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第十六章

十一話 【惣一郎の思惑】

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惣一郎がテントに入ると、セシルがサーズリとコールでやり取りをしていた。

「惣一郎様、サーズリから今連絡がありまして、もう一件の依頼の話なんですが、解決したそうです」

「ん、解決? 倒したって事?」

「ええ[東バルド]に現れた、長い触覚を持つ黒い厄災が、スーサイド・キップスと言うチームに討伐されたそうです」

「へぇ~ 他にも厄災を倒せるチームがいたのか、凄いな」

「それが、大きな被害も出たそうなんですが、なんとか最後はスーサイド・キップスのリーダーが、魔法で仕留めたそうです」

「魔法でか? それも凄い」

「ジビカガイライの様に、最近頭角を現したチームらしく、ギルドでも厄災を倒せるチームが他に現れた事で大騒ぎとの事です」

「へぇ~ 会ってみたいもんだな」

「ええ、向こうも会談を求めているそうです」

「えっ? また急に……」

まぁ、いつまでも俺らだけってのも効率悪いしなぁ~

「返事は少し時間をくれと」

「わかりました」



そこにベンゾウと弁慶が戻ってくる。

「ご主人様! 勝ったよ」

「だろうね」

えへへっと喜ぶベンゾウの頭を撫でる惣一郎は、みんなに話があると言いだす。

「今回みたいに、厄災が多発的に現れた場合、俺ら以外にも対応出来るチームがあっても良いと思うんだが、どう思う?」

テーブルにお茶を出しながら、話し始める惣一郎。

「ゴリラング・ログみたいに、武器を貸し出すって事か? 旦那様」

「ん~ まぁ、そうなるのかな~」

「危険は無いでしょうか? 強力な武器を見ず知らずの者に渡すのは」

「まぁ、人柄は見るがな」

「お前さんが育てると言う事かニャ?」

「いや、俺はそこまで……って、いつの間に!」

「ベンゾウはご主人様に従うだけだよ」

「アタイも!」

「そうですね、いくらギルドの施設を使えても、世界は広いですし、このままでは確かに間に合わない事も出てくるかも知れませんね」

「リコの強さは異常ニャ、昔のリコと大違いニャ、アレはお前さんが育てた結果かニャ?」

照れるベンゾウ。

「何も教えちゃいないが、武器と美味い飯のおかげかな~」

「リコを連れてけニャ!」

「そりゃ、置いてったりしないが……」

「違うニャ、リコニャ! リコに負けたが、アレも昔のリコに匹敵するニャ!」

「ミコの事?」

「そう言ってるニャ!」

『『『『 言ってね~ 』』』』

どっと疲れる惣一郎。

「そういえば、そのミコは?」

「外でまだ、固まってるぞ」

「ん~ すぐ戦い申し込むとか、力を試したがる奴はな~」

「ワシがよくリコの話をしてたから、ライバル心を植え付けてしまったニャ、リコは仲間思いの良い奴ニャ、正義感もあるニャ」

言い出しといて悩む惣一郎……

「わかった、少し試してみるか」

惣一郎は、サーズリと打ち合わせをすると言い、セシルから魔導具を借りるとソファーでコールを唱える。

オババはミコに話にテントを出る。




『サーズリか?』

『ええ、他にいないでしょ! 会談をお受けになるのですか?』

『ああ、その事なんだが、少し事情が変わってな、他にも呼んで欲しいチームがあるんだ』

惣一郎は、厄災を倒せるチームを、他にも作ると言う話をする。

驚くサーズリに説明を続けると、それならばと、ギルドが把握してる上位のチームを紹介して来た。

その中に、クルセウスも入っていた。

『ああ、クルセウスなら、今一緒にいるよ!』

『そうでしたね、応援を頼んだ冒険者チームの中に入ってましたね!』

『あとゴリラング・ログと、そのスーサイド・キップスを呼んで欲しい』

『集まるのに時間がかかりますが』

『施設利用の許可なら俺が出すが』

『そうでしたな…… その権利がおありでしたな』

『秘密だけは守る様によく言っといてね! 場所は…… どっか良い所ある?』

『そうですね……あっ、惣一郎殿! 一石二鳥のいい場所がありますよ!』

[ゴヌバ大陸]の西に浮かぶ島、そこには厄災が多く棲息しているという。

昔から棲息する厄災は、島から出る事もなく、倒せる者もいない為、被害が無いならと捨て置かれた島。

島の名は[ピオリア島]。

ギルドも監視の為に、施設を近くの浮島に設置していると言う。

『いいね~ 至れり尽くせりじゃん!』

『では、早速スーサイド・キップスには伝えましょう! ゴリラング・ログには最寄のギルドへ伝言を、その為連絡が付き次第、惣一郎殿にご連絡致します』

『そうね、取り敢えず3日後に予定をしておこう』

『他のチームはどうなさいますか?』

『他は…… おいおい考える』

『わかりました。当日私も伺いますので』

『ああ、よろしく頼むよ! 以上』

『では、後ほど! 以上』

何故か楽しそうな惣一郎だった。




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