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第十章
五話【渦中の人】
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詳しい情報は無いかと、ギルドに向かう惣一郎。
ギルド内も冒険者に詰め寄られ、質問攻めにあっている職員で大騒ぎだった。
「まだギルドにも詳しい情報は入ってきていません! 冷静になって下さい!」
「王族が殺されたってのに、冷静でいられるか! 国が無くなるんだぞ!」
「ですから、それもまだ未確認の情報でして! 詳しくは何も分かって無いんです!」
「戦争に巻き込まれるのはゴメンだぜ! さっさと情報を集めろよ! その為のギルドだろ!」
するとカウンターの奥から、体格の良い大男が現れ、
「冒険者が慌てるんじゃね、今王都のギルドから連絡が入った!」
静まり返るギルド。
どうやらギルマスの様だ。
「王都自体は無事だ! 賊が城に侵入して城は半壊、王を含む王族が4名、大臣ら居合わせた騎士達が56名が殺されたそうだ! 今は公族や貴族が城に集まり、事態の収集にあたっている。犯人については、ひとり目撃されているだけでまだ詳しくは分かっていない!」
「王族の奴ら、最近までアロスに戦争吹っかけてたって噂じゃねーか! アロス国の仕業じゃねーのか?」
「アロス側からの侵攻も声明も一切確認されて無い。それは無いだろう! 噂にあった厄災が出たなら、こちらにも被害が出ている筈だ! だが厄災も確認されて無いしデマの可能性の方が大きい! 兎に角、我々ギルドや冒険者が今回の王都襲撃で動くことはまだ何も無いので、落ち着いて対応してくれ!」
ざわざわと騒いではいるが、詰め寄る冒険者は居なくなった。
惣一郎ははっきりと、アロス側からの侵攻は無い事を伝えた方いいかと、ギルマスに話しかける。
「あの~ お話が」
「あんたは?」
「ジビカガイライの惣一郎です」
ギルド内が一気に静まり返った。
ギルマスも目を見開く。
今噂に話してた、戦争をたった3人のチームが止めたと噂になっており、その噂のジビカガイライが、今まさにここにいたのだ。
そんな事知る由もない惣一郎は、うっかり名乗ってしまったのだ。
ただ単に、強いチームで名が知れて来たと思っていたが、まさかそんな噂になっているとは……
別室に通された惣一郎は頭を抱えていた。
遅れて入ってきたギルマスが、
「すまん待たせた。ギルド長の[エバン]だ、まさかジビカガイライがこの町に居たとは!」
「すんません……」
惣一郎の登場で、戦争の噂に拍車がかかり騒ぎ出した冒険者達をギルマスがなだめていて、遅れて来たのだった。
「いや、まぁタイミングは少し悪かったが、ゴディップのボリンから聞いてた印象とは、大分違うんだな」
なるほど、ギルマスは全部知ってそうだな。
「ボリンさんから聞いてるならアロス側の仕業じゃ無いのはご存じで」
「ああ、もちろんだ。冒険者達にジビカガイライの活躍を全て話す訳にはいかんからな」
「助かります」
「それに今回の襲撃事件は別物だ」
「ベリル…… ですか?」
ギルマスはまた目を見開き驚く。
「どうして、それを……」
惣一郎は全て話すと、今度はギルマスが頭を抱えていた。
「まさか、女に姿を変えていたのか」
エバンは惣一郎に全て話すので、少し待って貰いたいと席を外す。
惣一郎は、大きな溜息を吐く……
ギルド内も冒険者に詰め寄られ、質問攻めにあっている職員で大騒ぎだった。
「まだギルドにも詳しい情報は入ってきていません! 冷静になって下さい!」
「王族が殺されたってのに、冷静でいられるか! 国が無くなるんだぞ!」
「ですから、それもまだ未確認の情報でして! 詳しくは何も分かって無いんです!」
「戦争に巻き込まれるのはゴメンだぜ! さっさと情報を集めろよ! その為のギルドだろ!」
するとカウンターの奥から、体格の良い大男が現れ、
「冒険者が慌てるんじゃね、今王都のギルドから連絡が入った!」
静まり返るギルド。
どうやらギルマスの様だ。
「王都自体は無事だ! 賊が城に侵入して城は半壊、王を含む王族が4名、大臣ら居合わせた騎士達が56名が殺されたそうだ! 今は公族や貴族が城に集まり、事態の収集にあたっている。犯人については、ひとり目撃されているだけでまだ詳しくは分かっていない!」
「王族の奴ら、最近までアロスに戦争吹っかけてたって噂じゃねーか! アロス国の仕業じゃねーのか?」
「アロス側からの侵攻も声明も一切確認されて無い。それは無いだろう! 噂にあった厄災が出たなら、こちらにも被害が出ている筈だ! だが厄災も確認されて無いしデマの可能性の方が大きい! 兎に角、我々ギルドや冒険者が今回の王都襲撃で動くことはまだ何も無いので、落ち着いて対応してくれ!」
ざわざわと騒いではいるが、詰め寄る冒険者は居なくなった。
惣一郎ははっきりと、アロス側からの侵攻は無い事を伝えた方いいかと、ギルマスに話しかける。
「あの~ お話が」
「あんたは?」
「ジビカガイライの惣一郎です」
ギルド内が一気に静まり返った。
ギルマスも目を見開く。
今噂に話してた、戦争をたった3人のチームが止めたと噂になっており、その噂のジビカガイライが、今まさにここにいたのだ。
そんな事知る由もない惣一郎は、うっかり名乗ってしまったのだ。
ただ単に、強いチームで名が知れて来たと思っていたが、まさかそんな噂になっているとは……
別室に通された惣一郎は頭を抱えていた。
遅れて入ってきたギルマスが、
「すまん待たせた。ギルド長の[エバン]だ、まさかジビカガイライがこの町に居たとは!」
「すんません……」
惣一郎の登場で、戦争の噂に拍車がかかり騒ぎ出した冒険者達をギルマスがなだめていて、遅れて来たのだった。
「いや、まぁタイミングは少し悪かったが、ゴディップのボリンから聞いてた印象とは、大分違うんだな」
なるほど、ギルマスは全部知ってそうだな。
「ボリンさんから聞いてるならアロス側の仕業じゃ無いのはご存じで」
「ああ、もちろんだ。冒険者達にジビカガイライの活躍を全て話す訳にはいかんからな」
「助かります」
「それに今回の襲撃事件は別物だ」
「ベリル…… ですか?」
ギルマスはまた目を見開き驚く。
「どうして、それを……」
惣一郎は全て話すと、今度はギルマスが頭を抱えていた。
「まさか、女に姿を変えていたのか」
エバンは惣一郎に全て話すので、少し待って貰いたいと席を外す。
惣一郎は、大きな溜息を吐く……
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