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第十章
十三話 【散歩】
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片腕と言うのは不便で、料理もまともに作れないのである。
弁慶が役に立てて嬉しそうだ。
あの、食う寝る戦うしか出来ないベンゾウも、色々と手伝う様になった。
惣一郎が不便になったおかげで、チームワークが固まって来ているのも、複雑だけど……
だいぶ動けるようになった惣一郎は、食事を終えると街に行く事にする。
惣一郎にはまだ、知らない魔法が多いからだ。
ここワーテイズは事、魔法に関しては他国より進んでいる。
王都なら何かわかるかも知れない。
王都は今や、行く当ての無い住民しか残って居らず、人もまばらであった。
魔導書店は…… よかった開いている!
中に入ると、鷲っ鼻の老婆がひとりカウンターの奥にいた。
毒リンゴでも配ってそうだ。
「いらっしゃい」
「すいません、何か珍しい魔法はありませんか?」
「珍しい?」
「ええ」
「そうさね、広範囲のクリーンなら……」
惣一郎は老婆にクリーンをかける。
「驚いた! ウチのより、よっぽど珍しいじゃ無いか」
「何か噂や、過去に失われた魔法の話でもいいんです」
「なんだい客じゃ無いのかい…… 転移魔法とか古代魔法のことかい?」
「そうです、古代魔法!」
「そうだね~ 私が知ってるのは……」
[転移魔法] 物体を一瞬で移動させる。
[蘇生魔法] 死んだ者を生き返らす。
[幻影魔法] イメージした幻を見せる。
[飛行魔法] 自分を浮かせ飛ぶ事が出来る。
[結界魔法] 魔法を無効化する。
「そんな所かね~ どれも文献に残ってる、大昔に失われた魔法さね~」
なるほど、どれも便利そうな魔法だな!
だが、こんな便利そうな魔法が何故失われたのか疑問が湧く。
「失われた理由? さぁね~ 魔法学者の連中なら何か分かるかも知れないが、私にはそれ以上の事は分からないね……」
「そうか…… ありがとう!」
惣一郎はお礼と代金を払い、店を出る。
聞く場所が間違っていたか。
惣一郎は静かな街をぶらつきながら、ギルドへ戻る。
ギルドにも冒険者は居らず、数人の職員が働いているだけだった。
「ヒロヨシー…… ギルマスはいますか?」
今、城に行っているのそうなので、戻り次第探してる事を伝えて貰う。
惣一郎は中庭のテントに戻る。
ずっと寝ていたからか、酷く身体が怠い。
留守番してたクロが心配そうに近づいて来る。
ワン!(最近、焼肉を食べて無いぞ)
「そうか、クロにも心配かけたな~」
古代魔法か……
そこに、大して待たずにヒロヨシーが戻ってくる。
「惣一郎殿! 何かありましたか?」
古代魔法に詳しい人を紹介して欲しいと、ヒロヨシーに頼む。
「わかりました、学者を何人かあたってみますが今、王都には居ないと思うので数日かかるかと」
そう言うと足早に去って行く。
惣一郎はのんびりと、リハビリしながら待つ事にする。
弁慶が役に立てて嬉しそうだ。
あの、食う寝る戦うしか出来ないベンゾウも、色々と手伝う様になった。
惣一郎が不便になったおかげで、チームワークが固まって来ているのも、複雑だけど……
だいぶ動けるようになった惣一郎は、食事を終えると街に行く事にする。
惣一郎にはまだ、知らない魔法が多いからだ。
ここワーテイズは事、魔法に関しては他国より進んでいる。
王都なら何かわかるかも知れない。
王都は今や、行く当ての無い住民しか残って居らず、人もまばらであった。
魔導書店は…… よかった開いている!
中に入ると、鷲っ鼻の老婆がひとりカウンターの奥にいた。
毒リンゴでも配ってそうだ。
「いらっしゃい」
「すいません、何か珍しい魔法はありませんか?」
「珍しい?」
「ええ」
「そうさね、広範囲のクリーンなら……」
惣一郎は老婆にクリーンをかける。
「驚いた! ウチのより、よっぽど珍しいじゃ無いか」
「何か噂や、過去に失われた魔法の話でもいいんです」
「なんだい客じゃ無いのかい…… 転移魔法とか古代魔法のことかい?」
「そうです、古代魔法!」
「そうだね~ 私が知ってるのは……」
[転移魔法] 物体を一瞬で移動させる。
[蘇生魔法] 死んだ者を生き返らす。
[幻影魔法] イメージした幻を見せる。
[飛行魔法] 自分を浮かせ飛ぶ事が出来る。
[結界魔法] 魔法を無効化する。
「そんな所かね~ どれも文献に残ってる、大昔に失われた魔法さね~」
なるほど、どれも便利そうな魔法だな!
だが、こんな便利そうな魔法が何故失われたのか疑問が湧く。
「失われた理由? さぁね~ 魔法学者の連中なら何か分かるかも知れないが、私にはそれ以上の事は分からないね……」
「そうか…… ありがとう!」
惣一郎はお礼と代金を払い、店を出る。
聞く場所が間違っていたか。
惣一郎は静かな街をぶらつきながら、ギルドへ戻る。
ギルドにも冒険者は居らず、数人の職員が働いているだけだった。
「ヒロヨシー…… ギルマスはいますか?」
今、城に行っているのそうなので、戻り次第探してる事を伝えて貰う。
惣一郎は中庭のテントに戻る。
ずっと寝ていたからか、酷く身体が怠い。
留守番してたクロが心配そうに近づいて来る。
ワン!(最近、焼肉を食べて無いぞ)
「そうか、クロにも心配かけたな~」
古代魔法か……
そこに、大して待たずにヒロヨシーが戻ってくる。
「惣一郎殿! 何かありましたか?」
古代魔法に詳しい人を紹介して欲しいと、ヒロヨシーに頼む。
「わかりました、学者を何人かあたってみますが今、王都には居ないと思うので数日かかるかと」
そう言うと足早に去って行く。
惣一郎はのんびりと、リハビリしながら待つ事にする。
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