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第十八章
二話 【昔取った杵柄】
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「で、他の五賢人は?」
「まぁ、寄る年波には勝てんからの~」
ジゼルも変わらんと思うのだが……
まぁ、任せたサーズリが連れてきたのだ、戦えるんだろう。
「あぁ、惣一郎殿…… 他にも応援の冒険者が向かっておりまして、もうすぐこちらへ」
サーズリが言った側から、現れる金髪魔族とエルフのふたり。
「「 惣一郎様! 」」
「ビルゲン! バオ!」
「惣一郎様の危機と聞き、駆け付けましたぞ!」
「転移施設とは凄いですね~ こんな遠くに一瞬で来れるなんて」
「ふたりとも、大変な時に悪いな」
「王位など、惣一郎様の危機なら容易く投げ捨てましょう!」
いや捨てちゃダメでしょ……
キラキラした目のビルゲンの向こうで、サーズリが親指を立てていた。
ジゼル達を断れなかったの件、これでチャラに!っと心の声が聞こえる。
まぁビルゲン達の応援は助かる!
早々と朝食を摂り終えたミコ達が、
「アタイら先に行くぜ!」
っと、やる気満々で準備を始めた。
島への移動はギドが受け持つと、朝から待機してくれている。
「ミコ、先に行くのは良いが無理するなよな!」
「ああ、厄災どもを片っ端から……」
「ほぉ~ 威勢がいいの~ どれ、時代を担う若者が、どこまでやれるか見てやろう!」
っと、ジゼル達も付いていこうと斧を担ぎ出す。
鼻で笑うミコが、
「おいおい勘弁してくれよ、介護してる暇なんかないぜ!」
っと言うと、すぐさま強い口調でガブガが、
「口を慎めミコ! 申し訳ありません。生きる伝説のお二方と共に戦えるのだ、光栄に思わんか!」
っと、怒り出す!
やけにガブガが畏まる、五賢人のふたり。
「良い良い、嬢ちゃんの言う通りただの老人だ。楽しく行こうではないか」
惣一郎から渡されたアルミの杖を撫でながら、ギリアークが、笑っている。
ジゼルは、ダンジョン産の大斧を持っているので、プロテクターだけを貸し出してある。
「どれギドよ、お前さんが隠してた瞬間移動とやらを、経験させてもらおうかの~」
汗で脇がびしょびしょのギド。
先発隊の5人が、島へと渡る。
惣一郎はゼリオス達を待ってから、向かうつもりでいた。
島に着くと、クンクンと匂いを嗅ぐミコ。
「じゃ、帰る時はまたコールしてくれ」
っと、姿を消すギド。
「おっ! 案外近くにいるなぁ」
するとグローブを握りしめて構えるガオが「ガオ!」っと叫ぶ。
浜辺の岩場から、平たい鎧の様な無数の脚を持つ蟲が、4匹も出てくる!
「ちいせ~な! これも厄災か?」
「見た目で判断するなと言われてるだろ! 気を付けろよ」
1mちょっとの大きなフナムシは、地面を這う様に凄い速さでミコとの間合いを詰める!
慌てて鉈を振り下ろす、ミコ!
あっさりかわすしたフナムシとは、別のフナムシが飛びかかる!
それを撃ち返すガオ!
「素早いぞ!」
見る見る毛深くなるミコ。
他のフナムシを斧で牽制するガブガ。
するとそのフナムシを狙ってか、大型の厄災が森から現れると、真っ直ぐミコ達に向かってくる!
茶色い侍の様な鎧に身を包む、巨大なコオロギ[ジャイアント・ウェタ]である!
「おお! 大物が来た! 見てろ必殺技炸裂させてやるぜ!」
「お前さんは目の前の厄災に集中するがええ! コイツはわしに任せなさい!」
「な! ジジイ、アタイの獲物だ!」
ジゼルはミコを無視して年寄りらしからぬ跳躍を見せると、
「ギリアーク! [グラビトン]じゃ!」
っと、大斧を振り下ろす!
ギリアークが杖を掲げ、ジゼルの斧に魔法をかけると、激しい音と共に砂を巻き上げる!
砂浜の大きな凹みからは、潰れた厄災だった物のトゲトゲの脚が、ピクピクと動いていた。
「なんだよ…… なんだよジジイ! やるじゃね~か!」
興奮するミコが足元のフナムシに、鉈を突き立てる。
「まぁ、寄る年波には勝てんからの~」
ジゼルも変わらんと思うのだが……
まぁ、任せたサーズリが連れてきたのだ、戦えるんだろう。
「あぁ、惣一郎殿…… 他にも応援の冒険者が向かっておりまして、もうすぐこちらへ」
サーズリが言った側から、現れる金髪魔族とエルフのふたり。
「「 惣一郎様! 」」
「ビルゲン! バオ!」
「惣一郎様の危機と聞き、駆け付けましたぞ!」
「転移施設とは凄いですね~ こんな遠くに一瞬で来れるなんて」
「ふたりとも、大変な時に悪いな」
「王位など、惣一郎様の危機なら容易く投げ捨てましょう!」
いや捨てちゃダメでしょ……
キラキラした目のビルゲンの向こうで、サーズリが親指を立てていた。
ジゼル達を断れなかったの件、これでチャラに!っと心の声が聞こえる。
まぁビルゲン達の応援は助かる!
早々と朝食を摂り終えたミコ達が、
「アタイら先に行くぜ!」
っと、やる気満々で準備を始めた。
島への移動はギドが受け持つと、朝から待機してくれている。
「ミコ、先に行くのは良いが無理するなよな!」
「ああ、厄災どもを片っ端から……」
「ほぉ~ 威勢がいいの~ どれ、時代を担う若者が、どこまでやれるか見てやろう!」
っと、ジゼル達も付いていこうと斧を担ぎ出す。
鼻で笑うミコが、
「おいおい勘弁してくれよ、介護してる暇なんかないぜ!」
っと言うと、すぐさま強い口調でガブガが、
「口を慎めミコ! 申し訳ありません。生きる伝説のお二方と共に戦えるのだ、光栄に思わんか!」
っと、怒り出す!
やけにガブガが畏まる、五賢人のふたり。
「良い良い、嬢ちゃんの言う通りただの老人だ。楽しく行こうではないか」
惣一郎から渡されたアルミの杖を撫でながら、ギリアークが、笑っている。
ジゼルは、ダンジョン産の大斧を持っているので、プロテクターだけを貸し出してある。
「どれギドよ、お前さんが隠してた瞬間移動とやらを、経験させてもらおうかの~」
汗で脇がびしょびしょのギド。
先発隊の5人が、島へと渡る。
惣一郎はゼリオス達を待ってから、向かうつもりでいた。
島に着くと、クンクンと匂いを嗅ぐミコ。
「じゃ、帰る時はまたコールしてくれ」
っと、姿を消すギド。
「おっ! 案外近くにいるなぁ」
するとグローブを握りしめて構えるガオが「ガオ!」っと叫ぶ。
浜辺の岩場から、平たい鎧の様な無数の脚を持つ蟲が、4匹も出てくる!
「ちいせ~な! これも厄災か?」
「見た目で判断するなと言われてるだろ! 気を付けろよ」
1mちょっとの大きなフナムシは、地面を這う様に凄い速さでミコとの間合いを詰める!
慌てて鉈を振り下ろす、ミコ!
あっさりかわすしたフナムシとは、別のフナムシが飛びかかる!
それを撃ち返すガオ!
「素早いぞ!」
見る見る毛深くなるミコ。
他のフナムシを斧で牽制するガブガ。
するとそのフナムシを狙ってか、大型の厄災が森から現れると、真っ直ぐミコ達に向かってくる!
茶色い侍の様な鎧に身を包む、巨大なコオロギ[ジャイアント・ウェタ]である!
「おお! 大物が来た! 見てろ必殺技炸裂させてやるぜ!」
「お前さんは目の前の厄災に集中するがええ! コイツはわしに任せなさい!」
「な! ジジイ、アタイの獲物だ!」
ジゼルはミコを無視して年寄りらしからぬ跳躍を見せると、
「ギリアーク! [グラビトン]じゃ!」
っと、大斧を振り下ろす!
ギリアークが杖を掲げ、ジゼルの斧に魔法をかけると、激しい音と共に砂を巻き上げる!
砂浜の大きな凹みからは、潰れた厄災だった物のトゲトゲの脚が、ピクピクと動いていた。
「なんだよ…… なんだよジジイ! やるじゃね~か!」
興奮するミコが足元のフナムシに、鉈を突き立てる。
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