異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
上 下
145 / 409
第八章

十三話 【スっぱい再会】

しおりを挟む
翌朝ギルドを訪れると、既に入り口に豪華な馬車が停まっており、数人の騎士と貴族風の高そうな服の男が外でギルマスと話していた。

「よかった! みえました。こちらがジビカガイライの皆様です」

ホッとした顔でギルマスが、貴族に惣一郎を紹介する。

「初めまして、ジビカガイライの皆様! 私はアロス王国に仕える軍務大臣[マルジ・ド・カステル]と申します」

「それが、大袈裟になんの御用で?」

惣一郎は朝から大分、イラついていた。

「貴様! 大臣に不敬だぞ!」

騎士の一人が意気込むが、大臣が止める。

「エリシア様の遣いで、参りました。是非王都まで御案内したいのですが、その前に! 失礼ついでに確認させて頂きたい」

大臣は騎士の中のひとりを呼び、

「荒事はお好きかな? こちらも連れてってから別人でしたじゃ顔が立たんもので、大変申し訳ないのですが、この騎士団長と立ち会って頂きたい」

すでにギルドの前は人集りができている。

ドスドスっと鉄球を地面に落とす惣一郎は、

「どうぞ」

っと素直に申し出を受け入れる。

銀の鎧に赤いマントをなびかせる大男は、剣を抜き、盾を構えるとジリジリと間合いを作る。

杖を持つ惣一郎も盾を出し前に構えると、一気に詰め寄る騎士団長!

盾で見えない軌道から剣が一閃、惣一郎を襲うが盾で難なく軌道を遮ると、鉄球が騎士の盾に勢いよく打ち当たる!

耐える騎士団長だったが、二発目、三発目と鉄球は同じ場所に連続で当たり続ける! 

五発、六発、盾は徐々に変形していき、騎士団長も膝を突く! 十発目、十一発目! 

地面に丸くなりながら変形した盾で身を守る騎士団長は、剣を手放し参った!っと声を上げると、十五発目の鉄球が宙で止まる。

静まり返るギルド前で、爛々と目を輝かせる大臣が、

「お見事! この目でしかと確認させて頂きました!」

と声を張り上げる。

「惣一郎殿、いきなりの騒ぎで混乱されたでしょう、大変申し訳ございません。ですがこちらも火急の用がございます。どうか城まで御同行願えませんか?」

急な騒動と勝手に話が進む事から苛立ちを隠せない惣一郎だったが、上手いことガス抜きをさせられた様で、流石は軍務大臣といった所か。

素直に従い、馬車に乗り込む惣一郎達、クロは歩きでついて来てね!

大臣は別の馬車に乗り込み、王都を目指す事になった。

豪華な馬車をお菓子で汚すベンゾウは、

「今度は何処行くの? ご主人様~」

っと全く話を聞いていなかった……




豪華な馬車は乗り心地が良くなく、木の板サスはちょっとの段差でバウンドしまくり、途中休憩の度にベンゾウとふたり青い顔で、リバースしていた。

野営でも食事は喉を通らず、騎士の一人に「良い馬車に乗り慣れてない様ですね?」と言われ、殴りたくなる惣一郎だった。

なんとか翌日王都に着く惣一郎達は、げっそりとしており、心配され、まずは休む様に城の一室で寝かせてもらう。

豪華な部屋に豪華なベッドだったが、見てる余裕もなくベッドに倒れ込む惣一郎だった。

しばらくすると、ドアの向こうから騒ぐ声が聞こえてくる。

「まだいけません! 少しお待ちを!」

っと静止を振り切り、勢いよくドアを開け部屋に入ってくる、ドレス姿の女性は入るなり惣一郎に抱き付く!

「惣一郎様ーーーーー!」

モモだった。

再会は酸っぱい〇〇の味だった……




しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました

七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。 世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。 それが、この世界の 絶対のルール だった。 そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。 異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。 ※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...