異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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第十一章

二十六話 【翼を授ける〜!】

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倒したベルフ…… この数をギルドに買取に出せば、また騒ぎになりそうだ。

そう思いながらアイテムボックスに収納していく惣一郎だった。


林を抜けると、草原の先に砂漠が広がっていた。

風が強く、砂混じりの風が痛い。

ゴーグルを買い弁慶に渡し、クロにもかけ紐で固定する。

「ベンゾウのは?」

「メガネしてりゃいらないだろ!」

ベンゾウは割とお揃いを好む。

仕方ないので、お揃いのポンチョを買い、みんなで着ると、喜ぶベンゾウだったが、大きな口を開けて喜ぶものだから、砂が入って咽せている。

荷車も引けない砂の上を、太陽の位置だけを頼りに、進み始める。

風は強くなり、肌が露出してる所が痛い。

ポンチョに防寒防風に効果があっても、砂はカバー出来ない様だ。

たまらずテントを出し避難する。

風でバタつきはするが、テントはしっかり立っていた。

「こりゃ風が落ち着くまで、進むのは無理だな」

ゴーグルを取ると砂がこぼれる。

クロが全身を震わせ、砂を撒き散らす。

砂漠の砂は、クリーンでも取れなかった。

無菌だからか汚れと判断出来ない様だ。

床の砂をほうきで掃き集める。



掃除を終えると惣一郎は、作り置き用の料理を作り始める。

ベンゾウはベッドでゴロゴロと、お菓子を食べ始め、弁慶は今朝の戦闘を反省し、魔力を練る訓練をしていた。

そもそも燃費の悪い事が問題であり、以前使っていた短剣ならいざ知らず、侃護斧はその何十倍の重さだ、消費魔力も桁違いなのだろう。

惣一郎も料理を作りながら考えるが、そうそう上手い話も無い。

いい匂いがテント中に広がると、みんなのお腹がグーグー鳴り出す。

そのまま食事になる。

陽が落ち始めると気温も下がり、薪ストーブに火をつける。






翌朝ふたりの温もりの中、目を覚ますと風は落ち着いていた。

また風が吹く前に、進み始める。

朝食は歩きながら食べる。

砂に足を取られ、脹ら脛はパンパンだ!

靴の中も砂だらけになり、その割にあまり進んでない。

陽が高くなるとまた風が吹き始める。

テントに避難した惣一郎は、

「舐めてたな、砂漠越え!」

寒いが陽が落ちてから進もうと、ふて寝する。





陽が落ち風は落ち着いて来たので防寒着にゴーグルをみんなでつけると、惣一郎は賭けに出る。

弁慶の背中に大きな籠を背負わせ、クロを入れる。

惣一郎は理喪棍にまたがり、ベンゾウを前に弁慶を後ろに座らせる!

狭いが仕方ない!

「行くぞ、しっかり掴まってろよ!」

集中して地面を蹴ると3人と1匹を乗せた杖が浮く!

そのまま勢いよく、前に飛び始める!

重くて高さは出ない!

3人乗りの魔女は、夜の砂漠を凄いスピードで飛んでいく!

ベンゾウは大はしゃぎ!

弁慶とクロは恐怖から目をつぶる!

20分程の飛行は徐々に高度を下げ、足が着くと勢いよく全員を投げ飛ばす!

頭を抱える惣一郎は砂まみれで、

「ここまでか!」

っと悔しそうだが、歩くよりは短時間で全然進んでいた。

テントを出して休む惣一郎。

魔力が回復したら、また挑戦する気でいたが、弁慶とクロは恐怖で引き攣っていた。





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