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十四章

一話 【大岡裁き!】

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「惣一郎さん!」

客室に飛び込んでくるサヴォイ。

部屋では天井からロープで吊るされたベッドが揺れていた。

目を擦りながら、青い顔の惣一郎が、

「なに? 着いた?」

「まだ七日目ですよ! そうじゃなくって、船長が、呼んでます! 海から[シグラル]が襲って来たんです!」

「何それ…… ベンゾウは?」

「もう戦ってます! 弁慶さんと!」

「じゃ大丈夫だよ……」

「ちょっ惣一郎さん! そうじゃなくって、文字通りベンゾウさんと弁慶さんが戦ってるんです! 惣一郎さん止めて下さい!」

「……はぁ~」

サヴォイに起こされ甲板に出ると、船乗り達が心配そうにふたりの言い合いを、見守っていた。

近づくと足元には、タツノオトシゴに手足が生えた子供位の魔獣が、30匹近く倒れていた。

「ちょっと、何してんの?」

「「 ご主人様! 旦那様! 」」

「聞いてご主人様! 弁慶がベンゾウよりシグラル多く倒したって言うんだよ! ベンゾウ17匹は倒したのに! ちゃんと数えてたんだよ!」

「旦那様! ベンゾウ殿がアタイより多く倒したって言うが、アタイも17匹倒したぞ! しかも1匹はでかい奴を! これはどう考えてもアタイの勝ちだろ!」

「じゃ、34匹いたんじゃないの?」

すると船長が、

「惣一郎殿、それが33匹しかいないのだ、海に落ちたのかも知れないと言っているんだが、ふたりとも、そんな訳がないと話がずっと平行線でね……」

正直どうでもいい……

巻き込んでしまい申し訳ない船長さん……

ワンワン!(我は見たぞ! 途中、弁慶が倒したと思っておったデカいのが、起き上がり、ベンゾウにトドメを刺されておったのだ!)

「そっか~ お腹空いたからどっちでもいいって、クロも言ってるぞ! ふたりで倒したでいいだろ」

セシルとリヴォイ、サヴォイも「うんうん」頷いている。

すると船長が、

「すまん、惣一郎殿! 俺が討伐をお願いしたんだ、ふたりに1匹10ギー払うと」

「なるほど、それで数にこだわってるのか。じゃ仲良く、1人165ギーづつでよくね?」

「旦那様! 金額の問題じゃ無い!」

「ベンゾウ、絶対17匹倒したもん!」

この状況を一体どう裁くのかと、惣一郎に注目が集まる。

コイツら、この揺れの中で、なんでこんなに元気なの…… 最近よく揉めてるな、コイツら。

考える惣一郎の目に、1匹だけ大きなシグラルが目に入る。

ん? 潰れた左側に首元の切り傷……

コレって……

「ふたりとも、コレを見てみろ! 弁慶の攻撃の痕にベンゾウの付けた切り口! 弁慶が倒したと思ったこのシグラルが、まだ動き出し、止めを刺したのがベンゾウなんじゃないか? コレがふたりが17匹と言い張る理由なのではないだろうか!」

掛けてもいないメガネを、あげる素振りを見せる惣一郎。

「「「「 なるほど! 」」」」

アホばっか……

疲れた惣一郎は、そそくさと部屋へ帰っていく。





「惣一郎様!」

寝付いた頃、今度はセシルが慌てて部屋に入って来る。

「……今度はなんでしょうか」

「ベンゾウさんと弁慶さんが、海に!」

「海に?」

「落ちてしまった様でして……」

「はぁ…… えっ!」

飛び起きる惣一郎は、また甲板へ走る。

薄暗い外に出ると、船乗り達が大騒ぎしていた!

「船長!」

「惣一郎殿! お二人が落ちたらしく、今総出で探してるのですが、暗い海での捜索で難航しておりまして!」

慌てて海を見渡すが、暗く全く見えない!

コールしても返事出来ないし、あいつらに居場所が分かる合図は、出せないだろう。

惣一郎は集中して、サーチを唱える!

…………いた!

アルミの舟を出し、乗り込むと理喪棍を握り宙に浮く!

「船長! 戻る目印になる様に火を焚いてくれ!」

そう言うと暗い海に飛んで行く惣一郎。

船員達は、現れた舟に驚き、飛ぶ惣一郎にさらに驚く。

惣一郎は飛びながら、コールで今行くと、ふたりに伝える。

潮の流れが早いのか、船の進みが早いのか、大分離れた場所にふたりを感じ、暗い夜の海を勢い良く飛んで行く。

サーチを頼りに、感じた場所に行くと、暗くて良く見えない!

「ベンゾウ! 弁慶! どこだっ!」

「だ、だんな さま~」

星の明かりが反射する波打つ水面に、弁慶に抱えられたベンゾウが、見えた!




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