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第八章
二十三話 【捕縛!】
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翌朝、マルジさんのコールで目を覚ます。
『惣一郎殿、惣一郎殿!』
『はい、聞こえます』
『今朝方ゴディップの冒険者がこちらに到着しました』
『早かったですね』
『ええ、夜通し作業してくれた様で』
『助かりますね!』
『ええ、荷車も回収しておきました以上!』
『ありがとうございます。では動きがあったらまた、お願いします以上!』
さて、準備が早く整い過ぎたな。
あとは待つだけか……
朝食の準備を始める惣一郎にまたコールが送られて来る。
『惣一郎殿、今内通者から連絡が、魔獣の死体を並べ始めたそうです以上!』
『了解しました、厄災が来ても慌てずに以上』
さ、いよいよだな。
「朝食はパワーモーニングと行きますか!」
ハンバーグにビーフシチューをかけご飯とサラダを並べると、ベンゾウ達が起きてくる。
食べ終わると惣一郎が、
「いよいよ厄災が動き出す様だ、弁慶はマジックバッグ持ってたよな? 厄災用の武器を渡すので空きがなければ中身預かるから言ってくれ」
「ああ、旦那様」
ベンゾウにマジックバッグを渡し、蟻用の殺虫スプレーを大量に渡す。
弁慶にも同じようにスプレーを渡し使い方を教える。
「厄災にこんな物が?」
「まぁ、すぐわかるよ!」
すると突然地鳴りがし出し、テントが揺れる。
封印を解いた様だ。
『マルジさん! 地鳴りを確認した。厄災が動き出すぞ! 以上』
『確認しました、以上』
しかし便利だなコール……
まぁ、魔力がそこそこ無いと使えないそうだが。
惣一郎はみんなクリーンをかけ食事の片付けを始める。
呑気な光景だった。
そしてこの弁慶。
大きな身体の割に細やかな気を使う女性だった。
片付けも率先して手伝い、ベンゾウの脱ぎ散らかした服も黙って畳み、惣一郎の負担は劇的に軽減した。
それに対してベンゾウは、腹を出し横になっている。
コイツ…… 俺の奴隷だよな?
言う割に、あまり気にしていない惣一郎だった。
テントをそのままにして、外で待機する惣一郎達! クロはテントの中でお留守番。
ポカポカといい天気に恵まれて、いつの間にか出したベンチテーブルで惣一郎達は、お茶を楽しんでいた。
『惣一郎殿! 厄災が現れました! 凄い数です! だが…凄い…… 本当に厄災が戻って行く。惣一郎殿! 厄災が戻って行きます! アロスは無事です! 以上!」
『了解、以上』
「興奮してるな~ マルジさん」
「ご主人様~ もう来る?」
「ああ、でも、もうちょいかな」
ズズズー ハァ~ お茶がうまい!
しばらくのんびり待つと、またマルジさんからコールが届く。
『惣一郎殿、内通者から連絡が! 作戦失敗と元王子らが撤退を開始、そちらに向かっています以上』
『了解です以上』
「さぁ、そろそろエリオットが来るぞ! 無傷で捕らえるからな!」
少しすると、馬に乗った騎士達が林の中を真っ青な顔で走って来る。
惣一郎の予想が的中した。
「どれが王子だ…… いた、あれだ!」
惣一郎は鉄球を出し杖を構える。
ひとり白い馬に乗るオレンジの髪の男が血相変えて走って来る。
惣一郎は鉄球を飛ばし、元王子を馬から落とすと、ベンゾウが瞬時に喉元へ小刀を突き付ける!
遅れて来た騎士が、
「その男が、エリオット元王子です!」
っと、内通者だろう。
弁慶に縛り上げられテントに放り込まれる。
「クロ! よく見張っててくれ」 ワン!
騎士が、
「ジビカガイライの方々ですね! ハァハァ自分は…… 潜伏中のアロス兵[レオ]です」
「お疲れレオ、マルジさんに聞いてるよ。後はテントでのんびりしててくれ!」
お礼をいいテントに入るレオ。
中でお茶を出してあげると、ホッとしたのかテーブルで眠りにつく。
「さぁ、残りは厄災だけだ!」
そう言いながら、お菓子を配る惣一郎だった。
『惣一郎殿、惣一郎殿!』
『はい、聞こえます』
『今朝方ゴディップの冒険者がこちらに到着しました』
『早かったですね』
『ええ、夜通し作業してくれた様で』
『助かりますね!』
『ええ、荷車も回収しておきました以上!』
『ありがとうございます。では動きがあったらまた、お願いします以上!』
さて、準備が早く整い過ぎたな。
あとは待つだけか……
朝食の準備を始める惣一郎にまたコールが送られて来る。
『惣一郎殿、今内通者から連絡が、魔獣の死体を並べ始めたそうです以上!』
『了解しました、厄災が来ても慌てずに以上』
さ、いよいよだな。
「朝食はパワーモーニングと行きますか!」
ハンバーグにビーフシチューをかけご飯とサラダを並べると、ベンゾウ達が起きてくる。
食べ終わると惣一郎が、
「いよいよ厄災が動き出す様だ、弁慶はマジックバッグ持ってたよな? 厄災用の武器を渡すので空きがなければ中身預かるから言ってくれ」
「ああ、旦那様」
ベンゾウにマジックバッグを渡し、蟻用の殺虫スプレーを大量に渡す。
弁慶にも同じようにスプレーを渡し使い方を教える。
「厄災にこんな物が?」
「まぁ、すぐわかるよ!」
すると突然地鳴りがし出し、テントが揺れる。
封印を解いた様だ。
『マルジさん! 地鳴りを確認した。厄災が動き出すぞ! 以上』
『確認しました、以上』
しかし便利だなコール……
まぁ、魔力がそこそこ無いと使えないそうだが。
惣一郎はみんなクリーンをかけ食事の片付けを始める。
呑気な光景だった。
そしてこの弁慶。
大きな身体の割に細やかな気を使う女性だった。
片付けも率先して手伝い、ベンゾウの脱ぎ散らかした服も黙って畳み、惣一郎の負担は劇的に軽減した。
それに対してベンゾウは、腹を出し横になっている。
コイツ…… 俺の奴隷だよな?
言う割に、あまり気にしていない惣一郎だった。
テントをそのままにして、外で待機する惣一郎達! クロはテントの中でお留守番。
ポカポカといい天気に恵まれて、いつの間にか出したベンチテーブルで惣一郎達は、お茶を楽しんでいた。
『惣一郎殿! 厄災が現れました! 凄い数です! だが…凄い…… 本当に厄災が戻って行く。惣一郎殿! 厄災が戻って行きます! アロスは無事です! 以上!」
『了解、以上』
「興奮してるな~ マルジさん」
「ご主人様~ もう来る?」
「ああ、でも、もうちょいかな」
ズズズー ハァ~ お茶がうまい!
しばらくのんびり待つと、またマルジさんからコールが届く。
『惣一郎殿、内通者から連絡が! 作戦失敗と元王子らが撤退を開始、そちらに向かっています以上』
『了解です以上』
「さぁ、そろそろエリオットが来るぞ! 無傷で捕らえるからな!」
少しすると、馬に乗った騎士達が林の中を真っ青な顔で走って来る。
惣一郎の予想が的中した。
「どれが王子だ…… いた、あれだ!」
惣一郎は鉄球を出し杖を構える。
ひとり白い馬に乗るオレンジの髪の男が血相変えて走って来る。
惣一郎は鉄球を飛ばし、元王子を馬から落とすと、ベンゾウが瞬時に喉元へ小刀を突き付ける!
遅れて来た騎士が、
「その男が、エリオット元王子です!」
っと、内通者だろう。
弁慶に縛り上げられテントに放り込まれる。
「クロ! よく見張っててくれ」 ワン!
騎士が、
「ジビカガイライの方々ですね! ハァハァ自分は…… 潜伏中のアロス兵[レオ]です」
「お疲れレオ、マルジさんに聞いてるよ。後はテントでのんびりしててくれ!」
お礼をいいテントに入るレオ。
中でお茶を出してあげると、ホッとしたのかテーブルで眠りにつく。
「さぁ、残りは厄災だけだ!」
そう言いながら、お菓子を配る惣一郎だった。
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