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十三章

七話 【間の悪い残党】

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この世界にとって、イレギュラーな存在の惣一郎が城を出る。

すると正面から、騎士達が馬車を囲み帰って来る所に出会す。

「貴様、どかんか! 教皇様の右腕、聖騎士[トルソルイ]様のお帰りだぞ! 道を開けろ!」

御者席の騎士が立ち上がり、大声をあげる。

間の悪い男達だった。

今の惣一郎に、悪気は無かったは通じない。

真上から鉄球が頭を鎧の中まで押し込み、噴水の様に血を撒き散らす。

馬車の周りの騎士達も、驚き何が起きたか理解出来ず辺りを警戒しだすと、惣一郎がこれ見よがしに、鉄球を自分の周りに浮かせ回していた。

「お前の仕業か!」

馬車を囲む10人近い騎士が、剣を抜き構えるが、いきなり団のトップを殺され、動揺しているのか、まとまりが無い。

そこに慌てて現れた、白銀の鎧の大男が、

「待て! お前たち何をしている!」

顔見知りとホッとする騎士を、殴り倒す大男。

「[ガイロン]殿! 誤解です! その男です! トルソルイ殿を殺したのは、その男です!」

惣一郎を指差す騎士も、大男のガイロンに殴り飛ばされる。

「貴様ら! この国を潰す気か!!」

遅れてゾロゾロと聖騎士達が現れ、馬車の周りの騎士達を取り囲み、取り押さえていく。

「どう言う事だ! 問題だぞ! 我々は教皇様の命で貴族を捕えて戻ったのだぞ!」

ガイロンが慌てて馬車を確認すると、中に酷い怪我を負った年配の男が縛られ倒れていた。

「カーマ卿!」

ガイロンに抱えられ、馬車から痛々しく降りる老人に、見覚えがあった。

「クロイツさんか?」

「あ、あなたは……」

痛々しく口を開く老人は、前線基地に居たクロイツだった。

「そ、惣一郎様…… スワロ様が……スワロ様が」

自分の怪我を他所に、スワロを心配するクロイツ。

惣一郎がクロイツの肩に手を置き。

「すまない…… 間に合わなかった……」

老人は顔を皺だらけにし、悔しそうに視線を落とす。

惣一郎は白銀の騎士ガイロンに、

「コイツら、教皇派でいいんだよな?」

「あ、あぁ、すぐにでも他の者達も捕え、捕まった王族貴族も解放させる。コイツらには内乱の罪を受けてもらう」

「他にも、教皇の命令で動いている者がいるのか?」

「確認する」と言うガイロンが、捕らえた騎士の一人を持ち上げ質問をする。

「教皇は死んだ! 他に教皇の命令で動いているのは誰だ!」

「じ、ジジェルシートのオルソン様と……[ゲリオゾン]の[ザビー]様が……」

「ザビー! ザビーが動いているのか! 目的は!」

「カーマの街のギルマス、ロウガだ」

行きに会ったロウガか!

惣一郎は直ぐに理喪棍に乗り飛ぶ。

ガイロンが、飛ぶ惣一郎に驚きながらも「我々も直ぐカーマへ!」っと大声を上げると、飛び立つ惣一郎は「マイズだ!」っと、凄い速さで飛んでいった。



前屈姿勢で勢い良く空を進む惣一郎。

尽きない魔力に惣一郎は、当たり前の様に飛んでいく。

自分に何が起こってるのか、気付きもせずに……





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