異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
上 下
242 / 409
十二章

六話 【職人ドワーフ】

しおりを挟む
翌朝、惣一郎達は街に来ていた。

家ごと作り直そうと考えていたが、あまり壁のしっかりしたプレハブやコンテナでは、クロもベンゾウも外敵が分かりづらいと、テントがちょうど良いと言う事になった。

それならと、新しい大きなテントにしたのだから、風呂は良いのにしようと検索していたが、弁慶サイズの良さげな物は見つからず、フルオーダーで作ろうと、紹介されたゴマサと言う木工職人に頼みに来ていた。

「ゴマサと言う、木工職人がいると聞いてきたのですが?」

「オイですが?」

ドワーフにしては髭もなく、若い青年の様なエプロン姿の男であった。

「ここで大きな風呂桶を、作ってくれると聞いて来たのだが」

「ホイホイ! 大きさは?」

惣一郎は、今使っている風呂桶を出し、一回り大きく深い物を頼む。

半分は段差を設けてもらい、椅子の様に座れる様に!

「なるほどなるほど、それなら保温出来る様に、[アスラの木]で作ろう! それとお湯はどう沸かすんで?」

惣一郎は、毎度鍋で湯を沸かすと伝えると、

「なるほどなるほど、この先の[ソルト]の所で魔導具を売ってるのだが、そこに熱石が売ってるよ! 組み込めばいつも熱々なのね」

「なるほど、そりゃ良いかもな! 見て来るか」

惣一郎は取り敢えず、桶の製作を頼み、魔導具を見に向かう。

それにしても、喋り方が気になる……

洞窟の岩肌をくり抜いた様な家が並ぶ街中を、歩いていくと、魔導具が並ぶ店に行き着く。

「すいません! 熱石があると聞いて来たんですが」

樽の様な背の低い女性のドワーフが、

「はい! 熱石ですね。サイズはどうしますか?」

サイズ? サイズがあるのか。

聞けば設定温度により、サイズを大きくしたり個数を増やすそうで、風呂に使うなら風呂のサイズ、つまり水の量と温度で違って来るのだ。

惣一郎は、また桶を出してこの一回り大きく深い量でと、店員のソルトに注文する。

「温度は?」

「ん~ 42度位かな?」

するとソルトが奥から布に包まれた石を持ってくる。

予想より全然小さい小石だった。

赤い小石は、布越しでもほんのり温かい。

「毎度、220ギーです!」

たっか!

払えなくは無いが、小石に220万!

驚く惣一郎はもう引っ込みがつかず、お金を払い店を出る。

冷蔵庫にも使える冷石にも興味あったが、またそのうち……

ゴマサの所に戻ると、もう仮組みが出来ていた!

驚く惣一郎は、熱石を渡してよろしくお願いする。

恐るべしドワーフ……

夕方には出来るそうだ。

するとそこに、ギルバンが現れる。

「ここにいたのか、惣一郎殿!」

「ああ、風呂桶を頼みにね」

「そうか、ゴマサなら間違いなかろう!」

何かあったのか尋ねると、美王が呼んでるとの事で、

「なら、美王の準備が出来たら呼んでくれ」

っと惣一郎は、ギルドに向かう。

ダンゴムシの代金と、紫のムカデを売ろうと!

「それもそうじゃな……」

っと、ギルバンも一緒に付いて来た。

ギルドに着くと、小さな家にカウンターのみのギルドであった。

冒険者も見当たらない。

カウンターで、魔獣の代金を受け取りに来たと伝えると、受付のギルド員がギルバンを見る。

ギルバンがカウンターの向こうへ行き、

「今、準備するから、まっちょれ!」

っと奥に消える。

お前がギルマスなんか~い!

心の中でツッコみを入れる、惣一郎だった。





しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

処理中です...