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十二章

三十一話 【ダンジョンで出会い】

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テントに戻ると、ベンゾウがおにぎりを頬張っていた。

少しは元気になったかな?

「おはよ~ ご主人様!」

「おはよ、よく寝れたか?」

「うん」

奴隷であり続けたいと願う少女の目には、隈が見えた。

寝れて無いのだろうか?

「食ったらもう少し休め、今日はのんびりしよう」

「うん!」

何か悩みでもあるのなら相談してほしいと願う、惣一郎だった。

弁慶は一晩ですっかり元気になっており、惣一郎が食事の作り置きを作るのを手伝っていた。

「しかし旦那様は凄いな、もう魔導書を手に入れてしまうとは」

「何の魔導書か分からんがな。それに一個は弁慶が出した物だぞ! なんか思い浮かべてなかったか?」

「いや、夢中だったし…… 何も考えてないな」

「前に弁慶がダンジョンで、魔導書を出した時も
何の魔法か直ぐに分からなかったのか?」

「あの時は、アタイが出した魔導書を巡って揉めてしまい、直ぐパーティーは解散した。しばらく揉めてたので分かったのは、だいぶ後になってからだったな」

「なるほど、普通はそうなるのか…… 高額で売れるみたいだしな~」

「ああ、旦那様のパーティーはそういう面でも、居心地がいいぞ!」

「ハハ、ありがとう」

魔導書はやはり、直ぐには使えないな……

このままダンジョンを進むかも、ベンゾウの様子を見てからになるだろう。

惣一郎達は、ダンジョンの中層でいい匂いを漂わせ、まったりと過ごしていた。




ある程度の食事を作り終えると、結構な時間が経っていた。

風呂にするかと惣一郎は、テントを出て準備を始める。

誰も来ないだろうと、風呂を出して入浴剤を入れると、上から階段を降りて来る5人のパーティーが、その光景に驚き固まる。

「あはは、済まん誰も来ないと思ってたもので」

すると驚く冒険者風の男が、

「えっと、ここで何を?」

っと、質問をしてきた。

「いや風呂に入ろうかと……」

「風呂? ここで? えっ、風呂?」

2回言いやがった。

「いやまさか、砂漠のダンジョンに俺たち以外が入って来ると思わなくってさ~ あはははは~」

「砂漠?」

あれ? なんか話が噛み合わない気が……

ならばと惣一郎は風呂を仕舞い、ベンチテーブルを出すとお茶を出し情報交換を申し出る。

疲れた様子の冒険者達は、出されたお茶よりも、お茶菓子に目を輝かせ、申し出を快諾し話し始める。

彼らは[草原の鉤爪]と言う冒険者パーティーで、17人でダンジョンに潜り、29日目でようやくここまで進み、残ったのがこの5人との事。

ツッコミ所満載の話に惣一郎は、直ぐに無くなったお茶菓子の代わりに、軽い食事を出しながら自己紹介をする。

「えええっ! ジビカガイライ!」

ご存じの様で……

「ですが国の英雄が、何故このダンジョンに?」

ん? やっぱ噛み合わんな……

「済まんが、君たちはどこからこのダンジョンに?」

「何処とは? 同じ場所だと思いますが……」

「俺たちは、クピオ国の砂漠のダンジョンから入り、一階層でゴドルの大群に襲われて、ここにいるんだ。多分君らは別の所から来たんじゃないか?」

「クピオ! 一階層からゴドルだって!」

驚く冒険者達はお互いの顔を見合わせ、ここまでの経緯を話し始めた。

「俺たちは、アロスのダンジョンから入り、五階層を攻略した所なんです。攻略したはいいが、ボスとの戦闘で多くの仲間を失い、食糧も尽きかけ、ここらで戻ろうかと……」

アロスだって? 

まさかモモの国と繋がっているとは……

どうやらこの中階層は、他のダンジョンと繋がっている様だな……

「ダンジョンの中で、他の冒険者と会うのは初めてだよ」

「そう言えば聞いたこと無いですね」

やはりダンジョンは、まだまだ謎が多い……






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