異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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第十一章

七話 【面白いは大事!】

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クオンは中々しっかりている子供で、船の用意もすでに出来ているとの事。

準備でき次第いつでも行けるそうで、迂回の選択肢は無かった。

また船酔いするのか……

クオンに出発は明日にしようと、惣一郎は町へ服を買いに行く。

肌寒くなってきてると感じるのは、惣一郎だけだが、服は多めに持っておきたい。

流石にネットで買う訳にも行かないし……

道にまではみ出し服を売る店に入ると、ベンゾウが店員を連れて来る。

のんびり見たいのだが、何故?

店員に、左袖の無い穴のあいた外套の代わりにと、勝手に話を進めるベンゾウさん。

買うのは俺の服なのに……

まぁ、悪くないチョイスではある。

されるがまま惣一郎の買い物は終わる。

それから延々とふたりの買い物を待たされる。

服を選び出したふたりは女子だった。

ベンゾウも遠慮が無くなったのが、少し嬉しい。

クロと外で暇を持て余していると、

「ジビカガイライですか?」

っと、冒険者だろう男が声をかけて来た。

「そうですが、仲間の募集はしていませんよ」

しゃがんでクロのお腹を撫でながら答える。

「是非腕前だけでも!」

っと剣を振るう!

それを宙に浮いた盾が受け止める。

惣一郎は変わらずクロのお腹を撫でていた。

驚く冒険者は、距離を取り構える…… が!

鉄球が脇腹に食い込み、地面に膝を突き、悶え苦しむ。

惣一郎は見てもいなかった。

パチ…パチパチ……パチパチパチパチ

周りで見てた町の人達から拍手が沸き起こる。

惣一郎の顔は赤かった。

「なんの拍手?」

買い物袋を両手に抱えたふたりが出て来ると、惣一郎は恥ずかしさから足速にその場を去る。



テントに戻ると新しい服の左袖を、肘の位置で切る。

幻腕を出すのに邪魔になるし、単にぶらぶらするのも嫌いだった。

ふたりがファッションショーを始めたので、惣一郎は、呪羅流民を長めに作り直す事にする。

杖の様にいつでも持って支えられる様に。

片腕一本ないだけで割とバランスが崩れるのだ。

理由はまだあった。

そしてあっさり完成する。

それもそうだほぼ何もしていない。

素材として売っていた八角系の棒を150cm程の長さに切り、魔石を埋め込んだだけであった。

短い棍、登山などで見られる山伏が持ってそうな物だった。

軽く強度がある超ジェラルミンを、ただ持つだけの杖では勿体無いと、武器にも出来る様にと考え、そして川で荷車を浮かせた時に思いついた惣一郎は、これに乗る気でもいた。

対ベリル様に……

幻腕で転生魔法を抑え込める事はわかったが、ベンゾウの様なスピードが無い惣一郎が、どうベリルを幻腕で掴むかが課題だった。

杖に乗って飛ぶ!

一見、頭悪そうな発想だが面白い!

面白いは大事だ!

印を刻み込み、何時でも操作出来るようにする。

シンプルイズベスト!

早速試してみたく外に出る。

まずは魔法を試して見る。

鉄球を出し印を結ぶ。

12個の鉄球が自在に宙を舞う。

問題ない! むしろ長くなった分、魔力は抑えられている様に感じる。

次に武器として使えるか!

弁慶に以前盗賊から剥ぎ取った剣で、切り掛かってもらう。

弁慶のパワーで振り下ろされた剣を受けるも、ジェラルミンの棒は傷付かず、剣の方が欠けていた。

武器としても軽いし扱いやすい!

そして……

弁慶に盾を持たせ、プロテクターを余分に着ける。

距離を取る惣一郎が杖を上に掲げると、右手でぶら下がるように飛ぶ!

真っ直ぐ弁慶へ距離を積めると、盾に急に現れた幻腕がめり込む!

すると弁慶は盾ごと後ろに吹っ飛んで、解体倉庫の壁に大穴を開ける!

「すまんやり過ぎた! 大丈夫か弁慶!」

穴から足だけ出ていた弁慶が、ゆっくり起き上がり、

「早くて…… 踏ん張る前に吹っ飛ばされた!」

っと無傷で驚いていた。

良かった無事で……

そして大成功だな!

惣一郎の新しい武器、鉄球や苦無を自在に操るリモコン…… 理を喪う棍!

[理喪棍]の誕生であった。





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