異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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十二章

二話 【ザスの実】

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そのまま理喪棍にぶら下がる様に、砂漠を飛んで越える惣一郎達。

強引過ぎたか、多少頭痛がする惣一郎。

「足場が悪いと強敵だな、ゲーゲート!」

「アタイには相性悪すぎる!」

疲れた惣一郎達は、テントを出し朝まで少し休む事にした。

砂を落とし、風呂に入る。

湯船の底にも砂が……

後で入れ替えが必要な様だ。

足を伸ばし癒される惣一郎。

寒くなって来てるので、風呂は最高であった!

そこにベンゾウも入って来て、真っ直ぐ湯船の中に!

頭から砂が落ちる。

「流してから入れよ!」

「寒い……」

まったくコイツは……

遅れて弁慶も入ってくる。

弁慶はちゃんと体を流してから、ゆっくり入る。

「はぁ~ 暖まる」

ガサツに見える弁慶は、意外とちゃんとしているのだ。

今度弁慶の為に、肩まで入れる大きさの風呂に作り替えるか。

「旦那様、そう言えば一號街で果物買ってただろ? [ザスの実]は魔力回復に良いと言われてるぞ」

ほほ~ 

取り出し果物を見る。

見た目林檎に近いが、味は洋梨だ。

ふたりにも出し、風呂で齧り付く。

冷えてないが美味い。

「確かに魔力が戻って行く感じがするな~」

「ケラケラケラ、そんなに直ぐ分かる訳ないよ」

「ははは、旦那様! 感じるほどの効果はないぞ」

でも確かに……

確かに魔力が戻って行く。

俺だけなのか?

元の世界の地球産の食い物は、コイツらに影響大だ。

それは世界を渡るからだし……

世界を渡った俺が、この世界の物を食べたからって……

魔力薬とか効果大だったな。

あれ? 俺が強くなって来たのって……

いやいや、こっちの剣を俺が使ったからって切れる訳じゃない!

気のせいだろ。

そう思う事にした惣一郎は、風呂を出る。




朝日が登り始めると、惣一郎達も先を急ぐ。

クロの荷車に乗って、草原を進む。

次第に岩場が広がり、緑が減って行く。

二號街は、岩山の国境付近らしいので、大分近づいて来ているのだろう。




……そうでもなかった。

あれから二日、何もなく走り続けると、大きな谷に差し掛かる。

右手遠くに橋が見えるが、この位の距離なら!

「クロ来い! 飛ぶぞ!」

惣一郎はそのまま、荷車を浮かせ谷を越える。

弁慶は谷底を見てゾッとする。

ベンゾウはケラケラと上機嫌。

谷を越えると岩が増えて行き、ここから先は荷車では行けそうも無い。

辺りも暗くなって来たので、ここでテントを出す。





深夜、クロの大きな鳴き声で目が覚める!

ベンゾウがすでに警戒している。

「何があった?」

「ご主人様、近くに何かいます!」

飛び起きる惣一郎と弁慶!

先にテントを飛び出したベンゾウが、テントを大きく揺らし穴を開け戻ってくる。

「ベンゾウ! 大丈夫か!」

穴からは、大きなムカデが覗いていた!

周りに緑がないのでバレたのだろう!

迂闊だった。

ベンゾウが起き上がり、また飛び出す!

弁慶も後を追う。

星灯りに照らされた銀の閃光が、ムカデを斬り刻むが、傷を付ける程度だった!

惣一郎も慌てて駆除剤を出し準備する!

弁慶が侃護斧をムカデの体に叩き付けると、大きなヒビが入り、ムカデも暴れ出す!

ベンゾウが同じ場所に集中的に攻撃を加え、緑の液体を撒き散らす。

惣一郎が理喪棍を構え、駆除剤の入った瓶を叩き付けると、断末魔の叫びをあげウネウネと暴れ苦しみ出す。

突然の事だった。

「ベンゾウ、怪我は!」

「大丈夫!」

「旦那様! コイツこの前の奴より硬いぞ」

確かに赤くない……

息絶えたのは、青紫色のムカデだった。

準備しとくんだったと、後悔する惣一郎は、潰れたテントを見て肩を落とす。





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