249 / 409
十二章
十三話 【夢の魔法じゃ…】
しおりを挟む
街を見て回っていると、ヒロヨシーからコールが入る。
すっかり忘れていた。
『惣一郎殿、その後ベリルの消息がさっぱりわからないのですが、何か動きはありましたか?』
『イヤ、ナニモナク、ヘイワソノモノダヨ』
『そうですか…… かえって不気味ですね。こちらも調べてはいるのですが、何も掴めずに』
『キット、ホンニンノナカジャ、オワッテイルノカモネ!』
『だといいのですが…… 何かあればまた連絡します! 以上』
『ナニモナイノハ、イイコトダヨ! アマリ、キオワズニ! イジョウ』
はぁ~ 胸が痛い……
惣一郎は忘れようと、砂漠の街を楽しむ!
白い漆喰の様な外壁の建物が並ぶ、白い街。
行き交う人は皆、布を纏い目だけ出している。
砂漠だな~っと、思わせる雰囲気の街だった。
だが、寒い……
普通砂漠なら暑いイメージなのだが、陽もまだ高い時間でこの寒さだ、夜はもっと冷え込むのだろうか?
街を歩いていると、ギルドらしい建物が目に入る。
情報を集めるついでにムカデも売るか!っと、中へ入る。
広く大きなギルドの割に、人は少なかった。
「すいません、買取って出来ますか?」
「ええ、奥のカウンターでお願いします」
奥へ行くと、カウンターで声をかける。
「いらっしゃい! ゲーゲートなら一匹12ギーだよ!」
まぁ、この辺りじゃ、それしかなさそうだな……
「大きいのだが、ここに出してもいいのか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
惣一郎がムカデを出すと、やっぱり騒ぎ出す。
「ちょ、ちょっと大き過ぎますよ! どこにそんな、兎に角、ウラ、裏にお願いします!」
「移動ですか? 別料金になりますが」
「え……」
すると、近くにいたウサギの獣人の女性が、
「もしかして、ジビカガイライの方ですか?」
あら、ここクピオの国でも有名人?
「ええ、そんな感じでやってます……」
どんな感じなのか。
「初めまして、ギルド長の[リリ]です! お噂はもう、ウフフッ!」
どんな噂だか……
「裏へどうぞ!」
そう言うと、ギルマスがムカデを消して裏へ案内する。
まさか、アイテムボックスか!
裏庭へ出ると、ムカデがいた!
「な、何したんですか?」
「テレポの魔法ですよ! ご存じ無かったですか?」
マジか! 夢の魔法じゃないか!
「転移魔法は、無いはずじゃ」
「転移魔法とは似て非なるものなのです!」
「詳しく知りたい! 教えて貰えませんか」
「その前に買取ですね!」
すっかり相手のペースに飲まれる惣一郎だった。
ムカデとワニを出し、買取をお願いする。
紫色のムカデに関心深く見入るギルマス!
「コレは最近噂のムカデと少し違いますね~」
すぐに他の職員や専門のドワーフを集め出して、話始める。
「惣一郎さん、このムカデ従来のものより硬い外殻ですし、ここじゃ無ければ相当な額になるかも知れませんが、もしお譲りくださるなら9,400ギーで如何でしょうか」
外殻の硬さならダンゴムシのが上だしな~ それを1,200ギーで売ったのに、なんか気が引けるな。
「ええ、その金額で、すいません」
「あ、ありがとうございます…… えっ何故謝るの?」
なんか金銭感覚が……
後日お金は、用意出来次第届けてくれるそうで、ゲーゲートの金額だけもらった。
「それと惣一郎さん、宿はお決めに? ギルドでは、ジビカガイライの方々には、場所を提供する様に連絡が来てまして、良ければこの裏庭をお使い下さいね!」
「ありがとうございます! それよりも」
「ええ、テレポですね!」
惣一郎は裏庭にベンチテーブルを出し、お茶を勧める。
「ありがとう、美味しいお茶ですね!」
「それで、その魔法の事を教えて欲しいのですが」
「ええ、勿体ぶってしまいましたね! あまりおすすめではないのですがね」
聞けばこのテレポの魔法、マジックバッグと同じで生き物は対象外で飛ばせないとの事。
しかも距離は10~15mがやっとであり、転送先に障害物があると発動しないそうだ。
大きさと距離で魔力消費も大きく変わり、便利そうで使いづらい魔法の様だった。
「なるほど、転移魔法とは違いますね」
「壁などの障害物があってもその先の転送先に何も無ければ荷を運べる分、テレキシスとは使い分けできるのですが、今では廃れていく魔法の一つです」
「そうですか…… 工夫次第では使えると思うのですがね~」
「私も先ほどのテレポで、ほぼ魔力は空ですよ! よほどの魔力量が無いと」
上手い話は無いと言う事か……
一応、街の魔導書店で購入出来るそうなので、行ってみる事にする。
すっかり忘れていた。
『惣一郎殿、その後ベリルの消息がさっぱりわからないのですが、何か動きはありましたか?』
『イヤ、ナニモナク、ヘイワソノモノダヨ』
『そうですか…… かえって不気味ですね。こちらも調べてはいるのですが、何も掴めずに』
『キット、ホンニンノナカジャ、オワッテイルノカモネ!』
『だといいのですが…… 何かあればまた連絡します! 以上』
『ナニモナイノハ、イイコトダヨ! アマリ、キオワズニ! イジョウ』
はぁ~ 胸が痛い……
惣一郎は忘れようと、砂漠の街を楽しむ!
白い漆喰の様な外壁の建物が並ぶ、白い街。
行き交う人は皆、布を纏い目だけ出している。
砂漠だな~っと、思わせる雰囲気の街だった。
だが、寒い……
普通砂漠なら暑いイメージなのだが、陽もまだ高い時間でこの寒さだ、夜はもっと冷え込むのだろうか?
街を歩いていると、ギルドらしい建物が目に入る。
情報を集めるついでにムカデも売るか!っと、中へ入る。
広く大きなギルドの割に、人は少なかった。
「すいません、買取って出来ますか?」
「ええ、奥のカウンターでお願いします」
奥へ行くと、カウンターで声をかける。
「いらっしゃい! ゲーゲートなら一匹12ギーだよ!」
まぁ、この辺りじゃ、それしかなさそうだな……
「大きいのだが、ここに出してもいいのか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
惣一郎がムカデを出すと、やっぱり騒ぎ出す。
「ちょ、ちょっと大き過ぎますよ! どこにそんな、兎に角、ウラ、裏にお願いします!」
「移動ですか? 別料金になりますが」
「え……」
すると、近くにいたウサギの獣人の女性が、
「もしかして、ジビカガイライの方ですか?」
あら、ここクピオの国でも有名人?
「ええ、そんな感じでやってます……」
どんな感じなのか。
「初めまして、ギルド長の[リリ]です! お噂はもう、ウフフッ!」
どんな噂だか……
「裏へどうぞ!」
そう言うと、ギルマスがムカデを消して裏へ案内する。
まさか、アイテムボックスか!
裏庭へ出ると、ムカデがいた!
「な、何したんですか?」
「テレポの魔法ですよ! ご存じ無かったですか?」
マジか! 夢の魔法じゃないか!
「転移魔法は、無いはずじゃ」
「転移魔法とは似て非なるものなのです!」
「詳しく知りたい! 教えて貰えませんか」
「その前に買取ですね!」
すっかり相手のペースに飲まれる惣一郎だった。
ムカデとワニを出し、買取をお願いする。
紫色のムカデに関心深く見入るギルマス!
「コレは最近噂のムカデと少し違いますね~」
すぐに他の職員や専門のドワーフを集め出して、話始める。
「惣一郎さん、このムカデ従来のものより硬い外殻ですし、ここじゃ無ければ相当な額になるかも知れませんが、もしお譲りくださるなら9,400ギーで如何でしょうか」
外殻の硬さならダンゴムシのが上だしな~ それを1,200ギーで売ったのに、なんか気が引けるな。
「ええ、その金額で、すいません」
「あ、ありがとうございます…… えっ何故謝るの?」
なんか金銭感覚が……
後日お金は、用意出来次第届けてくれるそうで、ゲーゲートの金額だけもらった。
「それと惣一郎さん、宿はお決めに? ギルドでは、ジビカガイライの方々には、場所を提供する様に連絡が来てまして、良ければこの裏庭をお使い下さいね!」
「ありがとうございます! それよりも」
「ええ、テレポですね!」
惣一郎は裏庭にベンチテーブルを出し、お茶を勧める。
「ありがとう、美味しいお茶ですね!」
「それで、その魔法の事を教えて欲しいのですが」
「ええ、勿体ぶってしまいましたね! あまりおすすめではないのですがね」
聞けばこのテレポの魔法、マジックバッグと同じで生き物は対象外で飛ばせないとの事。
しかも距離は10~15mがやっとであり、転送先に障害物があると発動しないそうだ。
大きさと距離で魔力消費も大きく変わり、便利そうで使いづらい魔法の様だった。
「なるほど、転移魔法とは違いますね」
「壁などの障害物があってもその先の転送先に何も無ければ荷を運べる分、テレキシスとは使い分けできるのですが、今では廃れていく魔法の一つです」
「そうですか…… 工夫次第では使えると思うのですがね~」
「私も先ほどのテレポで、ほぼ魔力は空ですよ! よほどの魔力量が無いと」
上手い話は無いと言う事か……
一応、街の魔導書店で購入出来るそうなので、行ってみる事にする。
23
お気に入りに追加
1,858
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる