異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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十二章

十五話 【ジョーズパニック!】

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惣一郎の行動は早かった。

準備する事も然程なく、作り置きの料理も十分アイテムボックスにあった。

ならばと、裏庭で理喪棍にパーツを取り付け始める。

前回同様、アタッチメントを取り付け、強化アクリル樹脂の盾を前に取り付けながら、惣一郎は、もう少し乗り心地を改良出来ないか考える……

「コレ、アルミの小舟で良くないか?」

っと思い付く。

底の平らなアルミの小舟を購入して、乗ってみる。

理喪棍が舟に触れていれば、変わり無く飛べそうだった。

また杖じゃなきゃダメだと言う、思い込みが暴走していた様で、舟に砂漠用の迷彩柄を弁慶と貼り付けると、やはり視認しづらくなる。

これなら弁慶も、怖くないかも知れない。

そのままテントも収納し、ギルマスに挨拶すると街を出る。

すると目的の南東からソリの様な乗り物を引く、サイの様な生き物が街に勢いよく向かってくる。

砂漠仕様の馬車だろうか?

「助けてくれ~!」

馬車から、男が身を乗り出し叫んでいる!

その後ろには、砂を泳ぐサメの様な背ビレが見えた!

街の者も気が付いたのか警鐘が鳴り響き、外壁の上に銛を持った人が数人現れる。

「[サンドシャーク]だ! 早く街の中に戻って!」

お、言語理解が久々に活躍した!

だが、このままでは馬車は街に逃げ込む前にサメに追い付かれるだろう!

「ベンゾウ、弁慶! 行くぞ!」

惣一郎達は横に並び、サメを迎え討つ!

馬車がその間を過ぎると、背ビレが砂に潜る!

次の瞬間、砂の中から大きなモグラの様な爪を持ったサメが飛び上がり、大きな口を開け、惣一郎を襲う!

惣一郎は呑気に、

「サメに、手が生えてる!」

っと驚くと、弁慶が侃護斧で下からサメの下顎を撃ち上げる!

大きな口を歪ませ仰け反るサメは、小刀を持ったベンゾウの上をそのまま通過する。

黒い波紋が広がり、パン!っと音を立てると、大きなサメは縦に半分に分かれて、惣一郎の両脇に落ちる。

外壁の上の男達は、銛を構えたまま、固まっていた。

馬車は気付かず、そのまま街へ入る。

「くっさ!!!!!」

二つになったサメは、凄い匂いを発していた!

遅れて外壁の男達が、状況を理解して動き出す。

「早く街に戻れ! 集まって来るぞ!」

この匂いで仲間が寄って来るのだろうか、惣一郎は声に従い、街に戻る。

外壁の中に戻ると壁に登り、周りを見渡す惣一郎達。

「来たぞ!」

っと声を上げる男の指差す方へ目をやると、数匹のサメの背ビレが街に近づいて来る。

「コレ倒すと、どんどん増えていくのか?」

「いや、近くにいる奴だけだ!」

惣一郎は苦無を数本浮かせる。

近づくサメが砂に潜ると、外壁を飛び越えようと飛び上がる!

その瞬間を、惣一郎の苦無が貫く!

風通しが良くなったサメは、外壁にぶつかり、崩れ落ちる。

「おお~!」っと男達の低い歓声を受けながら、惣一郎は次のサメを見極める!

次々と飛び跳ねるサメに、穴を開けていく惣一郎!

7匹を倒した所で、残りのサメが離れて行く。

今のうちにと惣一郎は、サメの死体に消臭剤をベンゾウ達と吹き付ける。

鼻が曲がる様なアンモニア臭が消えていく。

「臭かった~」

ベンゾウが顔をくしゃくしゃにして、鼻を抑える。

クロは遠くで、辛そうだった。

「あの大群を3人で追い返すとは、流石はジビカガイライですね!」

遅れて来たギルマスのリリが声をかける。



サメの死体に水をかけ始める男達。

匂いは簡単に水で落ちるそうだ。

皮は貴重で色々な物に使われ、肉も食べるそうだ。

最初に食った奴が凄い!

リリが報酬が出ると言うが、惣一郎は、

「ムカデで儲かったからいいよ! 先を急ぐし」

っと、また外壁を出て砂漠を歩き出す。

壁の上から男達の歓声と礼の言葉が、しばらく聞こえていた。

飛ぶに飛べず、歩き続ける惣一郎だった。





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