異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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十二章

十九話 【修行の成果は】

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惣一郎を睨むダリダリ。

「遅かったと言う事か……」

「いや、まぁ、なんだ…… そう言う事になるのかも知れないな…… 分からんが……」

「我の修行の日々は…… いや」

見るな見るな……

「其方が鬼人の娘を、倒したという事であろう!」

「オイオイ、それじゃただの力自慢じゃ無いか、よく考えるんだ! 何故この子を探していたかを!」

「ふむ…… 女に負けて悔しいからか?」

知るか! 俺に聞くな!

弁慶は気にもせず、ビールで唐揚げを満足そうに食べていた。

「ゴホン! あ~弁慶さん! お前の揉め事だ自分で何とかしなさい!」

はっ! 何、ベンゾウその目は!

サイテ~ って言葉が見えるんですが!

アホか! 寒いのにやってられっか!

自分のケツは自分で拭くの!

「あい分かった、今度こそ勝って見せよう!」

「いやいや、ほら! みんなお酒入ってるし、明日! 明日の朝にしような! な!」

「確かに、承知した!」

って、弁慶は聞いてもいないし。

巨人はベンゾウと、唐揚げ足らないからってワニをそのまま焼き始めたよ。

なんでこう、うちの子はみんな自由なんだろう……





翌朝、目を覚ます惣一郎は、外で野宿をしている冒険者ふたりの分も一緒に、朝食を作る。

パンを焼いて済まそうとすると、ベンゾウがカレーが良いと駄々を捏ねるので、朝カレーになる。

乗らない惣一郎は麺つゆでのばし、和風カレーにする。

大根と人参を銀杏切りにして追加するだけなのだが、美味かった。

ダリダリとゴールデールも気に入った様だ。

食後の後片付けをしていると、ダリダリが体を動かし始める。

勝負の約束、覚えている様だ……

「弁慶、手加減してやれよ!」

「任せておけ、旦那様!」

不安な惣一郎。

その惣一郎を睨むダリダリ。



片手剣に盾を構える、ダリダリ。

侃護斧を片手で回す、弁慶。

向かい合う二人を、審判に徹しようと惣一郎が間で、理喪棍を構える。

「いいか、お互い怪我の無い様に、はじめ!」

ダリダリが盾で体を隠しながら、ゆっくりと距離を詰める。

弁慶は後退しながらすり足で、距離を保つ。

向き合ったまま、お互い一定の距離を保ち、相手の出方を伺う。

先に痺れを切らしたのは、ダリダリだった!

地面を蹴り、盾を前に構えたまま、弁慶との距離を一気に詰める!

弁慶はタイミングを合わせ、侃護斧を盾にフルスイングする!

大きな音を立て、盾が曲がり後方へ飛んでいく!

ダリダリはいない!

左回りに、弁慶の死角へ低い姿勢で滑り込む。

惣一郎も思わず、上手い!っと声が出そうになる。

フルスイングで左に体が流れた弁慶の背後に、一歩で回り込むダリダリは、剣を弁慶の背中に突き刺す!

が、読んでいたのか、弁慶は回りながら左手を振り回し流れる様な裏拳をダリダリに見舞う!

ダリダリの剣は弁慶の背中に触れる事も無く、空を刺す。

弁慶の裏拳は、左手でかろうじてガードが間に合うダリダリの腕ごと体をくの字に曲げ、砂の上を水切りの様に吹き飛ばす!

3回転ほど回ったダリダリはそれでも剣を離さなかった。

剣で体を支え、起きあがろうとするダリダリが、左腕が変形している事に気付き、膝を突く。

「くっ! 参った!」

一瞬だったが濃い試合だったと、惣一郎は弁慶に怪我が無いか確認に近付く。

良かった、擦りもしなかった様だ。

「気は済んだか?」

「ああ…… 修行が足りなかった様だ」

そう言いながら目が死んで無いダリダリは、まだまだ強くなりそうだ。

曲がった腕を整復し、添え木で固定すると、ゴールデールが準備運動を始める。

え? お前は聞いてないぞ!





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