異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第十六章

八話 【クルセウス】

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麓の街は、今いる瓦礫の街から少し離れると言うので、厄災がまた来る事を考え瓦礫の街にテントを出す事にする。

ベンゾウは、オババと離れて話していた。

惣一郎達は、気になりながらもテントの前で、夕食の準備を始める。

「名乗りが遅れたな、ワシは[ガブガ]と言う。あの嬢ちゃんは、ゴーデンセルの出身なのか?」

「みたい……ですね…… 貴方はゴーデンセルの方じゃないのか?」

「ああ、ワシはギルドから今朝応援に来たクルセウスっちゅうチームのひとりで、仲間が偵察に行ってるので、ここで待っている」

「なるほど…… クルセウス?」

「ワシらも有名だからな、聞いた事ぐらいあるだろう」

割と最近聞いた様な……

「ヒソヒソ…… 弁慶、聞いた事ないか最近」

「さぁ?」

思い出せん。

「アハハ、まぁ冒険者仲間なら、仲間が戻るまで、一緒にどうだ?」

惣一郎は、テーブルに出来たてのカツ丼を出す。

セシルが揚げて、弁慶が煮たカツ丼。

惣一郎はコレにレモンをかけスライスを乗せる、さっぱりレモンカツ丼である。

「なんだこりゃ、いい匂いだ!」

ガブガは、出した途端に勢いよく食べ始める。

ガブガのおかわり出した所で、ベンゾウ達が戻って来た。

「お前さんが惣一郎だな、リコが世話になったニャ」

「リコじゃない、ベンゾウ!」

「だからそう言ったニャ」

「いや言ってないですが……」

「リコは残念だったが、リコだけでもこうして元気な姿が見れて良かったニャ」

「………ベンゾウとはどういったご関係で?」

「ベンゾウの師匠…… 戦い方を教えてくれた」

「ああ~ ベンゾウのお師匠さんか!」

………ええええ! いたのか師匠が!

「ああ、リコが両親を亡くした後、生きていける様に戦い方を教えてやったニャ…… リコは誰よりも強かったニャ、それがまさか、戦えなくなって奴隷にまで落ちていたなんて知らなかったニャ」

「ベンゾウ、あの時よりもご主人様のおかげで、もっと強くなれたよ」

「なんじゃ、うちのリーダーの兄弟弟子か!」

「リコはリコよりも前だから姉弟子だニャ」

「オババ、リーダーは[ミコ]だ」

「そう言っておるニャ」

紛らわしくなって来たが…… 衝撃の事実連発だな……

そう思いながら惣一郎は、オババとベンゾウにもカツ丼を出すが、ベンゾウは後で食べるとテントに入って行った。

惣一郎達は、カツ丼を食うオババから初めて、弟が亡くなっていた事を聞いた。




食事を終え片付けていると、ガブガの仲間が帰って来た。

「オババ! ん? 客か?」

やって来たふたりの冒険者。

獣人だろう、猫耳の付いた長い黒髪の若い女性とライオンの顔を持つ獣人の大男であった。

「応援に来た、ジビカガイライだそうだ」

「おお~ アンタらがジビカガイライか!」

「ミコよ、まずは名乗らんか」

「それもそうだな! アタイは、クルセウスのリーダー[ミコ・ギャレット]だ!」

「ガウ」

「こいつは同じクルセウスの[ガウ]、ガウしか喋れないからガウだ! まぁ、長く付き合うと言ってる事はわかる様になる!」

長い黒髪から尖った猫耳をピコピコ動かし、ライオン顔の大男の胸を叩きながら、紹介するミコ。

「ジビカガイライの惣一郎だ、よろしくな! こっちはセシルと弁慶!」

惣一郎はミコの真似をして、弁慶の胸を叩くとポヨンと跳ね返る。

「旦那様、人前で…… ぽっ♡」

「………あ、あとテントにもうひとり、ベンゾウって言う仲間が休んでいる」

「閃光の乙女か! で、アンタが黒鉄だな。ジビカガイライの噂はよく聞くぜ、強いんだってな! 特にその、閃光の乙女って奴が」

「お前さんの姉弟子だそうだぞ」

「はぁ? 聞いてねーぞ、オババ!」

「アホ! 何度もリコ言う姉弟子がいる言うたニャ!」

「リコはアタイだろ! ミコだけど!」

「前の名がニコだそうだ」

「ニコ? じゃベンゾウって誰だ!」

「知らん、もう勝手にやってくれ……」

オタオタするセシルを連れて、テントへ入る惣一郎。

残された弁慶は、笑って誤魔化そうとしていた。




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