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十二章
二十七話 【怒るダンジョン!】
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舟に乗り、クジラを追い掛ける惣一郎達。
追い付くとクジラは、殴られた事を覚えてるのか、逃げる様に砂に潜る。
「ケラケラケラ! でっかい魚が怒ってる!」
「おいおい、笑い事じゃ無いぞ!」
砂が盛り上がりながら進むのを追いかけ、上空からチャンスを伺うと、砂を巻き上げながら顔を出すダンジョン。
砂の潮を吹き終わると惣一郎はスピードを上げ、クジラの頭頂部へ近付く。
すると、凄い勢いで中に吸い込まれて行く!
気が付くと惣一郎達は、森の中にいた。
逆さまになっていた弁慶に手を貸し、ベンゾウを探すと木の上に引っ掛かっていた。
「大丈夫か? ベンゾウ!」
「うん…… どこ、ここ?」
「ダンジョンの中だろうな……」
クロも無事の様だ。
なるほど、動くクジラの頭から入るには、飛べるルイマ族の手助けが必要になるわけだ。
舟を仕舞い、周りを見渡す。
「旦那様、これ何処に向かえばいいのだ?」
「ん~ 洞窟じゃないからな~」
やはりサーチの魔法ぐらい、用意するべきだっただろうか。
ワン、ワン!
クロが付いて来いと歩き出す。
あら、頼もしい!
すると歩き出して直ぐに、虎男が現れる!
「ゴドルだ!」
いきなり強敵の登場に、驚く惣一郎!
ゴドルは鋭い爪で襲い掛かる!
それを弁慶が侃護斧で撃ち返す!
折れた手を庇いながら叫び、木の上へ飛び上がるゴドルを、ベンゾウが追い掛ける。
すると虎男の体が先にドサっと落ちて来て、後から頭が落ちる。
音も無く降り立つベンゾウは、
「ご主人様、ここ第一階層じゃないの?」
不安になる惣一郎。
ダンジョンのセオリーを無視する強敵に、惣一郎は、
「ダンジョンを怒らせたかな?」
ま、たまたまかも知れないよね!
普通の冒険者ならいきなりアウトだろう敵を、たまたまで済まそうとする惣一郎達は、虎男が消えて行くのを見送り、何も出ない事を確認すると歩き出す。
「そだ、一応今回の目的はテレポの魔法だぞ! 皆んな敵を倒す時は強く願うんだぞ!」
「え~ 別に欲しくないよベンゾウ!」
「アタイも、いらん!」
「そんな事いうなよ~ ちゃんと倒す時にテレポの魔導書!って言えば、出るかも知れないぞ」
「「 ……… 」」
「頼むよホント~」
くだらない事を話しながら歩いていると、前からまた、ゴドルがやって来た。
やはり第一階層じゃないのか……
こちらに気付くゴドルが雄叫びを上げ、素早く爪で襲い掛かる!
あれ?
慌てて幻腕でガードする惣一郎!
「ちょ、あれ! 君たち!」
虎男の連続爪撃を、幻腕で捌きながら慌てて苦無を出し応戦する!
苦無が虎男の膝を撃ち抜くと、避けきれなくなったのか苦無が次々と刺さり、虎男が倒れる。
「あっぶな! ちょっと君たち、何で黙って見てるのよ!」
「テレポの掛け声言いたくない……」
「オヤ、ダンナサマ! キガツカナカッタ」
ハイ、嘘!
「おいおい仲間じゃないか、助け合おうよ!」
「欲しいもの考えながらなんて戦えないよ」
「アタイもそんな事考えてたら…… 旦那様は今、考えて倒したのか?」
あ! 忘れてた。
流れ星にお願いする様には行かないか……
「確かに邪念で怪我でもしたら大変だよな。わかった、すまん! 忘れてくれ!」
反省する惣一郎。
するとゴドルの遺体が消え、宝箱が現れる。
「ウソ! マジで! 二匹目で超ラッキーじゃん!」
あ!
そう、惣一郎は忘れてたいたのだ!
宝箱にはトラップがある事を!
その確認にサーチが大活躍した事を!
「やばい、これどうする?」
「一か八か?」
「壁に叩き付けて割れば!」
「………」
取り敢えず後でにするか。
惣一郎はアイテムボックスに宝箱を収納しようとするが、入らなかった!
「あれ! 収納出来ないって事は、生き物か?」
すると弁慶が強引に、宝箱を持ち上げて
近くの木に凄い勢いで叩き付ける!
「ギェェェェっ!」
っと、木箱がバラバラに壊れて、大きな口で断末魔を上げる[ミミック]だった。
「「「 ……… 」」」
「ミミックって、箱が無いとカエルみたいなのな……」
ベンゾウが、嫌そ~な顔をしていた。
やはりダンジョンにサーチの魔法は、必須の様だった。
「サーチも出ないかな……」
追い付くとクジラは、殴られた事を覚えてるのか、逃げる様に砂に潜る。
「ケラケラケラ! でっかい魚が怒ってる!」
「おいおい、笑い事じゃ無いぞ!」
砂が盛り上がりながら進むのを追いかけ、上空からチャンスを伺うと、砂を巻き上げながら顔を出すダンジョン。
砂の潮を吹き終わると惣一郎はスピードを上げ、クジラの頭頂部へ近付く。
すると、凄い勢いで中に吸い込まれて行く!
気が付くと惣一郎達は、森の中にいた。
逆さまになっていた弁慶に手を貸し、ベンゾウを探すと木の上に引っ掛かっていた。
「大丈夫か? ベンゾウ!」
「うん…… どこ、ここ?」
「ダンジョンの中だろうな……」
クロも無事の様だ。
なるほど、動くクジラの頭から入るには、飛べるルイマ族の手助けが必要になるわけだ。
舟を仕舞い、周りを見渡す。
「旦那様、これ何処に向かえばいいのだ?」
「ん~ 洞窟じゃないからな~」
やはりサーチの魔法ぐらい、用意するべきだっただろうか。
ワン、ワン!
クロが付いて来いと歩き出す。
あら、頼もしい!
すると歩き出して直ぐに、虎男が現れる!
「ゴドルだ!」
いきなり強敵の登場に、驚く惣一郎!
ゴドルは鋭い爪で襲い掛かる!
それを弁慶が侃護斧で撃ち返す!
折れた手を庇いながら叫び、木の上へ飛び上がるゴドルを、ベンゾウが追い掛ける。
すると虎男の体が先にドサっと落ちて来て、後から頭が落ちる。
音も無く降り立つベンゾウは、
「ご主人様、ここ第一階層じゃないの?」
不安になる惣一郎。
ダンジョンのセオリーを無視する強敵に、惣一郎は、
「ダンジョンを怒らせたかな?」
ま、たまたまかも知れないよね!
普通の冒険者ならいきなりアウトだろう敵を、たまたまで済まそうとする惣一郎達は、虎男が消えて行くのを見送り、何も出ない事を確認すると歩き出す。
「そだ、一応今回の目的はテレポの魔法だぞ! 皆んな敵を倒す時は強く願うんだぞ!」
「え~ 別に欲しくないよベンゾウ!」
「アタイも、いらん!」
「そんな事いうなよ~ ちゃんと倒す時にテレポの魔導書!って言えば、出るかも知れないぞ」
「「 ……… 」」
「頼むよホント~」
くだらない事を話しながら歩いていると、前からまた、ゴドルがやって来た。
やはり第一階層じゃないのか……
こちらに気付くゴドルが雄叫びを上げ、素早く爪で襲い掛かる!
あれ?
慌てて幻腕でガードする惣一郎!
「ちょ、あれ! 君たち!」
虎男の連続爪撃を、幻腕で捌きながら慌てて苦無を出し応戦する!
苦無が虎男の膝を撃ち抜くと、避けきれなくなったのか苦無が次々と刺さり、虎男が倒れる。
「あっぶな! ちょっと君たち、何で黙って見てるのよ!」
「テレポの掛け声言いたくない……」
「オヤ、ダンナサマ! キガツカナカッタ」
ハイ、嘘!
「おいおい仲間じゃないか、助け合おうよ!」
「欲しいもの考えながらなんて戦えないよ」
「アタイもそんな事考えてたら…… 旦那様は今、考えて倒したのか?」
あ! 忘れてた。
流れ星にお願いする様には行かないか……
「確かに邪念で怪我でもしたら大変だよな。わかった、すまん! 忘れてくれ!」
反省する惣一郎。
するとゴドルの遺体が消え、宝箱が現れる。
「ウソ! マジで! 二匹目で超ラッキーじゃん!」
あ!
そう、惣一郎は忘れてたいたのだ!
宝箱にはトラップがある事を!
その確認にサーチが大活躍した事を!
「やばい、これどうする?」
「一か八か?」
「壁に叩き付けて割れば!」
「………」
取り敢えず後でにするか。
惣一郎はアイテムボックスに宝箱を収納しようとするが、入らなかった!
「あれ! 収納出来ないって事は、生き物か?」
すると弁慶が強引に、宝箱を持ち上げて
近くの木に凄い勢いで叩き付ける!
「ギェェェェっ!」
っと、木箱がバラバラに壊れて、大きな口で断末魔を上げる[ミミック]だった。
「「「 ……… 」」」
「ミミックって、箱が無いとカエルみたいなのな……」
ベンゾウが、嫌そ~な顔をしていた。
やはりダンジョンにサーチの魔法は、必須の様だった。
「サーチも出ないかな……」
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