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第十一章
二十二話 【狙われた玉】
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昼過ぎまで寝ていた惣一郎を起こしたのは、訪れた賢王だった。
目を擦りながらテントを開けると、賢王が、
「す、すまん! お疲れだったか、出直そう!」
っと、戻っていった……
振り返ると、下着だらけの床の上に下着姿の4人の女性(内、子供1名)が、あられも無い姿で寝ていた。
何してくれてんのよ……
全員叩き起こし、説教スタート!
反省したクオンが、自前のマジックバッグに下着を仕舞い服を着ると、惣一郎が連絡用にリングを渡し、エレノイと帰って行った。
クオン商会の名を聞くのも、そう遠い話じゃ無いだろう。
賢王の誤解を解こうと、惣一郎はベンゾウ達に留守番させ、ひとりで隣の家へ向かう。
「先程は、御見苦しい所を!」
「いやいや、英雄色を好むと言うし」
いや、そうじゃ…… ああ面倒臭い!
「それで、何か用事が?」
「あぁ、ワークから聞いたのだが、役に立てなかったそうで申し訳ない、それでベリルと言う男を追っていると聞いて、その件で」
「ご存じなんですか!」
「いや、すまん。陣唱紙を扱う輩と聞いて、もしやとな! 先日、我が手の者が、獣王の所が襲われたと言ってきてな、その襲撃者が陣唱紙で自害したそうなのだが」
「ええ、私にも別口から情報がありました」
「ナリが関係してるのだろうか?」
「それはまだ、何とも……」
惣一郎は賢王に、ベリルとの事を話す。
「なるほど、そうであったか……」
「ええ、それでベリルを止める為に陣唱紙について何か分かればと三號街へ」
「ふむ…… 惣一郎よ、世間では三王などと呼ばれ、縄張り争いしてるなどと言われておるがな、我も獣王の[セプト]も美王の[ドーゼン]も、いがみあってはおらぬのよ! まぁ小競り合いはあるがな!」
「えっ、そうなの? あ! 失礼」
「畏まらずとも良い! 我らは国に頼らず種族をまとめておるだけなのだ。我はエルフを、獣王は獣人を、美王はドワーフを! ただそれだけなのだ」
「はぁ、それが?」
「だが最近、それを知らぬ者が均衡を壊そうとしておる!」
「まさか、ベリル!」
「そこまでは分からぬが、時期的に十分考えられるの」
「ムカデも、獣王の所を襲ったのも偶然じゃ無いと?」
「ふむ、美王の所も何かしらあれば……」
「ギルドからの情報だと、ベリルは獣王の何かを狙っていたとか」
「ふむ、其奴の狙いは神器かも知れんな……」
神器? 情報多いな……
「神器とは?」
「神器とは三王が持つ3つの強力な魔道具なのだ、そのおかげで我らは、他の国々と対抗でき、この土地で自由に出来るのだ」
「では、ベリルはその3つを!」
「それは分からん、獣王の死玉だけが狙いの可能性も」
「死玉ね~ 物騒な名前ですね」
そろそろマジで情報がキャパ超えそうだな。
だから国とかそんなんに、関わりたくなかったんだが……
その後も、賢王と可能性の話をし、キャパを超えた惣一郎は、一旦整理する為にテントへ帰る。
テントでは、まだ下着姿で寝ているベンゾウと弁慶がいた。
コイツら……
どっと疲れた惣一郎は、起こす事もせず、ソファーに腰をかける。
死玉…… 死んだ魔獣を操れる玉。
ベリルの狙いは、コレなのか?
目を擦りながらテントを開けると、賢王が、
「す、すまん! お疲れだったか、出直そう!」
っと、戻っていった……
振り返ると、下着だらけの床の上に下着姿の4人の女性(内、子供1名)が、あられも無い姿で寝ていた。
何してくれてんのよ……
全員叩き起こし、説教スタート!
反省したクオンが、自前のマジックバッグに下着を仕舞い服を着ると、惣一郎が連絡用にリングを渡し、エレノイと帰って行った。
クオン商会の名を聞くのも、そう遠い話じゃ無いだろう。
賢王の誤解を解こうと、惣一郎はベンゾウ達に留守番させ、ひとりで隣の家へ向かう。
「先程は、御見苦しい所を!」
「いやいや、英雄色を好むと言うし」
いや、そうじゃ…… ああ面倒臭い!
「それで、何か用事が?」
「あぁ、ワークから聞いたのだが、役に立てなかったそうで申し訳ない、それでベリルと言う男を追っていると聞いて、その件で」
「ご存じなんですか!」
「いや、すまん。陣唱紙を扱う輩と聞いて、もしやとな! 先日、我が手の者が、獣王の所が襲われたと言ってきてな、その襲撃者が陣唱紙で自害したそうなのだが」
「ええ、私にも別口から情報がありました」
「ナリが関係してるのだろうか?」
「それはまだ、何とも……」
惣一郎は賢王に、ベリルとの事を話す。
「なるほど、そうであったか……」
「ええ、それでベリルを止める為に陣唱紙について何か分かればと三號街へ」
「ふむ…… 惣一郎よ、世間では三王などと呼ばれ、縄張り争いしてるなどと言われておるがな、我も獣王の[セプト]も美王の[ドーゼン]も、いがみあってはおらぬのよ! まぁ小競り合いはあるがな!」
「えっ、そうなの? あ! 失礼」
「畏まらずとも良い! 我らは国に頼らず種族をまとめておるだけなのだ。我はエルフを、獣王は獣人を、美王はドワーフを! ただそれだけなのだ」
「はぁ、それが?」
「だが最近、それを知らぬ者が均衡を壊そうとしておる!」
「まさか、ベリル!」
「そこまでは分からぬが、時期的に十分考えられるの」
「ムカデも、獣王の所を襲ったのも偶然じゃ無いと?」
「ふむ、美王の所も何かしらあれば……」
「ギルドからの情報だと、ベリルは獣王の何かを狙っていたとか」
「ふむ、其奴の狙いは神器かも知れんな……」
神器? 情報多いな……
「神器とは?」
「神器とは三王が持つ3つの強力な魔道具なのだ、そのおかげで我らは、他の国々と対抗でき、この土地で自由に出来るのだ」
「では、ベリルはその3つを!」
「それは分からん、獣王の死玉だけが狙いの可能性も」
「死玉ね~ 物騒な名前ですね」
そろそろマジで情報がキャパ超えそうだな。
だから国とかそんなんに、関わりたくなかったんだが……
その後も、賢王と可能性の話をし、キャパを超えた惣一郎は、一旦整理する為にテントへ帰る。
テントでは、まだ下着姿で寝ているベンゾウと弁慶がいた。
コイツら……
どっと疲れた惣一郎は、起こす事もせず、ソファーに腰をかける。
死玉…… 死んだ魔獣を操れる玉。
ベリルの狙いは、コレなのか?
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