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第十一章

二十七話 【浪漫飛行!】

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朝方、全回復では無いが風が吹く前に惣一郎は飛ぶ事を決意!

昨日と同じように理喪棍にまたがる!

「ベンゾウ、グラビティで自分を軽くしてくれ」

コクンとベンゾウが頷くと、惣一郎が「行くぞ!」っと地面を蹴る!

少しだが軽い!

そのまま勢いよく、前に飛び進む!

早朝の澄んだ空気を顔に受けながら、惣一郎達は地上1mの高さで砂漠の上を飛んでいた!

全回復でないにしても軽い分、昨日と同じ位の距離で地面に足が着き、また投げ出される!

砂だらけの惣一郎は、頭から逆さまに砂に埋まる弁慶を引き抜き、

「あと一回で砂漠は越えれそうだな!」

っと頭痛がするのか眉間にシワを寄せる。

ベンゾウもケラケラ笑いながら砂から出てくる。

砂を落としテントで休む惣一郎に弁慶は、

「旦那様はアタイが背負うから、歩こう!」

っと言ってくる。

「え、空飛んだ方が早いじゃん!」

弁慶の顔が引き攣る。

「それにな弁慶、飛ぶって浪漫だろ!」

「………」




夜、夕食をとり惣一郎のコンディションは万全!

ラストフライトに意欲を燃やす!

「みんな聞いてくれ! ジビカガイライは今までなんとか無敗を維持して来たが、自然の脅威に初めて辛酸を舐める事になった。だが、俺達には翼がある! まだまだ飛べるんだ! 見せてやろうぜジビカガイライの力を! アイ・キャン・フライ!」

「おおおお!」 「ぉぉぉ」 ク~ン

ゴーグルをつけ、防寒具に身を包む3人と1匹は、一本の銀の翼にまたがり、深く集中する。

「いっけーーーー!」

ひとり熱い惣一郎が地面を蹴り、砂漠の上を飛び立つ!

勢いよく飛ぶジビカガイライ!

星に照らされながら、風の抵抗を身体で受ける!

ベンゾウは自身を軽く!

弁慶は両手に持った盾を広げ、浮力を作る!

惣一郎の気合と気力、そして魔力は47分の飛行を実現し、砂漠を越えて地面に転がり落ちる。

空を見上げる惣一郎は「勝った……」と意味不明な言葉を残し、逆さまの弁慶は「何に?」とツッコむ!

ベンゾウはケラケラ笑いながら、メガネを探す。

籠から投げ出されたクロは目を回していた。




翌朝、テントで目覚める惣一郎は、朝食の準備をしながら夜間飛行について考えていた。

浮力を作れば軽くなる分、飛行時間は格段に上がる。

グライダーの様な物なら、ずっと飛べるのではなかろうか?

空に取り憑かれたおっさんの探究心は、自身の知識の無さにより、徐々に飽きていくだろう……

朝食を摂るとテントを収納し、また一號街を目指し始める。

砂漠を越えた今、もう目の前まで来てるはずであった。





草原を進み林を抜けると、先に大きな木造の壁が見えて来た。

岩場の丘に木造の外壁が張り巡らされ、エリリンテの前線基地を思い出させた。

近付くと鎧に身を包む牙を生やした獣人が、

「止まれ! ここに何しに来た!」

っと、槍を向け話しかけて来た。

その声を聞いてか、外壁の窓が開かれ、弓を構える者も現れる。

惣一郎は刺激しない様に説明する。

すると賢王から連絡が来ていたのか、騎士は槍を下げ、

「あなた方がジビカガイライか! 来る事は聞いていたが、来るのが早すぎる! まさか砂漠を飛び越えて来たんじゃ無いだろうな!」

その通りであった……

「まぁ、聞いていた風体は一致するし、間違いは無いだろう。中に案内する!」

騎士は、外壁から狙う仲間に手を上げ、大きな扉の横の小さなドアが開かれる。

中に入ると室内だった。

巨大な外壁そのものが、大きな砦となっていた。




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