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第十七章
十三話 【惣一郎の策】
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誰も居ないエキオの町に、念の為サーチを唱える惣一郎。
無事全員、避難出来た様だ。
映像を見たガブガが、日の高さからミルドラが現れるのは午後と予測していた。
広場に残る惣一郎とギド。
それ以外は、町の外、東側と西側に分かれて待機している。
なるべく町を壊したくは無いが、そうも言ってられない。
東にはベンゾウとミコ、ツナマヨとトーマが待機している。
西側には、弁慶とゼリオス、エルとギコル。
セシルはクロにまたがり、やや北で見守る。
通信の要として。
残りは広場前にあるギルドで待機する。
「すまないなギド、年寄りに頼ってしまって」
「気にするな、コレも俺のやり残した使命みたいな物だ」
全身を惣一郎の出したプロテクターで身を包むギド。
ジュラルミンで出来たアームガードには、魔石が光っていた。
広場で待ち構える惣一郎とギド。
中央と東と西に分かれたみんなも緊張し、今かと待ち構える。
特に映像を見た者は……
『セシル! そろそろだ、みんなに寝てない所悪いが気合い入れるよう伝えてくれ!』
『はい!』
緊張の時間が流れる……
すると広場に突然現れた獣人の男!
「ネウロか! すぐに離れろ!」
「そ…… 惣一郎なのか?」
広場で膝を突き、息の荒いネウロ。
驚き固まっていると、後ろに女性が現れる。
長い赤毛のドレスの女。
よく見るとドレスは、凶々しく身体から生えた鎧の様な外殻であった。
焦り動こうとするギド!
「まだだ!」
っと止める惣一郎。
遠く建物の上から見ていたセシルが、みんなにコールを飛ばす!
「ミルドラだな!」
刑事が犯人を捕まえる時の様な口調であった。
ニヤリと笑うミルドラが、手を広げる。
左右に大きな青い魔法陣が現れると、地面から大きな厄災が姿を現す。
「いまだ!!」
大声を出し姿を消す、惣一郎とギド!
ギドが緑の厄災に触れると、一瞬で厄災ごと消える!
惣一郎はミルドラの後ろに現れ、背中に触れると、同じ様に消える!
広場には大きな黒い厄災と、状況が理解できないネウロがまだ、膝を突いていた。
広場前のギルドから出て来る6人の冒険者。
「行くぞ! 町を守るのじゃ」
ガブガが両手に斧を持ち、黒い厄災に走り寄る!
ガオがそれを追い越す。
呼び出された厄災も状況が分からないのか何もせず、ガオの右ストレートを顔面に受ける!
少し、ほんの少しだけ下がる黒い厄災。
立て続けにゴザの光矢が、レーザーの様な黄色い光線を放ち、大きな鋏の間の顔に刺さっていく!
たまらず一歩下がる巨大なサソリ。
反り返る尻尾が目の前のガオに、勢いよく襲い掛かるが、
「どっこいしょ!」
っと、2本の斧で撃ち返すガブガ。
巨大な身体で俊敏に後退するサソリ。
追いかける様に、グリコの水弾がサソリを襲う!
嫌がるサソリ!
やはり水が苦手なのか、大きな鋏でガードする厄災!
キンブルとクトルの兄弟が、ガブガとガオに支援魔法をかける。
「お前達は…… いったい誰なんだ……」
理解出来ないネウロは、まだ地面に手を突いていた。
東に現れた緑の厄災。
町の外の荒野に現れた、長い脚に棘を纏う巨大な厄災。
二度の連続瞬間移動で巨体を運び現れるギドが、青い顔で「後は任せたぞ!」と、さらに奥の離れた場所に飛んで座り込む。
惣一郎の魔力無しで巨体をここまで連れて来ただけで、大分辛そうだった。
「任せろ、おっさん!」
すでに獣化していたミコが、両手の鉈を振り回し、弾丸となり厄災の長い脚に体当たりする!
右前脚の関節部分にあたる弾丸は、厄災の脚を曲げて、回転が止まる。
六本中の一本を、折ってもバランスは崩れない。
「まず一本だ!」
「二本だよ」
小刀を抜いたベンゾウが、奥で横たわる大きな厄災の脚の先と一緒に立っていた。
ようやく異変に気付いた緑の厄災が、耳が裂ける様な高い大きな声をあげる。
腰を落とす様に残された脚を曲げ、平な腹部を反らせ、大きな葉っぱに似た姿で威嚇すると、口から毒霧を放つ!
それを大きな盾で受け止めるトーマ。
その後ろ居合の姿勢で構えるツナマヨが、毒霧を受け切ったトーマが横に身体をずらすと、半月状の光を放つ。
前屈姿勢の緑の厄災は、そのツナマヨの一閃を頭を下げて避けるが、反り返る腹部に大きな傷を残す。
西に現れたミルドラは、状況が理解出来ずにいた。
無事全員、避難出来た様だ。
映像を見たガブガが、日の高さからミルドラが現れるのは午後と予測していた。
広場に残る惣一郎とギド。
それ以外は、町の外、東側と西側に分かれて待機している。
なるべく町を壊したくは無いが、そうも言ってられない。
東にはベンゾウとミコ、ツナマヨとトーマが待機している。
西側には、弁慶とゼリオス、エルとギコル。
セシルはクロにまたがり、やや北で見守る。
通信の要として。
残りは広場前にあるギルドで待機する。
「すまないなギド、年寄りに頼ってしまって」
「気にするな、コレも俺のやり残した使命みたいな物だ」
全身を惣一郎の出したプロテクターで身を包むギド。
ジュラルミンで出来たアームガードには、魔石が光っていた。
広場で待ち構える惣一郎とギド。
中央と東と西に分かれたみんなも緊張し、今かと待ち構える。
特に映像を見た者は……
『セシル! そろそろだ、みんなに寝てない所悪いが気合い入れるよう伝えてくれ!』
『はい!』
緊張の時間が流れる……
すると広場に突然現れた獣人の男!
「ネウロか! すぐに離れろ!」
「そ…… 惣一郎なのか?」
広場で膝を突き、息の荒いネウロ。
驚き固まっていると、後ろに女性が現れる。
長い赤毛のドレスの女。
よく見るとドレスは、凶々しく身体から生えた鎧の様な外殻であった。
焦り動こうとするギド!
「まだだ!」
っと止める惣一郎。
遠く建物の上から見ていたセシルが、みんなにコールを飛ばす!
「ミルドラだな!」
刑事が犯人を捕まえる時の様な口調であった。
ニヤリと笑うミルドラが、手を広げる。
左右に大きな青い魔法陣が現れると、地面から大きな厄災が姿を現す。
「いまだ!!」
大声を出し姿を消す、惣一郎とギド!
ギドが緑の厄災に触れると、一瞬で厄災ごと消える!
惣一郎はミルドラの後ろに現れ、背中に触れると、同じ様に消える!
広場には大きな黒い厄災と、状況が理解できないネウロがまだ、膝を突いていた。
広場前のギルドから出て来る6人の冒険者。
「行くぞ! 町を守るのじゃ」
ガブガが両手に斧を持ち、黒い厄災に走り寄る!
ガオがそれを追い越す。
呼び出された厄災も状況が分からないのか何もせず、ガオの右ストレートを顔面に受ける!
少し、ほんの少しだけ下がる黒い厄災。
立て続けにゴザの光矢が、レーザーの様な黄色い光線を放ち、大きな鋏の間の顔に刺さっていく!
たまらず一歩下がる巨大なサソリ。
反り返る尻尾が目の前のガオに、勢いよく襲い掛かるが、
「どっこいしょ!」
っと、2本の斧で撃ち返すガブガ。
巨大な身体で俊敏に後退するサソリ。
追いかける様に、グリコの水弾がサソリを襲う!
嫌がるサソリ!
やはり水が苦手なのか、大きな鋏でガードする厄災!
キンブルとクトルの兄弟が、ガブガとガオに支援魔法をかける。
「お前達は…… いったい誰なんだ……」
理解出来ないネウロは、まだ地面に手を突いていた。
東に現れた緑の厄災。
町の外の荒野に現れた、長い脚に棘を纏う巨大な厄災。
二度の連続瞬間移動で巨体を運び現れるギドが、青い顔で「後は任せたぞ!」と、さらに奥の離れた場所に飛んで座り込む。
惣一郎の魔力無しで巨体をここまで連れて来ただけで、大分辛そうだった。
「任せろ、おっさん!」
すでに獣化していたミコが、両手の鉈を振り回し、弾丸となり厄災の長い脚に体当たりする!
右前脚の関節部分にあたる弾丸は、厄災の脚を曲げて、回転が止まる。
六本中の一本を、折ってもバランスは崩れない。
「まず一本だ!」
「二本だよ」
小刀を抜いたベンゾウが、奥で横たわる大きな厄災の脚の先と一緒に立っていた。
ようやく異変に気付いた緑の厄災が、耳が裂ける様な高い大きな声をあげる。
腰を落とす様に残された脚を曲げ、平な腹部を反らせ、大きな葉っぱに似た姿で威嚇すると、口から毒霧を放つ!
それを大きな盾で受け止めるトーマ。
その後ろ居合の姿勢で構えるツナマヨが、毒霧を受け切ったトーマが横に身体をずらすと、半月状の光を放つ。
前屈姿勢の緑の厄災は、そのツナマヨの一閃を頭を下げて避けるが、反り返る腹部に大きな傷を残す。
西に現れたミルドラは、状況が理解出来ずにいた。
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