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十二章
十話 【先にお見積り!】
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屋敷を出た惣一郎は、ギルバンと解体場を目指していた。
熱意に負けた惣一郎が、ダンゴムシを売る為だ。
ギルドで出すには場所がないので、直接解体場を目指す。
「ようギルバン! あの魔獣の外殻は凄いぞ! あの軽さであの強度、わしゃあんなもん見た事がないぞ!」
「ああ[ゲルシュ]今残りの魔獣も手に入れた所じゃ!」
惣一郎はギルバンの指示で、残りの4匹を出す。
すぐに解体が始まり、何人ものドワーフが手際良くダンゴムシをバラして行く。
「この外殻で何が出来るんだ?」
「そりゃ盾に鎧、何にでも使えるじゃろう!」
元は十分取れるのだろう。
嬉しそうなギルバンに惣一郎が、
「なぁ、ミチル鋼を扱える職人を紹介してほしいんだが」
「なんじゃ杖でも作るのか?」
「そんな所だ!」
ギルバンは、奥に工場を構える[プジャル]なら間違いないと、教えてくれた。
ダンゴムシのお金は後で届けると言うので、惣一郎はそのままプジャルを訪ねてみる。
ドワーフの街は何処も忙しなく、カンコンカンコン音を立てていた。
そんな街中を抜けて、プジャルの工場に着くと炉の熱気が外まで漏れていた。
「すいませ~ん! プジャルさん居ますか?」
数人のドワーフが、溶けた鉄を型に流し込みながら、裏に行けと教えてくれた。
裏に行くと出来た杖の試し撃ちをしてる、ドワーフがいた。
「プジャルさんですか?」
「ああ、あんたは魔獣を倒した冒険者か」
「ええ、惣一郎と言います。少しご相談がありまして!」
「ああ、畏まらんでいい! くすぐったいわ!」
「あら、そう?」
「で、相談とは?」
「公には出来ない話なんだが、口は堅いか?」
「当たり前じゃ! 職人だぞ!」
惣一郎はミチル鋼に代わるアルミ材の事から説明する事にした。
プジャルは驚きながらも、惣一郎の理喪棍で魔法を試し撃ちすると、青い顔で理解した。
「待て待て待て、どこまで公に出来ないんじゃ! こりゃとんでも無い事じゃぞ!」
「どの道、素材は俺しか持ってないしな~」
「分けてくれ! 頼む」
「出所はダンジョンとするなら条件付きで!」
惣一郎とプジャルは夢中で話続ける。
「なるほどの~ この自転車と言う物、こんな精密な作り見た事が無いぞ、この手の職人に教えたらどうなる事か……」
「ああ、これは内緒で!」
「わかった。じゃがお前さんが言う浮力と言うのがよくわからんが、この自転車自体が杖の様な物なのじゃろ! お前さん、翼なぞ付けなくても美王様から理玉を賜ったのなら、必要無いじゃろ?」
「どう言う事?」
「その娘さんが理玉を持ってグラビティーを使えば繋がった全員の体重も何も無いじゃろ」
「あれ、自身に効果ある魔法も共有可能なのか?」
「ああ、その杖にでも埋め込めば、握ってる限り皆んなに効果があるはずじゃ、軽けりゃいくらでもテレキシスで飛ばせるじゃろう!」
「なるほど!」
なら乗り心地だけ考えれば、済む話じゃないか!
惣一郎はプジャルに、理喪棍に紫のムカデの魔石と理玉を埋め込んで、もう少し長く作り直してもらう事にした。
それとは別に、理喪棍に取り付け可能な3人座れる椅子の様な物を考える。
ベンゾウ達に遅くなるとコールを送り、惣一郎はプジャルと遅くまで意見を出し合い、制作していった。
「プジャル、ちなみに金はいくらだ!」
熱意に負けた惣一郎が、ダンゴムシを売る為だ。
ギルドで出すには場所がないので、直接解体場を目指す。
「ようギルバン! あの魔獣の外殻は凄いぞ! あの軽さであの強度、わしゃあんなもん見た事がないぞ!」
「ああ[ゲルシュ]今残りの魔獣も手に入れた所じゃ!」
惣一郎はギルバンの指示で、残りの4匹を出す。
すぐに解体が始まり、何人ものドワーフが手際良くダンゴムシをバラして行く。
「この外殻で何が出来るんだ?」
「そりゃ盾に鎧、何にでも使えるじゃろう!」
元は十分取れるのだろう。
嬉しそうなギルバンに惣一郎が、
「なぁ、ミチル鋼を扱える職人を紹介してほしいんだが」
「なんじゃ杖でも作るのか?」
「そんな所だ!」
ギルバンは、奥に工場を構える[プジャル]なら間違いないと、教えてくれた。
ダンゴムシのお金は後で届けると言うので、惣一郎はそのままプジャルを訪ねてみる。
ドワーフの街は何処も忙しなく、カンコンカンコン音を立てていた。
そんな街中を抜けて、プジャルの工場に着くと炉の熱気が外まで漏れていた。
「すいませ~ん! プジャルさん居ますか?」
数人のドワーフが、溶けた鉄を型に流し込みながら、裏に行けと教えてくれた。
裏に行くと出来た杖の試し撃ちをしてる、ドワーフがいた。
「プジャルさんですか?」
「ああ、あんたは魔獣を倒した冒険者か」
「ええ、惣一郎と言います。少しご相談がありまして!」
「ああ、畏まらんでいい! くすぐったいわ!」
「あら、そう?」
「で、相談とは?」
「公には出来ない話なんだが、口は堅いか?」
「当たり前じゃ! 職人だぞ!」
惣一郎はミチル鋼に代わるアルミ材の事から説明する事にした。
プジャルは驚きながらも、惣一郎の理喪棍で魔法を試し撃ちすると、青い顔で理解した。
「待て待て待て、どこまで公に出来ないんじゃ! こりゃとんでも無い事じゃぞ!」
「どの道、素材は俺しか持ってないしな~」
「分けてくれ! 頼む」
「出所はダンジョンとするなら条件付きで!」
惣一郎とプジャルは夢中で話続ける。
「なるほどの~ この自転車と言う物、こんな精密な作り見た事が無いぞ、この手の職人に教えたらどうなる事か……」
「ああ、これは内緒で!」
「わかった。じゃがお前さんが言う浮力と言うのがよくわからんが、この自転車自体が杖の様な物なのじゃろ! お前さん、翼なぞ付けなくても美王様から理玉を賜ったのなら、必要無いじゃろ?」
「どう言う事?」
「その娘さんが理玉を持ってグラビティーを使えば繋がった全員の体重も何も無いじゃろ」
「あれ、自身に効果ある魔法も共有可能なのか?」
「ああ、その杖にでも埋め込めば、握ってる限り皆んなに効果があるはずじゃ、軽けりゃいくらでもテレキシスで飛ばせるじゃろう!」
「なるほど!」
なら乗り心地だけ考えれば、済む話じゃないか!
惣一郎はプジャルに、理喪棍に紫のムカデの魔石と理玉を埋め込んで、もう少し長く作り直してもらう事にした。
それとは別に、理喪棍に取り付け可能な3人座れる椅子の様な物を考える。
ベンゾウ達に遅くなるとコールを送り、惣一郎はプジャルと遅くまで意見を出し合い、制作していった。
「プジャル、ちなみに金はいくらだ!」
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