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第九章
七話 【新武器の命名!】
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「アハハ、素直なお人だ! イケメンと誉めてもらったしウザイは忘れましょう。では何か有れば、いつでもギルドまで!」
「ご主人様…… ドンマイ」
「イケメンとウザイ…… 通じるんだな……」
笑いながら去る、イケメンギルド長だった。
魔導書店を探すのをすっかり忘れ、また町をぶらつきながら武器屋に戻る惣一郎。
戻ると、弁慶が頭を抱え丸くなっていた。
完成した武器に喜び、ずっと魔法を使いながら短剣を慣らしていたらしい。
まったく限度を知らん…… アホめ!
出来た武器は分厚く重く、先に広がるナタの様な太古の武器を思わせ、持ち手は握りに合わせ削られ、金属だけで出来ている鈍器とも斧とも形容しづらい短剣だった。
地面に置かれたその武器を、惣一郎が試しに持ち上げようとするが、踏ん張って少し浮く程度だった。
最初の塊は持てたのだが……
ま、いっか!
弁慶にも強力な武器が出来たって事で!
これで剣を受けたら、剣の方が折れるだろう。
「旦那様、アタイこの武器を必ず使いこなしてみせる!」
「惣一郎よ、コイツは重く硬いだけの武器だ! だがそれだけに特化した武器は、使いこなせば、ダンジョン産にも引けを取らね! 名を付けてやんな!」
出た、また俺に名付けさせるのかよ!
ん~ 短剣… ナタ… 斧… 鈍器……
重くて硬い…… なんか看護婦さんでいたな~ 太ってて固そうで重そうな…… ぷふっ。
「よし決めた[侃護斧]だ!」
「おぉ、カンゴフか、侃護斧! いい名だ」
本当かよ……
「旦那様、この侃護斧! 大事にします」
君は早く寝なさい。
でもその重い侃護斧、腰にぶら下げて置くのか?
マジックポーチでも買ってやるか……
取り敢えず、アイテムボックスに収納する。
惣一郎は弁慶を寝かし、テテオに謝礼を払おうと話す。
「テテオ、ありがとうな! いくら払えばいい?」
「いい経験させてもらったよ! ドワーフ冥利に尽きるってもんだ! 金なんて取れねぇな」
「いやいや店も休ませたし、そう言う訳にも」
「いらねぇよ、庭代も多めにもらったし」
「ん~ テテオ、工房で大事な道具マジックポーチに仕舞ってたよな」
「ああ、それがどうした? マジックバッグなんて高くて買えねぇしな」
「やっぱり、このバッグと交換しないか?」
「おめぇこりゃ、マジックバッグの大じゃね~か! このポーチ何個買えると思ってんだ!」
「余ってるんだ、ちょうど今、弁慶に侃護斧を仕舞うポーチを買おうと思ってて、差額分が今回の謝礼と思ってくれ!」
テテオもそういう事ならと、喜んで交換してくれた。
「長居したな! 明日、町を出るよ」
「そうか…… 冒険者だもんな!」
その日は中庭でお礼もかねて、焼肉パーティーとなった。
テテオもカカも高級な肉に、驚きながら美味いを連発していた。
酒も進み、この町最後の晩餐は、楽しく遅くまで続いた……
翌日、遅く起きた惣一郎達はテント収納し、テテオとカカに別れの挨拶をして、店を出る。
弁慶の頭痛はすっかり治まっており、腰には使い古されたポーチが下がっている。
惣一郎達は、テテオに聞いた北東にある[イカホの町]を目指す事にする。
何故ならこの、イカホの名を持つ町は、偶然にも温泉地との事!
「ご主人様…… ドンマイ」
「イケメンとウザイ…… 通じるんだな……」
笑いながら去る、イケメンギルド長だった。
魔導書店を探すのをすっかり忘れ、また町をぶらつきながら武器屋に戻る惣一郎。
戻ると、弁慶が頭を抱え丸くなっていた。
完成した武器に喜び、ずっと魔法を使いながら短剣を慣らしていたらしい。
まったく限度を知らん…… アホめ!
出来た武器は分厚く重く、先に広がるナタの様な太古の武器を思わせ、持ち手は握りに合わせ削られ、金属だけで出来ている鈍器とも斧とも形容しづらい短剣だった。
地面に置かれたその武器を、惣一郎が試しに持ち上げようとするが、踏ん張って少し浮く程度だった。
最初の塊は持てたのだが……
ま、いっか!
弁慶にも強力な武器が出来たって事で!
これで剣を受けたら、剣の方が折れるだろう。
「旦那様、アタイこの武器を必ず使いこなしてみせる!」
「惣一郎よ、コイツは重く硬いだけの武器だ! だがそれだけに特化した武器は、使いこなせば、ダンジョン産にも引けを取らね! 名を付けてやんな!」
出た、また俺に名付けさせるのかよ!
ん~ 短剣… ナタ… 斧… 鈍器……
重くて硬い…… なんか看護婦さんでいたな~ 太ってて固そうで重そうな…… ぷふっ。
「よし決めた[侃護斧]だ!」
「おぉ、カンゴフか、侃護斧! いい名だ」
本当かよ……
「旦那様、この侃護斧! 大事にします」
君は早く寝なさい。
でもその重い侃護斧、腰にぶら下げて置くのか?
マジックポーチでも買ってやるか……
取り敢えず、アイテムボックスに収納する。
惣一郎は弁慶を寝かし、テテオに謝礼を払おうと話す。
「テテオ、ありがとうな! いくら払えばいい?」
「いい経験させてもらったよ! ドワーフ冥利に尽きるってもんだ! 金なんて取れねぇな」
「いやいや店も休ませたし、そう言う訳にも」
「いらねぇよ、庭代も多めにもらったし」
「ん~ テテオ、工房で大事な道具マジックポーチに仕舞ってたよな」
「ああ、それがどうした? マジックバッグなんて高くて買えねぇしな」
「やっぱり、このバッグと交換しないか?」
「おめぇこりゃ、マジックバッグの大じゃね~か! このポーチ何個買えると思ってんだ!」
「余ってるんだ、ちょうど今、弁慶に侃護斧を仕舞うポーチを買おうと思ってて、差額分が今回の謝礼と思ってくれ!」
テテオもそういう事ならと、喜んで交換してくれた。
「長居したな! 明日、町を出るよ」
「そうか…… 冒険者だもんな!」
その日は中庭でお礼もかねて、焼肉パーティーとなった。
テテオもカカも高級な肉に、驚きながら美味いを連発していた。
酒も進み、この町最後の晩餐は、楽しく遅くまで続いた……
翌日、遅く起きた惣一郎達はテント収納し、テテオとカカに別れの挨拶をして、店を出る。
弁慶の頭痛はすっかり治まっており、腰には使い古されたポーチが下がっている。
惣一郎達は、テテオに聞いた北東にある[イカホの町]を目指す事にする。
何故ならこの、イカホの名を持つ町は、偶然にも温泉地との事!
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