異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第十七章

十一話 【念願の贈り物】

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黒目に戻ったクロがキョトンとしている。

「何処だここは!」

そこにギドが現れ、状況に驚いている。

その直ぐ後に、ミコとガブガ、ガオも現れ騒ぎ出す。

どうやら、ダンジョンから戻った面子は、一緒に時間を超えた様だ。

「みんな、簡単に状況を説明する! あれ? ベンゾウは?」

周りを見ると、屋台で串焼きを両手に持つベンゾウがいた。

ワイドンテの3人は、戻って来なかった……




「…………っと、言うわけだ!」

「「「「 っと言うわけだじゃないぞ! 理解できん! 旦那様、ホントにエキオなのか? ガオ! おいおいなんてこった! 惣一郎様、それでは、町の人は! 」」」」

「いっぺんに喋るな! 俺にも信じられないが、事実だ! 兎に角、動くしかないの! わかる!」

焦りからか、キレ気味の惣一郎。

広場の真ん中で騒ぐ一団に、人集りが出来ていく。

惣一郎は、まず目の前のギルドへ駆け込むと、黒いカードを見せ、ギルマスを呼ぶ様にと叫ぶ。

「惣一郎、落ち着け!」

わかってる……

だが、気持ちが焦ってしまう惣一郎。


「お待たせしました、ギルド長の[カシス]です。ジビカガイライの惣一郎様ですね、お噂は」

「挨拶は後だ、急いで町の人達、全員の避難を!」

「えっ? 避難……ですか?」

「説明してる時間がない! 命令だ! 今いる冒険者全員に声をかけて、避難の誘導を!」

「いったい何事なんですか?」

「いいから、トップの言う事を聞け!」

っと、鉈でカウンターを叩き割るミコ!

「ミコ、お前まで冷静を欠いてどうする!」

っと、止めるガブガ。

その行動に少し冷静になれた惣一郎。

「すまん、本当に緊急事態なんだ、今すぐ避難を」

静まり返るギルド内。

「わかりました![ミーニャ]今すぐ冒険者全員を呼び出せ![セリナ]は、手分けして商会と領主に連絡を! 全員、今すぐ動くぞ!」

カシスの指示で動き出すギルド。

惣一郎はセシルに、サーズリにコールで近隣の街や村にも避難を呼びかける様にと頼む。

慌ただしく動き出すエキオの町。

陽は落ち、すっかり暗くなっていた。




「惣一郎様、サーズリには簡単に説明し、直ぐに避難を呼びかけるそうです! それと、ゼリオス達ハツネツガイライと、ツナマヨさん達フジンカガイライが、急に消えた我々を探しているそうです!」

そうか、エキオが襲われた前日という事は7日前、俺達は前回の厄災討伐依頼を終えたばかりか!

「みんなは何処にいるって?」

「ハツネツガイライは島に戻ったばかりだそうです。目の前で私と弁慶さんが消えて慌てているそうです! フジンカガイライは、ツナマヨさんとトーマさん、エルさんがまだゴーラルド街に戻ってる最中で、惣一郎様やミコさんが消えたと騒いでいるそうです!」

まぁ、そうなるか……

「全員エキオに向かう様に伝えてくれ!」

今なら直接エキオの施設に来れるだろう。

「ゼリオス達には、ギドもここにいると伝えておいてくれ」

「わかりました!」

ややこしくなって来たな……

どうやらクラン結成でつけた名前も水着回も、無かった事になりそうだ……


惣一郎は広場に戻り、慌ただしく店仕舞いを始める屋台を見ていた。

「ふぁい! ご主人様」

串焼きを咥えながら、一本差し出すベンゾウ。

「ベンゾウ、明日世界が終わるかも知れない戦いが始まる。いつもお前に頼ってばかりで済まないな……」

「ふぉんふぁふぉきにしないふぇ! ふぇんぞうはふぉしゅじんさまの、ふぉれいでふぉ!」

ちょっと何言ってるか分からない……

ゴクン! 「宝箱なんだったの?」

あれ? 話変わった?

「そうだ、贈り物って言ってたな」

広場で宝箱を開ける惣一郎。

サーチで調べるまでもないだろう。

一つ目は……

[荳也阜縺ョ隕九◆迚ゥ]……なんじゃこれ?

小瓶に入った光る物体……

ゆらゆらと光り揺れていた。

もう一つは……

魔導書だ!

テレポ改…… マジか……

惣一郎はすぐに頭に乗せ、ベンゾウに呪文を頼む!

『テレポ』

シャーーー!

覚えたぜ、念願の魔法!

改って事は……

惣一郎は広場の中央にある、ダンジョンの入り口である、岩で出来た獅子の頭の上をイメージすると、一瞬で移動する。

キターーーーー! もう俺、最強じゃん!

広場を見下ろすとキョロキョロと周りを探すベンゾウが見える。

その後ろをイメージして飛ぶ!

ポン! 痛!

振り返るベンゾウ。

「フフフ、とうとうベンゾウから一本取ったぞ!」

「ズルい! ベンゾウ構えてないもん!」

サーチとの相性もいい、テレポ改。

また人の枠から離れていく、おっさんであった。




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