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第八章
十三話 【スっぱい再会】
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翌朝ギルドを訪れると、既に入り口に豪華な馬車が停まっており、数人の騎士と貴族風の高そうな服の男が外でギルマスと話していた。
「よかった! みえました。こちらがジビカガイライの皆様です」
ホッとした顔でギルマスが、貴族に惣一郎を紹介する。
「初めまして、ジビカガイライの皆様! 私はアロス王国に仕える軍務大臣[マルジ・ド・カステル]と申します」
「それが、大袈裟になんの御用で?」
惣一郎は朝から大分、イラついていた。
「貴様! 大臣に不敬だぞ!」
騎士の一人が意気込むが、大臣が止める。
「エリシア様の遣いで、参りました。是非王都まで御案内したいのですが、その前に! 失礼ついでに確認させて頂きたい」
大臣は騎士の中のひとりを呼び、
「荒事はお好きかな? こちらも連れてってから別人でしたじゃ顔が立たんもので、大変申し訳ないのですが、この騎士団長と立ち会って頂きたい」
すでにギルドの前は人集りができている。
ドスドスっと鉄球を地面に落とす惣一郎は、
「どうぞ」
っと素直に申し出を受け入れる。
銀の鎧に赤いマントをなびかせる大男は、剣を抜き、盾を構えるとジリジリと間合いを作る。
杖を持つ惣一郎も盾を出し前に構えると、一気に詰め寄る騎士団長!
盾で見えない軌道から剣が一閃、惣一郎を襲うが盾で難なく軌道を遮ると、鉄球が騎士の盾に勢いよく打ち当たる!
耐える騎士団長だったが、二発目、三発目と鉄球は同じ場所に連続で当たり続ける!
五発、六発、盾は徐々に変形していき、騎士団長も膝を突く! 十発目、十一発目!
地面に丸くなりながら変形した盾で身を守る騎士団長は、剣を手放し参った!っと声を上げると、十五発目の鉄球が宙で止まる。
静まり返るギルド前で、爛々と目を輝かせる大臣が、
「お見事! この目でしかと確認させて頂きました!」
と声を張り上げる。
「惣一郎殿、いきなりの騒ぎで混乱されたでしょう、大変申し訳ございません。ですがこちらも火急の用がございます。どうか城まで御同行願えませんか?」
急な騒動と勝手に話が進む事から苛立ちを隠せない惣一郎だったが、上手いことガス抜きをさせられた様で、流石は軍務大臣といった所か。
素直に従い、馬車に乗り込む惣一郎達、クロは歩きでついて来てね!
大臣は別の馬車に乗り込み、王都を目指す事になった。
豪華な馬車をお菓子で汚すベンゾウは、
「今度は何処行くの? ご主人様~」
っと全く話を聞いていなかった……
豪華な馬車は乗り心地が良くなく、木の板サスはちょっとの段差でバウンドしまくり、途中休憩の度にベンゾウとふたり青い顔で、リバースしていた。
野営でも食事は喉を通らず、騎士の一人に「良い馬車に乗り慣れてない様ですね?」と言われ、殴りたくなる惣一郎だった。
なんとか翌日王都に着く惣一郎達は、げっそりとしており、心配され、まずは休む様に城の一室で寝かせてもらう。
豪華な部屋に豪華なベッドだったが、見てる余裕もなくベッドに倒れ込む惣一郎だった。
しばらくすると、ドアの向こうから騒ぐ声が聞こえてくる。
「まだいけません! 少しお待ちを!」
っと静止を振り切り、勢いよくドアを開け部屋に入ってくる、ドレス姿の女性は入るなり惣一郎に抱き付く!
「惣一郎様ーーーーー!」
モモだった。
再会は酸っぱい〇〇の味だった……
「よかった! みえました。こちらがジビカガイライの皆様です」
ホッとした顔でギルマスが、貴族に惣一郎を紹介する。
「初めまして、ジビカガイライの皆様! 私はアロス王国に仕える軍務大臣[マルジ・ド・カステル]と申します」
「それが、大袈裟になんの御用で?」
惣一郎は朝から大分、イラついていた。
「貴様! 大臣に不敬だぞ!」
騎士の一人が意気込むが、大臣が止める。
「エリシア様の遣いで、参りました。是非王都まで御案内したいのですが、その前に! 失礼ついでに確認させて頂きたい」
大臣は騎士の中のひとりを呼び、
「荒事はお好きかな? こちらも連れてってから別人でしたじゃ顔が立たんもので、大変申し訳ないのですが、この騎士団長と立ち会って頂きたい」
すでにギルドの前は人集りができている。
ドスドスっと鉄球を地面に落とす惣一郎は、
「どうぞ」
っと素直に申し出を受け入れる。
銀の鎧に赤いマントをなびかせる大男は、剣を抜き、盾を構えるとジリジリと間合いを作る。
杖を持つ惣一郎も盾を出し前に構えると、一気に詰め寄る騎士団長!
盾で見えない軌道から剣が一閃、惣一郎を襲うが盾で難なく軌道を遮ると、鉄球が騎士の盾に勢いよく打ち当たる!
耐える騎士団長だったが、二発目、三発目と鉄球は同じ場所に連続で当たり続ける!
五発、六発、盾は徐々に変形していき、騎士団長も膝を突く! 十発目、十一発目!
地面に丸くなりながら変形した盾で身を守る騎士団長は、剣を手放し参った!っと声を上げると、十五発目の鉄球が宙で止まる。
静まり返るギルド前で、爛々と目を輝かせる大臣が、
「お見事! この目でしかと確認させて頂きました!」
と声を張り上げる。
「惣一郎殿、いきなりの騒ぎで混乱されたでしょう、大変申し訳ございません。ですがこちらも火急の用がございます。どうか城まで御同行願えませんか?」
急な騒動と勝手に話が進む事から苛立ちを隠せない惣一郎だったが、上手いことガス抜きをさせられた様で、流石は軍務大臣といった所か。
素直に従い、馬車に乗り込む惣一郎達、クロは歩きでついて来てね!
大臣は別の馬車に乗り込み、王都を目指す事になった。
豪華な馬車をお菓子で汚すベンゾウは、
「今度は何処行くの? ご主人様~」
っと全く話を聞いていなかった……
豪華な馬車は乗り心地が良くなく、木の板サスはちょっとの段差でバウンドしまくり、途中休憩の度にベンゾウとふたり青い顔で、リバースしていた。
野営でも食事は喉を通らず、騎士の一人に「良い馬車に乗り慣れてない様ですね?」と言われ、殴りたくなる惣一郎だった。
なんとか翌日王都に着く惣一郎達は、げっそりとしており、心配され、まずは休む様に城の一室で寝かせてもらう。
豪華な部屋に豪華なベッドだったが、見てる余裕もなくベッドに倒れ込む惣一郎だった。
しばらくすると、ドアの向こうから騒ぐ声が聞こえてくる。
「まだいけません! 少しお待ちを!」
っと静止を振り切り、勢いよくドアを開け部屋に入ってくる、ドレス姿の女性は入るなり惣一郎に抱き付く!
「惣一郎様ーーーーー!」
モモだった。
再会は酸っぱい〇〇の味だった……
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