276 / 409
十三章
七話 【間の悪い残党】
しおりを挟む
この世界にとって、イレギュラーな存在の惣一郎が城を出る。
すると正面から、騎士達が馬車を囲み帰って来る所に出会す。
「貴様、どかんか! 教皇様の右腕、聖騎士[トルソルイ]様のお帰りだぞ! 道を開けろ!」
御者席の騎士が立ち上がり、大声をあげる。
間の悪い男達だった。
今の惣一郎に、悪気は無かったは通じない。
真上から鉄球が頭を鎧の中まで押し込み、噴水の様に血を撒き散らす。
馬車の周りの騎士達も、驚き何が起きたか理解出来ず辺りを警戒しだすと、惣一郎がこれ見よがしに、鉄球を自分の周りに浮かせ回していた。
「お前の仕業か!」
馬車を囲む10人近い騎士が、剣を抜き構えるが、いきなり団のトップを殺され、動揺しているのか、まとまりが無い。
そこに慌てて現れた、白銀の鎧の大男が、
「待て! お前たち何をしている!」
顔見知りとホッとする騎士を、殴り倒す大男。
「[ガイロン]殿! 誤解です! その男です! トルソルイ殿を殺したのは、その男です!」
惣一郎を指差す騎士も、大男のガイロンに殴り飛ばされる。
「貴様ら! この国を潰す気か!!」
遅れてゾロゾロと聖騎士達が現れ、馬車の周りの騎士達を取り囲み、取り押さえていく。
「どう言う事だ! 問題だぞ! 我々は教皇様の命で貴族を捕えて戻ったのだぞ!」
ガイロンが慌てて馬車を確認すると、中に酷い怪我を負った年配の男が縛られ倒れていた。
「カーマ卿!」
ガイロンに抱えられ、馬車から痛々しく降りる老人に、見覚えがあった。
「クロイツさんか?」
「あ、あなたは……」
痛々しく口を開く老人は、前線基地に居たクロイツだった。
「そ、惣一郎様…… スワロ様が……スワロ様が」
自分の怪我を他所に、スワロを心配するクロイツ。
惣一郎がクロイツの肩に手を置き。
「すまない…… 間に合わなかった……」
老人は顔を皺だらけにし、悔しそうに視線を落とす。
惣一郎は白銀の騎士ガイロンに、
「コイツら、教皇派でいいんだよな?」
「あ、あぁ、すぐにでも他の者達も捕え、捕まった王族貴族も解放させる。コイツらには内乱の罪を受けてもらう」
「他にも、教皇の命令で動いている者がいるのか?」
「確認する」と言うガイロンが、捕らえた騎士の一人を持ち上げ質問をする。
「教皇は死んだ! 他に教皇の命令で動いているのは誰だ!」
「じ、ジジェルシートのオルソン様と……[ゲリオゾン]の[ザビー]様が……」
「ザビー! ザビーが動いているのか! 目的は!」
「カーマの街のギルマス、ロウガだ」
行きに会ったロウガか!
惣一郎は直ぐに理喪棍に乗り飛ぶ。
ガイロンが、飛ぶ惣一郎に驚きながらも「我々も直ぐカーマへ!」っと大声を上げると、飛び立つ惣一郎は「マイズだ!」っと、凄い速さで飛んでいった。
前屈姿勢で勢い良く空を進む惣一郎。
尽きない魔力に惣一郎は、当たり前の様に飛んでいく。
自分に何が起こってるのか、気付きもせずに……
すると正面から、騎士達が馬車を囲み帰って来る所に出会す。
「貴様、どかんか! 教皇様の右腕、聖騎士[トルソルイ]様のお帰りだぞ! 道を開けろ!」
御者席の騎士が立ち上がり、大声をあげる。
間の悪い男達だった。
今の惣一郎に、悪気は無かったは通じない。
真上から鉄球が頭を鎧の中まで押し込み、噴水の様に血を撒き散らす。
馬車の周りの騎士達も、驚き何が起きたか理解出来ず辺りを警戒しだすと、惣一郎がこれ見よがしに、鉄球を自分の周りに浮かせ回していた。
「お前の仕業か!」
馬車を囲む10人近い騎士が、剣を抜き構えるが、いきなり団のトップを殺され、動揺しているのか、まとまりが無い。
そこに慌てて現れた、白銀の鎧の大男が、
「待て! お前たち何をしている!」
顔見知りとホッとする騎士を、殴り倒す大男。
「[ガイロン]殿! 誤解です! その男です! トルソルイ殿を殺したのは、その男です!」
惣一郎を指差す騎士も、大男のガイロンに殴り飛ばされる。
「貴様ら! この国を潰す気か!!」
遅れてゾロゾロと聖騎士達が現れ、馬車の周りの騎士達を取り囲み、取り押さえていく。
「どう言う事だ! 問題だぞ! 我々は教皇様の命で貴族を捕えて戻ったのだぞ!」
ガイロンが慌てて馬車を確認すると、中に酷い怪我を負った年配の男が縛られ倒れていた。
「カーマ卿!」
ガイロンに抱えられ、馬車から痛々しく降りる老人に、見覚えがあった。
「クロイツさんか?」
「あ、あなたは……」
痛々しく口を開く老人は、前線基地に居たクロイツだった。
「そ、惣一郎様…… スワロ様が……スワロ様が」
自分の怪我を他所に、スワロを心配するクロイツ。
惣一郎がクロイツの肩に手を置き。
「すまない…… 間に合わなかった……」
老人は顔を皺だらけにし、悔しそうに視線を落とす。
惣一郎は白銀の騎士ガイロンに、
「コイツら、教皇派でいいんだよな?」
「あ、あぁ、すぐにでも他の者達も捕え、捕まった王族貴族も解放させる。コイツらには内乱の罪を受けてもらう」
「他にも、教皇の命令で動いている者がいるのか?」
「確認する」と言うガイロンが、捕らえた騎士の一人を持ち上げ質問をする。
「教皇は死んだ! 他に教皇の命令で動いているのは誰だ!」
「じ、ジジェルシートのオルソン様と……[ゲリオゾン]の[ザビー]様が……」
「ザビー! ザビーが動いているのか! 目的は!」
「カーマの街のギルマス、ロウガだ」
行きに会ったロウガか!
惣一郎は直ぐに理喪棍に乗り飛ぶ。
ガイロンが、飛ぶ惣一郎に驚きながらも「我々も直ぐカーマへ!」っと大声を上げると、飛び立つ惣一郎は「マイズだ!」っと、凄い速さで飛んでいった。
前屈姿勢で勢い良く空を進む惣一郎。
尽きない魔力に惣一郎は、当たり前の様に飛んでいく。
自分に何が起こってるのか、気付きもせずに……
23
お気に入りに追加
1,858
あなたにおすすめの小説

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました
七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。
世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。
それが、この世界の 絶対のルール だった。
そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。
異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。
※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる