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十二章
二十話 【じゃんけんって何?】
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準備運動に膝を伸ばす巨人ゴールデール。
「いやいやいや、なんで?」
「アタイは構わないぞ」
「いや、ほれ、おいらはあんたに興味があってな」
「はい?」
「あんた、その鬼娘に勝ったんだよな?」
「いや勝ったって言うか、まぐれの様な」
「圧勝だ! 負けてスッキリしたのはあれが初めてだ」
「ガハハハ! ほれみろ、こんな機会もう無いぞ! その鬼娘は強い。おいらも勝てるかどうか運次第になるじゃろう、そんな鬼娘に圧勝なんて、おいらはその強さに触れたいんじゃ」
何その勝手な理由は……
「運次第とは聞き捨てならんぞ!」
「ベンゾウも、ベンゾウもやる!」
ベンゾウは関係無いよね……
面倒臭い……
「じゃんけんで決めないか?」
「「「 じゃんけん? 」」」
あれ、じゃんけん知らなかったか。
惣一郎は簡単に説明し、誰が戦うかじゃんけんに委ねる事になる。
疲れる事はしたくない惣一郎。
確率は1/3、負けた奴が巨人と対戦だ。
じゃ~ん、け~ん、ぽん!
惣一郎はグーを出す。
ベンゾウはチョキ。
弁慶はグー。
負けはベンゾウの様だ。
するとゴールデールが、
「おいらもチョキって事は、お嬢ちゃんとか!」
あれ?
「ならアタイは、旦那様とか!」
ん?
なんで4人でやってるの?
「前の様には行かないぞ、旦那様!」
「ちょちょ、ちょっとまった! なんで俺と弁慶が戦うのよ!」
「ん? 旦那様がじゃんけんって」
そう言う意味じゃ……
「見せてもらおうか!」
「ご主人様、頑張って!」
巻き込まれ体質全開の惣一郎であった。
「あのな弁慶、こんな意味のない勝負しても」
「旦那様…… 本気で頼む」
「………」
諦めて惣一郎は、理喪棍を片手に前に出る。
真剣な表情の弁慶が、向かい合い侃護斧を構え、体が大きく盛り上がって行く。
ダリダリも、固唾を飲んで見ていた。
弁慶が、腰を落とし一気に詰め寄ると、ひょいっと理喪棍で浮き上がる惣一郎。
弁慶が届かない距離まで上がると、何十個と言う数の鉄球が現れ、弁慶の周りに落ち、次々と砂に穴を開けて行く。
何も出来ず、鉄球が収まるのを待つ弁慶が、
「旦那様! 飛ぶの禁止!」
え? そうなの?
「それじゃ何も出来ないぞ! 後、鉄球も2個まで!」
本気でって言ってなかった?
ゴールデールもダリダリも、キョトンとした顔で口を開けている。
見慣れた顔だ……
仕方なく仕切り直す惣一郎。
「さぁ旦那様、本気でかかって来い!」
オイオイ……
前屈みに低い姿勢で構える、弁慶。
正面にたっても、背筋の盛り上がりが見える。
さて、どうするか……
すると間髪入れず、弁慶が侃護斧で地面をえぐる!
惣一郎に砂をぶつけて来たのだ!
咄嗟に目を細める惣一郎!
砂が痛い! ニャロ!
その隙を逃さないと、距離を詰め右で振り上げた侃護斧を叩き付けて来る!
振り下ろされる右手を、幻腕で掴み受け止める!
惣一郎の足が、衝撃で砂に少し埋まると、
「参った……」
っと膝を突く弁慶。
苦無が2本、弁慶の喉元に浮いていた。
魔法を封じられたのだ。
膝を突いて、惣一郎とほぼ同じ目線の弁慶が、落ち込み下を向く。
「いや、ほら相性もあるぞ!」
そのまま惣一郎に抱きつく弁慶は、
「やはり凄いぞ、旦那様♡」
落ち込んで…… ない…様で……
苦しい……
「いやいやいや、なんで?」
「アタイは構わないぞ」
「いや、ほれ、おいらはあんたに興味があってな」
「はい?」
「あんた、その鬼娘に勝ったんだよな?」
「いや勝ったって言うか、まぐれの様な」
「圧勝だ! 負けてスッキリしたのはあれが初めてだ」
「ガハハハ! ほれみろ、こんな機会もう無いぞ! その鬼娘は強い。おいらも勝てるかどうか運次第になるじゃろう、そんな鬼娘に圧勝なんて、おいらはその強さに触れたいんじゃ」
何その勝手な理由は……
「運次第とは聞き捨てならんぞ!」
「ベンゾウも、ベンゾウもやる!」
ベンゾウは関係無いよね……
面倒臭い……
「じゃんけんで決めないか?」
「「「 じゃんけん? 」」」
あれ、じゃんけん知らなかったか。
惣一郎は簡単に説明し、誰が戦うかじゃんけんに委ねる事になる。
疲れる事はしたくない惣一郎。
確率は1/3、負けた奴が巨人と対戦だ。
じゃ~ん、け~ん、ぽん!
惣一郎はグーを出す。
ベンゾウはチョキ。
弁慶はグー。
負けはベンゾウの様だ。
するとゴールデールが、
「おいらもチョキって事は、お嬢ちゃんとか!」
あれ?
「ならアタイは、旦那様とか!」
ん?
なんで4人でやってるの?
「前の様には行かないぞ、旦那様!」
「ちょちょ、ちょっとまった! なんで俺と弁慶が戦うのよ!」
「ん? 旦那様がじゃんけんって」
そう言う意味じゃ……
「見せてもらおうか!」
「ご主人様、頑張って!」
巻き込まれ体質全開の惣一郎であった。
「あのな弁慶、こんな意味のない勝負しても」
「旦那様…… 本気で頼む」
「………」
諦めて惣一郎は、理喪棍を片手に前に出る。
真剣な表情の弁慶が、向かい合い侃護斧を構え、体が大きく盛り上がって行く。
ダリダリも、固唾を飲んで見ていた。
弁慶が、腰を落とし一気に詰め寄ると、ひょいっと理喪棍で浮き上がる惣一郎。
弁慶が届かない距離まで上がると、何十個と言う数の鉄球が現れ、弁慶の周りに落ち、次々と砂に穴を開けて行く。
何も出来ず、鉄球が収まるのを待つ弁慶が、
「旦那様! 飛ぶの禁止!」
え? そうなの?
「それじゃ何も出来ないぞ! 後、鉄球も2個まで!」
本気でって言ってなかった?
ゴールデールもダリダリも、キョトンとした顔で口を開けている。
見慣れた顔だ……
仕方なく仕切り直す惣一郎。
「さぁ旦那様、本気でかかって来い!」
オイオイ……
前屈みに低い姿勢で構える、弁慶。
正面にたっても、背筋の盛り上がりが見える。
さて、どうするか……
すると間髪入れず、弁慶が侃護斧で地面をえぐる!
惣一郎に砂をぶつけて来たのだ!
咄嗟に目を細める惣一郎!
砂が痛い! ニャロ!
その隙を逃さないと、距離を詰め右で振り上げた侃護斧を叩き付けて来る!
振り下ろされる右手を、幻腕で掴み受け止める!
惣一郎の足が、衝撃で砂に少し埋まると、
「参った……」
っと膝を突く弁慶。
苦無が2本、弁慶の喉元に浮いていた。
魔法を封じられたのだ。
膝を突いて、惣一郎とほぼ同じ目線の弁慶が、落ち込み下を向く。
「いや、ほら相性もあるぞ!」
そのまま惣一郎に抱きつく弁慶は、
「やはり凄いぞ、旦那様♡」
落ち込んで…… ない…様で……
苦しい……
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