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第九章

十二話 【殺意】

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惣一郎は盗賊の頭の案内で、林の奥にある岩場のアジトへと来ていた。

そこには4人の盗賊が残っており、頭の状況に動けないでいた。

「今まで奪ってきた物、全部出して」

惣一郎が言うとすぐ、頭が声を荒げ、指示に従えと4人に怒鳴る。

手下は、岩の隙間の空洞から慌てて荷を運び出すと、惣一郎の前に並べ始める。

「違ったか……」

惣一郎はコールでベンゾウと弁慶に話しかける。

『盗賊は本物だったよ。だが、まだ目を離すな、常に警戒はしておけよ』

惣一郎はこの出来すぎた出会いを、クライス家の復讐と睨んでいた。

ベンゾウ達にもコールで常に警戒する様に告げていたのだ。

多少のイレギュラーはあったとしても、ノート達は、惣一郎達を知っていたと考えている。

もしかしたらこの盗賊も仕込み?っと、確認に来たが、こちらは本物の様だった。

おかしいな~ 勘が外れたかな?

王家のコインを見せた時の反応は淡白過ぎるし、ジビカガイライの話は口止めしたはずなんだが…… まぁ多くの騎士が見てるしそっちは確証が無いんだが…… 仕方ないか。

惣一郎は盗賊の手下四人と、盗賊の頭の首をあっさり落とし、盗賊の戦利品と首をごっそりと収納すると、林を戻る。

以前の惣一郎からは想像も出来ない冷たさだった。

歩きながら魔導具を出し、マルジさんにコールする。

『急ですまん。クライス家の生き残りとこっちで偶然会ったんだが、何か情報が有れば教えて欲しい』

『惣一郎殿! 随分と急ですな…… 元王子派のクライス家が何故そちらに? すでにクライス家は存在しておりませんが』

『娘のリンゼとノートと言う執事が偶然現れてさぁ、時期的にも腑に落ちなくて』

『確かに妙ですな……』

『ジビカガイライが国を救ったみたいに言ってるが、そんな話しで広がってるのか?』

『まさか! 情報はしっかりと…… お待ちを……さっきなんと、ノート?』

『ああ、白髪の執事だ』

『惣一郎殿! 其奴は殺し屋です!! クライス家お抱えの殺し屋ノート!』

『やっぱ偶然じゃないか……』

『ええ、多分…… お気をつけを! 長い間クライス家に仕えていた男です! 復讐に走っても不思議はありません!』

『わかった、ありがとう! 気をつけるよ』

『いえ礼など、何度も国への恨みを向けてしまい、本当に申し訳ありません』

『覚悟の上だ。じゃ、また連絡するよ! 以上』

『本当に申し訳ない……以上』

殺し屋ね~



みんなの所に戻ると、惣一郎は笑顔で、

「結構溜め込んでたよ!」

と思わぬ収入に喜ぶ振りをする。

臭い演技ではなかった……



林を抜けても、木の数が減っただけの道を進む。

夕方まで何事も無く進んで来た惣一郎達は、木の陰にテントを出し、休む事にする。

盗賊との戦闘から黙っていたノートが、

「惣一郎殿、少しお嬢様と話をさせて貰います」

っと、離れた場所に行く。

ちゃんと目の届く場所だ。

そろそろ何かして来るのかな?

わざわざ離れて話さなくても、ふたりはずっとコールで会話してるだろ。

風呂に入る時に、弁慶がリンゼのミチル鋼の首飾りを確認していた。

だが気付かない振りをし、テントに入る。

夕飯は子供の好きなナポリタンでも作るか……

すると、パスタを茹で始めた惣一郎の手が止まる。

テントの外の異様な雰囲気に、ベンゾウも弁慶もクロも、流石に惣一郎も気付いた。

テントを出ると、ノートが異様なオーラを放つ短剣を持って殺気を向けていた。

「なんだ、随分と真っ正面から来たな!」

「やはり、お気づきでしたか」

執事が殺し屋の顔で、惣一郎を見ていた。





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