書き足したかったら、後で自由にするといいよ」
「これは、火山だな?」
女は神にページを指し示した。
「そうだよ!」
神はにこにこして答える。
「海や川みたいなのもある……」
「日に照らされた畑もだ……」
ページに描かれた風景に目を奪われた風担当と土担当の男が、口々に言った。
「私が考えているのはね、精霊を管理する場所を作ることなんだ。場所は既に考えてある。北にある孤島だ」
「精霊? 管理?」
風担当の男が、さっぱりわからないと首を傾げる。
「精霊というのはね、自然のエネルギーのことさ。目に見えないだけで、君達の身の回りに沢山存在しているんだよ。例えば、畑の土、土に含まれる水分、雨水、そよぐ風、炊かれる火や火山のマグマとかね」
「ふむ……なるほど……」
土担当の男が、顎に手をあてて呟いた。
「噴火、津波、洪水、竜巻、がけ崩れ、その他諸々の天災の被害を食い止める為に、過剰な精霊を回収、管理するんだ」
「できるのか、そんなことが」
少し驚いたように、土担当の男が言った。
「これから、それができるように色々と準備をしていくのさ。ちなみに、今回君達をここに招待したのも、その準備の内の一つだよ。そして回収した過剰な精霊だけどね、逆に不足している地域に分配するんだ。よくある例を挙げると、雨不足による干ばつ時に、ストックの水の精霊を配るとかね」
「なるほどな……それが本当にうまく循環したならば、我々人間側の暮らしが、今より安全で安定したものになるだろう」
それまでずっと黙っていた、水担当を告げられた男が言った。
「設備やシステムはこれから作るんだけど、まずは精霊と仲良くできる能力を人間に与えないと、と思ってね」
「はあ……しかしなにかするったって、俺達四人だけじゃ足りなくないか?」
土担当の男は他の三人を見やり、神に言った。
「まあ、今すぐどうこうしようってわけじゃない。そうだなあ……あと百年後くらいかな」
神は土担当の男の問に答える。
「えっ、そうなの?」
「能力は血縁で受け継がれていくようにするから……君達の四代くらい先になるかなあ? まあ、あくまで目安だけど……」
「僕たちの子孫に、なんかとんでもないもの遺す気がしてきた……」
風担当の男が天を仰いだ。
「これは、地表に生ける者全ての為に描いた、私の夢だ! どうだろう君達、私と一緒に夢を見てくれないか?」
きらきらと瞳を輝かせ、神は四人の人間に問う。
「……いいだろう……」
「あたしも一緒に、夢見るよ!」
水担当の男と火炎担当の女が同時に言った。
風担当と土担当の男二人は視線を交わし、同時にため息を吐いた。
「一体どうなるのか、まったく想像できないが……仕方ない、引き受けよう」
土担当の男が言った。
「あーあ……なんで僕なのかなあ……引き受けるよ、引き受けるけどさ……」
渋面を作る風担当の男がぶつぶつと言う。
「皆、ありがとう!」
虹色に輝く神はにこにこと笑って、代わる代わる四人の手を取ったのだった。
焦げ茶色の瞳と髪を持つ、筋肉質の立派な体格をした若い男が呟いた。
自分は明るい日差しの中、汗をかきながらいつものように畑仕事をしていたはずだ。
「そうだ……なぜだか急に目の前が真っ白になって……」
男はようやくそれを思い出した。
そして、きょろきょろと辺りを見回す。
今男の目の前に広がっているのは、果てしなく広がる白い風景だった。見覚えのある物が何ひとつなく、薄ぼんやりと光っている。
ここは、天国か……?
「えっ、なにここ! もしかして、天国ってやつか!」
呆然としていた男の隣から、生きのいい女の叫び声が聞こえてくる。
男が驚いてそちらを見ると、そこには黒髪に黒い瞳の見知らぬ若い女がいた。
女はいかにも気が強そうな、きらきらした瞳をしている。
「あんた、いったいどこから来たんだい?」
男は女に尋ねる。
女は男の存在に気づき、目を丸くした。
「えっ……どこって……でっかい火山が見えるとこからだけど……そう言うあんたは?」
女は怪訝そうな視線を男に向けた。
「火山だって?」
男は額を曇らせる。
「いや、なんと言ったらいいのか……しかし、俺の村の近くに火山はないぞ」
「だろうね……あたし、あんたみたいな髪と瞳の色した人見たことないもん」
女は大きな黒い瞳で、じっと男を見つめた。
「それって、つまり違う国の人間ってことだよな……俺もあんたのような髪色の人間、見たことないよ……」
男はしみじみと呟いた。
よく見ると、女の瞳には黒に微かな緋色が見える。
「あともう二人ほど見たことのない人間が増えるから、もう少し待っててね!」
突如降ってわいた明るい声に、二人は一斉にそちらに視線を向ける。
「うわあ……すごい……」
「なんっ……て色だ……」
二人は呟き、絶句する。
まるで雨上がりの空にかかる虹のように、七色に輝く男がそこに立っていた。
赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫……七つの虹の色。
腰あたりまである緩やかなウェーブを描く髪も、優しげな笑みを刻むその瞳も、鮮やかな虹の色だ。
「ひょええ……まるで神様みたい!」
目を丸くした女が叫んだ。
「みたい、じゃなくて、私は神だよ」
にっこりと笑って、虹色の男は言った。
「か、神だと! てことは、やっぱり死んだのか、俺は……」
男は真っ青になった。
「いや、君達は生きているよ。ちょっと込み入った話がしたくてね……私がこの私邸に招いたんだ……お、あとの二人が到着したようだ」
と虚空から、どさっどさっと二人の若い男が現れた。
「痛ったあ……あ……れ……ここどこ?」
現れたのは、水色の瞳に金髪の男と、碧眼に銀髪の男だった。
「やあ、いらっしゃい! さあ、これで面子は揃ったぞ!」
後から現れた二人を前に、神を名乗った男はますます嬉しそうに笑った。
「君達には、精霊を見、コンタクトを取り、さらに使いこなせるようになってもらおう!」
高らかに、神はそう宣言した。
「君は土!」
ビシッと焦げ茶色の瞳と髪の男を指差し、神は言う。
「君は火、炎だ!」
と、次は黒髪の女を指差す。
「君は水!」
と、水色の瞳の男を指差し
「君は風だ!」
と、最後に碧眼の男を指差した。
「え……何の話……」
まったく事態を飲み込めない、風担当を告げられた男が目をパチパチさせた。
「なんでこの人、こんなに派手な色なの?」
「それはな、私が神だからだ!」
眉根を寄せる風担当の男に、神はにこやかに説明する。
「神だって!」
信じられない、と風担当の男は叫ぶ。
「うちの村に言い伝えられてる神様に、こんな派手なのいたっけ?」
風担当の男は、隣にいる水担当を告げられた男に聞く。
二人は同じ村で生まれ育っていた。
聞かれた方の男は無言で首を左右に振る。
「神と一言で言っても、色んなヤツがいるんだ。私はね、この星の地表に存在するもの全てが愛おしくてたまらない。だからね、将来を見据えて準備を始めようと思うんだ。これを見てくれ」
神は四人の人間にそれぞれ一冊の冊子を配った。
それを手にした三人の男の表情は浮かないものだったが、ただ一人火炎担当の女だけは、ワクワクしたような表情で冊子のページをペラペラとめくる。
「絵が書いてある……」
女がページをめくる手を止め、呟いた。
その視線は、ページの中央に大きく描かれた噴火した山に注がれている。
「文字だと、国ごとに違ってくるからね。文字を書き足したかったら、後で自由にするといいよ」
「これは、火山だな?」
女は神にページを指し示した。
「そうだよ!」
神はにこにこして答える。
「海や川みたいなのもある……」
「日に照らされた畑もだ……」
ページに描かれた風景に目を奪われた風担当と土担当の男が、口々に言った。
「私が考えているのはね、精霊を管理する場所を作ることなんだ。場所は既に考えてある。北にある孤島だ」
「精霊? 管理?」
風担当の男が、さっぱりわからないと首を傾げる。
「精霊というのはね、自然のエネルギーのことさ。目に見えないだけで、君達の身の回りに沢山存在しているんだよ。例えば、畑の土、土に含まれる水分、雨水、そよぐ風、炊かれる火や火山のマグマとかね」
「ふむ……なるほど……」
土担当の男が、顎に手をあてて呟いた。
「噴火、津波、洪水、竜巻、がけ崩れ、その他諸々の天災の被害を食い止める為に、過剰な精霊を回収、管理するんだ」
「できるのか、そんなことが」
少し驚いたように、土担当の男が言った。
「これから、それができるように色々と準備をしていくのさ。ちなみに、今回君達をここに招待したのも、その準備の内の一つだよ。そして回収した過剰な精霊だけどね、逆に不足している地域に分配するんだ。よくある例を挙げると、雨不足による干ばつ時に、ストックの水の精霊を配るとかね」
「なるほどな……それが本当にうまく循環したならば、我々人間側の暮らしが、今より安全で安定したものになるだろう」
それまでずっと黙っていた、水担当を告げられた男が言った。
「設備やシステムはこれから作るんだけど、まずは精霊と仲良くできる能力を人間に与えないと、と思ってね」
「はあ……しかしなにかするったって、俺達四人だけじゃ足りなくないか?」
土担当の男は他の三人を見やり、神に言った。
「まあ、今すぐどうこうしようってわけじゃない。そうだなあ……あと百年後くらいかな」
神は土担当の男の問に答える。
「えっ、そうなの?」
「能力は血縁で受け継がれていくようにするから……君達の四代くらい先になるかなあ? まあ、あくまで目安だけど……」
「僕たちの子孫に、なんかとんでもないもの遺す気がしてきた……」
風担当の男が天を仰いだ。
「これは、地表に生ける者全ての為に描いた、私の夢だ! どうだろう君達、私と一緒に夢を見てくれないか?」
きらきらと瞳を輝かせ、神は四人の人間に問う。
「……いいだろう……」
「あたしも一緒に、夢見るよ!」
水担当の男と火炎担当の女が同時に言った。
風担当と土担当の男二人は視線を交わし、同時にため息を吐いた。
「一体どうなるのか、まったく想像できないが……仕方ない、引き受けよう」
土担当の男が言った。
「あーあ……なんで僕なのかなあ……引き受けるよ、引き受けるけどさ……」
渋面を作る風担当の男がぶつぶつと言う。
「皆、ありがとう!」
虹色に輝く神はにこにこと笑って、代わる代わる四人の手を取ったのだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる