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第十一章

五話 【台風の目】

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村に戻ると、出かけた時、そのまんまの村人達が出迎える。

時間止まってた?

「ご主人様~ おかえり~」

「あぁ、ただいま」

「旦那様!」

「悪い悪い!」

惣一郎は花嫁の前に行き、

「もう大丈夫だ。二度とこんな事は起きないよ! 今度、王都から新しい領主が来るから、来たらコレ渡しといてくれ!」

惣一郎は目の前に、奪った金目の物を全部出す。

すると村人の中から、

「あ、母の形見だ!」

など、奪われた物も多かった様だ。

「じゃ、新しい領主が来る前に貰っとけ!」

と荷車を出し、乗り込む。

村人はまだよく理解して無い様な反応だった。

別れの挨拶も、礼も何もなく、ただ言葉をなくす村人は、走り去る惣一郎達を見ていた。




村を出て北東の国境の街を目指す。

途中に大きな湖があり、その向こうにあるそうだ。

湖からは、ベンゾウ念願の舟での移動になるか、北からぐるっと迂回するしかない。

取り敢えずその湖の町[マリュウショ]を目指す。

天候にも恵まれ、道中大きなトラブルもなく二日かけ、そのマリュウショの町が見えて来たタイミングで、ヒロヨシーからコールが入る。

『惣一郎殿、派手にやりましたね! 代理で向かった役人が住む所がないと、頭を抱えてましたよ。途中橋も落ちてたそうですが、それも?』

『違うわ! 盗賊がやったんだよ橋は!』

『そうでしたか。王都じゃすっかり台風の様な扱いですよ、ジビカガイライは。取り敢えずマハの村の件はご心配なく、これまで被害に遭った方達にも国から、なんらかの補償があるはずです。』

『ああ、よろしく頼むよ…… 以上』

台風って……

『ベリルの件も何か分かり次第、連絡します。それと、マリュウショのギルドにも連絡してあるので、宿の心配は無いですよ! 以上』

………



大きな湖は対岸が見えない程だった。

その湖畔に町が出来ており、大きな船も見える。

冒険者カードを見せ町に入り、ギルドへ向かう。

夕方って事もあり、町の中は食堂のいい匂いに溢れていた。

「ギルドに行く前に、飯でも食うか!」

「「 おお~! 」」

ベンゾウが鼻で決めた店に入ると、素敵な女性がエプロン姿で迎えてくれた。

「いらっしゃい! 空いてるお席にどうぞ!」

「入籍すると言う事ですか♡」

ショートカットの40代のエプロン姿が似合う、ナイスバディーが、不思議そうに惣一郎を見ていた。

「貴女の人生の隣の席に「すまん女将!」」

「向こうの席におススメをジャンジャン運んでくれ!」

弁慶が割って入り、ベンゾウに引きずられる様に席に着く。

わかったから…… 小刀を仕舞いなさい。

ふたりに睨まれながら料理を待つと、湖で取れた魚料理がどんどん運ばれて来る。

美味い!

淡白な味わいの魚に野菜の入った酸味の効いたソース、揚げた魚にも餡がかけられており、見た目にも華やかなだった。

毎度ベンゾウの鼻は、たいしたもんである。

エプロンの上からでも分かる女将の胸も、たいしたもんである。

たらふく食べ、保存食用にも頼むと、結構な金額だった。

名残惜しいが、ふたりの視線が痛いので、ギルドへ向かう事にする。





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