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十二章
七話 【ドワーフ達の思い】
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ダンゴムシの買取額は、一匹500ギー。
まぁ新種との事で、これから上がるのだろう。
ならばと残りの4匹を出し渋る!
ムカデもまだ未知数だ!
だが素材が欲しいギルバンは、色をつけるから売ってくれと言う。
700ギーの提示額に、ムカデの跳ね上がり方を知ってる惣一郎は、OKしない。
ムカデも見たいと言い出すギルバン。
ここじゃ狭くて無理と断る惣一郎。
その後も折れずに交渉したがるドワーフ。
ドワーフの好奇心は凄かった……
なんだかんだで、一時間が過ぎ、そろそろ美王の元へ向かおうと、誤魔化す惣一郎!
ギルバンの目は諦めていなかった。
「どんだけ待たせるんじゃ!」
「こっちのセリフだわ!」
惣一郎達は美王に会って早々、険悪なムードになっていた。
「毎度毎度、外で待たされる身にもなれ!」
「準備に時間がかかるのはしょうがないじゃろ! 乙女の嗜みじゃ!」
「いやいや惣一郎殿、美王様も、ここはどうか」
「何が乙女の嗜みだ! 個人的な趣味の話じゃない! 人を待たせるんじゃ無いって言ってるんだよ!」
「待たせたのは、ソナタじゃろ!」
「普段の話だ! 着飾りたいならもっと事前に着飾ってから、人を呼び出せ! 何が美王だ!」
「なっ! くっ! ンンンン~」
真っ赤な顔の美王に、困った顔のギルバンが、
「美王様、ワシらは皆んな美王様を尊敬しちょります。行くあての無いドワーフ達を導いて、居場所をくれた。そんな美王様が馬鹿にされるのは耐えられんのじゃ!」
「馬鹿に? なんの事じゃ!」
「その、何と申しますか…… 美王様はの~ その~ 元々、獣王が言い出したんじゃが……」
「ジンが? 何をじゃ!」
「だから、皮肉で美王って言ってるんだよ! 実際着飾った厚化粧な美王は滑稽だぞ! 笑われるだけだぞ!」
「なっ、なっ、なっ! 何じゃと! だって、皆んな綺麗じゃと、貴様、良くもいいおったの!」
「見た目じゃ無いんだろ! 仲間の為に一生懸命努力するその姿が美しかったんだろ! それを勘違いして暴走してるんだよ!」
「えっ♡」
「あっ、ああ、そうじゃ! 見た目なんか気にせず、皆んなの為に泥だらけになる、あのお姿こそが我らの美王様じゃ! 気高く心が美しい美王様じゃ!」
「えっ! え~♡」
「そんな皆んなが憧れた、心の美しい美王が、見た目にこだわって、美しく綺麗な心を着飾って汚すのは、もうやめてやれよ! ただの美しいだけの美王に戻ってやれよ!」
「はぁ~♡ なんて事じゃ! 妾は間違っておったのか!」
ふぅ~ チョロいな!
惣一郎は危ない賭けに出て、勝った。
項垂れて、落ち込む美王を慰める、ギルバン。
少し時間がいる様だな。
出直す!っとその場を離れる惣一郎。
この距離なら魔導具なしでコールの魔法も届くだろうと、ギルバンに飛ばす!
『もう一押しだ! もう一度宴を開け! 今度はすっぴんでだ!』
惣一郎はコールが届いた事を信じ、屋敷を出るとドワーフ達を集め出す。
そしてその晩!
同じ会場で同じように宴が行われる。
テーブルには、惣一郎も協力した料理と酒が並んでいる。
そこに、開始間も無く!
「お待たせしました、美王様の登場です!」
そこには、着飾らない素朴なドワーフの女性がモジモジしながら現れる!
「美王様じゃ…… 以前の美王様に戻った! お美しい美王様じゃ! 皆んなの為に戦った、あの頃の美王様じゃ!」
「「「「 おおおおおおぉ! 」」」」
ドワーフ達は、総立ちで大歓声を上げる!
戸惑う美王も、割れんばかりの歓声に、徐々に自信を取り戻す!
皆が美王を取り囲み、各々が話しかけ、喜びを伝える。
惣一郎は「盛り上げろ」としか言ってない。
ドワーフ達は本当に嬉しかったのだろう。
「風呂は明日、取りに行くか……」
まぁ新種との事で、これから上がるのだろう。
ならばと残りの4匹を出し渋る!
ムカデもまだ未知数だ!
だが素材が欲しいギルバンは、色をつけるから売ってくれと言う。
700ギーの提示額に、ムカデの跳ね上がり方を知ってる惣一郎は、OKしない。
ムカデも見たいと言い出すギルバン。
ここじゃ狭くて無理と断る惣一郎。
その後も折れずに交渉したがるドワーフ。
ドワーフの好奇心は凄かった……
なんだかんだで、一時間が過ぎ、そろそろ美王の元へ向かおうと、誤魔化す惣一郎!
ギルバンの目は諦めていなかった。
「どんだけ待たせるんじゃ!」
「こっちのセリフだわ!」
惣一郎達は美王に会って早々、険悪なムードになっていた。
「毎度毎度、外で待たされる身にもなれ!」
「準備に時間がかかるのはしょうがないじゃろ! 乙女の嗜みじゃ!」
「いやいや惣一郎殿、美王様も、ここはどうか」
「何が乙女の嗜みだ! 個人的な趣味の話じゃない! 人を待たせるんじゃ無いって言ってるんだよ!」
「待たせたのは、ソナタじゃろ!」
「普段の話だ! 着飾りたいならもっと事前に着飾ってから、人を呼び出せ! 何が美王だ!」
「なっ! くっ! ンンンン~」
真っ赤な顔の美王に、困った顔のギルバンが、
「美王様、ワシらは皆んな美王様を尊敬しちょります。行くあての無いドワーフ達を導いて、居場所をくれた。そんな美王様が馬鹿にされるのは耐えられんのじゃ!」
「馬鹿に? なんの事じゃ!」
「その、何と申しますか…… 美王様はの~ その~ 元々、獣王が言い出したんじゃが……」
「ジンが? 何をじゃ!」
「だから、皮肉で美王って言ってるんだよ! 実際着飾った厚化粧な美王は滑稽だぞ! 笑われるだけだぞ!」
「なっ、なっ、なっ! 何じゃと! だって、皆んな綺麗じゃと、貴様、良くもいいおったの!」
「見た目じゃ無いんだろ! 仲間の為に一生懸命努力するその姿が美しかったんだろ! それを勘違いして暴走してるんだよ!」
「えっ♡」
「あっ、ああ、そうじゃ! 見た目なんか気にせず、皆んなの為に泥だらけになる、あのお姿こそが我らの美王様じゃ! 気高く心が美しい美王様じゃ!」
「えっ! え~♡」
「そんな皆んなが憧れた、心の美しい美王が、見た目にこだわって、美しく綺麗な心を着飾って汚すのは、もうやめてやれよ! ただの美しいだけの美王に戻ってやれよ!」
「はぁ~♡ なんて事じゃ! 妾は間違っておったのか!」
ふぅ~ チョロいな!
惣一郎は危ない賭けに出て、勝った。
項垂れて、落ち込む美王を慰める、ギルバン。
少し時間がいる様だな。
出直す!っとその場を離れる惣一郎。
この距離なら魔導具なしでコールの魔法も届くだろうと、ギルバンに飛ばす!
『もう一押しだ! もう一度宴を開け! 今度はすっぴんでだ!』
惣一郎はコールが届いた事を信じ、屋敷を出るとドワーフ達を集め出す。
そしてその晩!
同じ会場で同じように宴が行われる。
テーブルには、惣一郎も協力した料理と酒が並んでいる。
そこに、開始間も無く!
「お待たせしました、美王様の登場です!」
そこには、着飾らない素朴なドワーフの女性がモジモジしながら現れる!
「美王様じゃ…… 以前の美王様に戻った! お美しい美王様じゃ! 皆んなの為に戦った、あの頃の美王様じゃ!」
「「「「 おおおおおおぉ! 」」」」
ドワーフ達は、総立ちで大歓声を上げる!
戸惑う美王も、割れんばかりの歓声に、徐々に自信を取り戻す!
皆が美王を取り囲み、各々が話しかけ、喜びを伝える。
惣一郎は「盛り上げろ」としか言ってない。
ドワーフ達は本当に嬉しかったのだろう。
「風呂は明日、取りに行くか……」
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