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十二章

二十六話 【オアシスの危機!】

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林を出た所で様子を伺う惣一郎達。

上空ではダンジョンが向かう進路で、監視の鳥人達が揉めている様だった。

向かって来る岩クジラに入り口らしいものは、やはり口しか無い様だ。

「これ普通に口に入って行けばいいのかな?」

「普通に噛み潰されたり?」

痛そうだ……

暢気な惣一郎達とは対照的に、上空では責任の擦り合いが繰り広げられていた。

「そんな事、ダンジョンに聞けよ! 俺らは監視してただけだぞ!」

「何の為の監視だよ! この距離で攻撃加えて誘導始めても間に合わないだろ! 家が無くなるんだぞ!」

大方、監視の目的も忘れていたのだろう。

「オイ! プルエ! 攻撃すれば進路を変えるのか?」

「誰だ! ここは我々ルイマ族のオアシス、オイザネだぞ!」

「誰でもいいから、攻撃すりゃ進路変えるのか聞いてるんだ!」

「あっ、なんだ惣一郎か」

「ソウイチロウ?」

「ああ、惣一郎は挑戦者として来た冒険者だ」

「挑戦者か、久しぶりだな~ 長老はまだやれるのか?」

「どうだろうな、最近会ってないしな」

昨日俺に紹介したはずだが……

「俺も、家族にしばらく会ってないな~」

「お前、家族いたっけ?」

「あれ? いなかったっけか?」

しびれを切らす惣一郎は、

「オイ! ダンジョンはいいのか!」

その大声に振り返り、驚き慌てる鳥人の2人。

また責任の擦り合いが始まる。

その空中の2人を、突然現れた盾が地面まで押し潰す!

「「な、何をする!」」

地面にうつ伏せのまま、盾に押さえつけられるプルエ達の顔の前に鉄球が落ち、大きな窪みを作る。

青ざめるプルエ達に惣一郎は、

「ダンジョンは、攻撃すれば進路を変えるのか?」

っと、聞き直す。

身動きできない2人の鳥人は、顔を上下にコクコク頷き、返事をする。

「ベンゾウ! 弁慶! あのクジラに攻撃して進路をずらすぞ!」

すぐさま舟を出し、クロを残して飛び立つ3人。

プルエ達を押さえ付けていた盾は力を失い、代わりにクロが睨みを効かせる。




ダンジョンの前まで来た惣一郎達は、上昇するとまず、弁慶が飛び降りる!

渾身の侃護斧の一撃をクジラの顔に叩きつけると、大きな音を立て、クジラが進行を止める!

すかさずベンゾウが飛び降り、グラビティーで何倍にも増やした体重を乗せて、音速の一閃を横っ面に撃つ!

クジラもたまらずか、顔を左に背けると、理喪棍に引っ張られる様に飛ぶ惣一郎が、大量の魔力を注ぎ込んだ幻腕で、クジラの右頬をぶん殴る!

間髪入れず打ち込まれた3人の攻撃に、たまらず石で出来た巨大なクジラは、方角を90度変え、砂に潜るを繰り返し進み続ける。

上空からは、歓声が聞こえる。

次々と惣一郎達の前に降り立つルイマ族の鳥人達。

遅れて来たプルエが、

「た、助かった。凄いなあれだけの攻撃であんなに進路を変えるダンジョンを見たのは初めてだ、惣一郎よ…… あなたはルイマ族の恩人だ!」

どうせ直ぐ忘れるだろう……

「ダンジョンには、どうやって入るんだ?」

「え? ああ、入り口か。ダンジョンの入り口は口から入ると噛まれて死ぬので、頭頂部にある砂を噴き出す穴から入るんだ」

危なかった……

「砂を噴き出し終えると次に、中へ吸い込まれるのでそこから入るのだ、ダンジョンが砂に潜る前にだ」

「間違い無いだろうな? ホントにそれで合ってるんだろうな!」

「疑うな惣一郎! ちゃんとここに書いて…… どこだ?」

不安しかない……

まぁ、それが分かればコイツらに用は無い!

クロを呼び、舟に乗ると直ぐに飛び立つ惣一郎達。

「ありがとう惣一郎! オアシスの救世主よ!」

飛び立つ惣一郎達を、歓声が送り出す。

明日には忘れているだろう……




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