異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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十二章

九話 【理玉】

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惣一郎は熱った体を冷ましながら、アルミの自転車で空を飛べないか考えていた。

ジュラルミンの自転車は売っている。

これに浮力が付けば、もっと長い時間飛べるだろう。

羽…… パラグライダー……

弁慶のパワーならプロペラでも付ければ……

でも、弁慶とクロが飛ぶのを嫌がるしな~

でも砂漠の様な時の事を考えれば、対策はしておきたい。

取り敢えず、陽が落ちる前に美王の所にも行かなければと思い出す。

自転車は後でドワーフに相談してみるか……

風呂上がりのベンゾウ達は、アイスに夢中なので、留守番を頼み、惣一郎は美王の元へ向かう。




大扉をくぐり街へ降りると、すぐギルバンに会う。

「おお丁度ええ、今呼びに行こうかと思うちょったんじゃ!」

「美王の所に行こうかと」

「なら、一緒に行こうかの」

という事で、一緒に向かい始める。

「仲間にも言われての~ やはり例の魔獣の残りも買い取りたいんじゃ、1,200ギーでどうじゃ?」

「素材の価値が、わかってきたのかな?」

「まっ、そういう事じゃな!」

「俺からも頼みがある。口の堅い職人に相談したい事があってな」

「ワシら皆んな、口は堅いぞ!」

本当かよ……

そうこうしてる内に、美王の屋敷に着く。

「美王様! 美王様おるかいの~」

「なんじゃギルバン騒々しい!」

「惣一郎殿がおいでじゃ!」

すぐ現れた美王は、奥の部屋へ案内してくれた。

「よう来たの惣一郎。 遠慮なく座るが良い!」

使用人の女性に話しかけ、美王が豪華な椅子に座る。

「惣一郎、此度は魔獣のみならず、色々と世話になったの~ 我らドワーフ族を代表して感謝するぞ!」

美王が頭を下げると、ギルバンも下げる。

「なんでもジンから死玉を譲り受けたらしいの~ ありゃ神器と呼ばれている1つじゃ、知っとるか?」

「ええ、そんな事言ってましたね」

「ふむ、神器はジンの死玉とパリコレの[心玉]それと妾が持つ[理玉]の3つあるのじゃ! 心玉は相手の嘘を見破れ、死玉は死んだ魔獣を操れる! そして妾の理玉は魔力を繋ぐ事が出来るのじゃ!」

「はぁ~」

「なんじゃ解っておらんの~ 触れた相手の魔力を自分の物に出来るんじゃぞ! それがどんなに強力か!」

「なるほど、100人と手を繋げば100人分の魔力でファイヤーランスが撃てると!」

「いや、そんなに多いと器が壊れる! 器とは魔法を発動する者じゃが、人ひとりの魔力が限界を超えると、命に関わる! まぁせいぜい4~5人が限界じゃが、十分脅威じゃろ」

すると使用人が奥から盆に乗った小石を持って来る。

「これが理玉じゃ!」

ちっさ! 玉の要素は? 

まぁ、丸いっちゃ丸いが。

「惣一郎! ジンがお前に死玉を託した意図は知らんが、奴はあれでいて思慮深い。妾もお前にこの理玉を託そうと思う」

「え、大事な物じゃないのか? 神器のお陰でこのザイラスは維持出来てると聞いたが」

「はぁははは、良い良い! 我らはそんなもんに頼って街を維持してなどおらん! 強力なのは確かじゃがな!」

「いいのか? そんな物、会ったばかりの俺なんかに」

「この理玉を惣一郎が持つと言う事は、ドワーフを束ねる、この美王が信頼したと言う証なのじゃ! きっと何処に行っても、我らドワーフ族が其方の力になろう!」

益々受け取り辛くなった惣一郎だが、ここで美王の申し出を断る方が面倒に感じ、素直に受け取る事にする。

「ありがとう、大事に使うよ!」

「ああ! 妾と思うて大事にするが良い!」

投げ捨ててやろうか……





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