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第十六章
二十五話 【舞い込む依頼】
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「クロ、今なんて言った?」
「フン[逾槭鬆伜沺]と言ったのだ。そんな事より、我の飯はまだか?」
何語だそりゃ? 犬語?
「つか留守番だろどうせ。出かける時にやろうと思ってたよ」
ミコは目を回しまだ立てないし、ベンゾウはケーキをねだるし……って、今食うのかよ!
朝飯食ったのに……
今日は島行くの午後からかな~
惣一郎はみんなに、島に行くのは午後になると伝え、一時解散とする。
惣一郎はテントの中に戻り、テーブルにケーキをホールで出し、クロの皿に山盛りの肉を置く。
ベンゾウが喜び、ケーキを独り占めする。
惣一郎は肉を喰らうクロに、
「なぁ、ベンゾウがその[なんたら]って、なんなんだ? なんでクロがそれを知ってるんだ?」
「モグモグ、我も詳しくは知らん! モグモグ、前に眠りの中で我を[傍観者]と呼ぶ者がそんな話をしてたのだ」
またそれか……
じゃ、勇者とかそんな意味かな?
「モグモグ、あの娘は貴様同様、この世界の理から足を踏み出す者。モグモグ、大きな使命を持っておる。だが世界も一方向に進むものでもない。モグモグ、貴様が来た事ですでに、この世界は常に変わりつつあるのだ」
「お前…… 大事な話を肉食いながら…… どこまで知ってるんだ、使命ってなんだ、クロ!」
「モグモグ、我は何も知らん、我は傍観者だ! ただ行く末を見守るのみ」
「夢に現れる奴は、何者なんだ、神か?」
「モグモグ[世界]じゃ」
まさかクロにまで…… ん?
結局、何も分からずじゃね?
いや、何も決まってないって事なのか?
「ベンゾウ、あれから夢におっさんは出て来てないのか?」
「ご主人様なら」モグモグ。
あっそ……
そこへセシルが、慌ててテントに入ってくる。
「惣一郎様、サーズリから連絡が[フロスト諸島]と[グビノ国]に厄災が出たそうで、ギルドに依頼が入ったそうです!」
同時にか!
「セシル、厄災について詳しく聞いてくれ」
惣一郎はテントを出て、またみんなを集める事になる。
「……っと言う訳で俺達は、依頼で数日ココを離れる」
「惣一郎殿、同時に2カ所と言うなら、我々も動くぞ」
「ええ、我々もその腹積りです」
「アタイも行くぜ、旦那」
ん~ 確かに俺らだけで行けば、片方は被害が広がるか……
「セシル、詳細はわかった?」
「はい、フロスト諸島には巨大な鋏を頭に持つ黒い厄災が一匹、街に現れ人々を襲い、今はグラマラの煙で、街に閉じ込めてる状態だそうですが、長くは持たないそうです。グビノ国に現れた厄災は、数が多くザザンドに現れた鎌を持つ厄災に似たもので、体長は人の子供位、若草色で200を越える数だそうです。グビノ国はザザンドの隣の国、国境近くとの事で、関係性があるものと思われます。現在すでにいくつかの村が襲われ[キキトの町]に進行中との事です」
ザザンドのカマキリが卵を産んでたか……
「よし! 二手に分かれて対処しよう。ゴリラング・ログとクルセウスは、フロスト諸島へ。グビノ国には、俺らとスーサイド・キップスで向う」
「了解した」
「おお! 任せとけ」
「惣一郎殿! 我々は今後、厄災討伐専門のチームとなる訳ですよね? ゴリラング・ログもクルセウスも、我々も同じチーム同様! どうせならチーム名も変えませんか?」
「え、チーム名? こだわりはないの?」
「ギルドが認識する上で、付けた名前です。これからは新たなチームとして、惣一郎殿、貴方に付けて頂きたい」
「ほぉ、良かろう。我々も異論ないぞ!」
「アタイもなんでもいいぞ!」
「俺に? 名前を? マジで?」
「ええ、是非お願いします。今回の件が済んだらで結構ですので、先ずは、無事依頼をこなし、名を頂けるに相応しいチームかその目で」
堅いな……
「フン[逾槭鬆伜沺]と言ったのだ。そんな事より、我の飯はまだか?」
何語だそりゃ? 犬語?
「つか留守番だろどうせ。出かける時にやろうと思ってたよ」
ミコは目を回しまだ立てないし、ベンゾウはケーキをねだるし……って、今食うのかよ!
朝飯食ったのに……
今日は島行くの午後からかな~
惣一郎はみんなに、島に行くのは午後になると伝え、一時解散とする。
惣一郎はテントの中に戻り、テーブルにケーキをホールで出し、クロの皿に山盛りの肉を置く。
ベンゾウが喜び、ケーキを独り占めする。
惣一郎は肉を喰らうクロに、
「なぁ、ベンゾウがその[なんたら]って、なんなんだ? なんでクロがそれを知ってるんだ?」
「モグモグ、我も詳しくは知らん! モグモグ、前に眠りの中で我を[傍観者]と呼ぶ者がそんな話をしてたのだ」
またそれか……
じゃ、勇者とかそんな意味かな?
「モグモグ、あの娘は貴様同様、この世界の理から足を踏み出す者。モグモグ、大きな使命を持っておる。だが世界も一方向に進むものでもない。モグモグ、貴様が来た事ですでに、この世界は常に変わりつつあるのだ」
「お前…… 大事な話を肉食いながら…… どこまで知ってるんだ、使命ってなんだ、クロ!」
「モグモグ、我は何も知らん、我は傍観者だ! ただ行く末を見守るのみ」
「夢に現れる奴は、何者なんだ、神か?」
「モグモグ[世界]じゃ」
まさかクロにまで…… ん?
結局、何も分からずじゃね?
いや、何も決まってないって事なのか?
「ベンゾウ、あれから夢におっさんは出て来てないのか?」
「ご主人様なら」モグモグ。
あっそ……
そこへセシルが、慌ててテントに入ってくる。
「惣一郎様、サーズリから連絡が[フロスト諸島]と[グビノ国]に厄災が出たそうで、ギルドに依頼が入ったそうです!」
同時にか!
「セシル、厄災について詳しく聞いてくれ」
惣一郎はテントを出て、またみんなを集める事になる。
「……っと言う訳で俺達は、依頼で数日ココを離れる」
「惣一郎殿、同時に2カ所と言うなら、我々も動くぞ」
「ええ、我々もその腹積りです」
「アタイも行くぜ、旦那」
ん~ 確かに俺らだけで行けば、片方は被害が広がるか……
「セシル、詳細はわかった?」
「はい、フロスト諸島には巨大な鋏を頭に持つ黒い厄災が一匹、街に現れ人々を襲い、今はグラマラの煙で、街に閉じ込めてる状態だそうですが、長くは持たないそうです。グビノ国に現れた厄災は、数が多くザザンドに現れた鎌を持つ厄災に似たもので、体長は人の子供位、若草色で200を越える数だそうです。グビノ国はザザンドの隣の国、国境近くとの事で、関係性があるものと思われます。現在すでにいくつかの村が襲われ[キキトの町]に進行中との事です」
ザザンドのカマキリが卵を産んでたか……
「よし! 二手に分かれて対処しよう。ゴリラング・ログとクルセウスは、フロスト諸島へ。グビノ国には、俺らとスーサイド・キップスで向う」
「了解した」
「おお! 任せとけ」
「惣一郎殿! 我々は今後、厄災討伐専門のチームとなる訳ですよね? ゴリラング・ログもクルセウスも、我々も同じチーム同様! どうせならチーム名も変えませんか?」
「え、チーム名? こだわりはないの?」
「ギルドが認識する上で、付けた名前です。これからは新たなチームとして、惣一郎殿、貴方に付けて頂きたい」
「ほぉ、良かろう。我々も異論ないぞ!」
「アタイもなんでもいいぞ!」
「俺に? 名前を? マジで?」
「ええ、是非お願いします。今回の件が済んだらで結構ですので、先ずは、無事依頼をこなし、名を頂けるに相応しいチームかその目で」
堅いな……
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