異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
上 下
181 / 409
第九章

二十五話【ぶらり散歩】

しおりを挟む
翌朝、惣一郎は弁慶の胸の中で目を覚ます。

「プッハ! 死ぬわ!」

この世界に似つかわしくないゴージャスな下着に身を包むふたりが起きる。

「おはよう旦那様♡」

「ご主人様お腹すいた♡」

起きて第一声がそれか!

朝食の準備を始めるとすぐに、ハイジが入って来る。

「おはよう、あら朝食はまだかしら?」

惣一郎は寝過ぎた様だった。




惣一郎はトーストをフライパンで焼く。

バターをたっぷり塗り、焼いて両面押さえながら焼く。

これはこれで結構美味い!

知っているトーストとは違うが、バターが隅々まで溶け込んでサクサクとしている。

だが普通のトーストも食べたくなる。

惣一郎はこの世界に電化製品を持ち込むのにずっと抵抗を持っていた。

ソーラーパネルや充電器などネットで買えるのだが、便利過ぎると歯止めが効かなくなる。

惣一郎はこの世界の不便を楽しみたいのだった。

それ以外は十分持ち込んでいる、惣一郎の妙なこだわりでもあった。

食後カールに仕事について聞いてみる。

「取り敢えずは冒険者として登録し直し、簡単な依頼をこなして行こうかと」

なんのツテもないふたりがするには妥当だろう。

ただそれだとハイジを養うだけで、成長はしないだろう。

9歳だがしっかりしているハイジは、もっと何か責任を持たせる方が合ってる気がする。

何かいい商売でも……

以前読んだラノベでは、プリンや卵焼きで商売していたな……

街で食材など見ながら考えるかと、惣一郎は出かける準備をする。

クロは興味なさそうなので、留守番する事に。

ベンゾウと弁慶の3人で街に行く。



この街には魔導書店が数件あり、その内の一件を覗く事にする。

「いらっしゃい、何かお探しで?」

カウンターの中年の男性が話しかける。

この店は店内に色々な魔導具も並んでおり、奥のカウンターの裏には本が並んでいた。

「おお~ ポイなポイ!」

惣一郎以外には理解しずらい言葉だろう。

魔導具を一つ一つ、もの珍しく見て回る惣一郎は、所々で店員に説明を求める。

マジックバッグ類は勿論、マジックボックスと言う箱まであった。

大型の箱で量も相当入りそうだ。

最近よく見る、通信用の魔道具も携帯電話の様に並んでいる。

火種が要らないランプや、送風機、ホットプレートの様な物まであり、心躍る惣一郎だった。

だが珍しいだけで、欲しいものは無かった。

惣一郎には間に合っている物ばかりだったのだ。

魔法はあるが魔力が少ないこの世界だからなのか、惣一郎の心を掴む強力な物がない。

魔導書のラインナップも充実してはいるが……

「何かおすすめ的な物は無いかな?」

「当店では一点ものは……[カミラ]の所なら多少扱っているかと、変わり者だし」

期待していた惣一郎は肩を落とし、礼を言って店を出る。

「そのカミラに期待するか……」

市場を眺めながらカミラの魔導書店を目指す。

「露店か… 露店で生計を立てるのもありだな」

惣一郎は市場で安定して手に入る食材をチェックし、買い物しながら歩いて行く。

中心地から少し離れたカミラの店に来てみると、ドアに研究日と書かれた札が下がっており、どうやら休みの様だった。

「やってね~!」

肩を落とす惣一郎を、ひょいっと弁慶が軽々と肩に持ち上げる。

「旦那様、そう落ち込まないで! ギルドにお金貰いに行こう!」

「うん、そうだね。でも恥ずかしいから降ろして下さい」

「ケラケラケラ」

気を取り直して、ギルドへ行こう!

中心地へ戻る惣一郎と、弁慶に登ろうとするベンゾウだった。




しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...