134 / 409
第八章
二話 【用法容量はよく読んで!】
しおりを挟む
酷い頭痛で目を覚ます惣一郎。
昨夜遅くまで飲んだ後、飲み代を払い店の主人に裏庭を借りテントでちゃんと寝ていた。
酔ってもその辺で酔い潰れないあたりは、惣一郎の性格によるものだろう。
ベンゾウも大分飲んだのか、下着姿の右足にズボンが引っ掛かったまま寝ていた。
キュアをかけると瞬時に頭痛とサヨナラ出来る生活魔法も、中々に使える魔法と言える。
寝ているベンゾウにも、キュアとクリーンをかけベッドを降りると足元に、ロドとカマナが寝ていた。
覚えてないが、泊まった様だ。
ふたりには、確認してから有料でキュアをかけてやろう。
惣一郎は、朝食の準備を始める。
匂いで起き出すベンゾウも、きちんと服を着て席に着くと、ロド達も苦痛の表情を浮かべ起きて来る。
朝食を勧めるが、ふたりとも食べられないと惣一郎達に礼を言い、帰っていった。
食後惣一郎達も、店主に礼を言いテントを収納して町に出る。
瓦屋根に石造りの町は、平家が多く通りは朝市の残りで人もまばらであった。
ギルドに着き中へ入ると、これから稼ぎに行く冒険者達とすれ違い、受付に向かう。
「すいません周辺の地図があれば欲しいのですが」
受付の女性が快く、近辺の細かい地図とセキヌス大陸全体の大まかな地図両方を出し、どちらも6ネルだと言う。
惣一郎は仕方ないかと金を出し、地図を手に入れる。
そのまま、町でも見て回ろうとギルドを出ると、後ろから、
「昨夜はご馳走さん!」
っと覚えてないが店に居ただろう冒険者に声を掛けられる。
「あんたらこの辺初めてなんだろ? 昨夜のお礼にいい事教えて置いてやるよ!」
男は急に声をひそめ、手で口元を隠す。
「いいか、領主には絶対に逆らうなよ。関わらないのが一番だ」
言い終わると惣一郎の肩をポンっと叩き、気持ち悪いウインクを飛ばしてギルドの奥へ消えて行く。
フラグ?
やな予感しかしなかった。
町で色々と見て回りながら、薬草や回復薬などを扱う道具屋を見つけ、中に入る。
独特の匂いを放つ店内で、長年この店を営んで来ただろう老婆が「何をお探しだい?」と声を掛けてくる。
「前にいたダンジョン街で珍しい物を手に入れてさぁ~ どんな物か品定めしてもらおうと寄ったんだが」
「ほぉ~ぅ、どれ見せてみな」
惣一郎は強魔力薬を取り出し老婆に見せる。
「なんだい魔力薬かい、珍しい物でも手に入れたのかと思ったら…… おや、こりゃすまぬ、十分珍しい様だね~」
ダンジョンで魔力薬はよくでも無いが、時々出る物だそうで、飲んだ者の魔力量を底上げしてくれると言う。
これはその強化版に値する、珍しい物だそうだ。
「買取なら1粒、そうだね~ 4,000ギーでどうだい?」
結構な金額であったが、売る気は無かった。
「じゃ4,500でどうだい!」
「いや、売る気は無いよ」
「ま、そうさね~ 大きな街ならもっと高く売れるだろうしね~」
「ついでにコレも見てほしいんだが」
惣一郎はマンドレイクも見せる事にする。
「おや、マンドレイクじゃ無いか」
この驚き様、良い物だったか?
「こりゃ薬を作る媒介になるんじゃ」
なるほど……
大きさも鮮度もいいとの事で240ギーで買取るそうだ。
持ってても使わんし、鑑定料と思う事にした。
ニコニコと老婆は、コレで回復薬が20個は作れると嬉しそうだった。
店を出て、惣一郎は強魔力薬が思った通りの丸薬でよかったとニヤける。
昨夜遅くまで飲んだ後、飲み代を払い店の主人に裏庭を借りテントでちゃんと寝ていた。
酔ってもその辺で酔い潰れないあたりは、惣一郎の性格によるものだろう。
ベンゾウも大分飲んだのか、下着姿の右足にズボンが引っ掛かったまま寝ていた。
キュアをかけると瞬時に頭痛とサヨナラ出来る生活魔法も、中々に使える魔法と言える。
寝ているベンゾウにも、キュアとクリーンをかけベッドを降りると足元に、ロドとカマナが寝ていた。
覚えてないが、泊まった様だ。
ふたりには、確認してから有料でキュアをかけてやろう。
惣一郎は、朝食の準備を始める。
匂いで起き出すベンゾウも、きちんと服を着て席に着くと、ロド達も苦痛の表情を浮かべ起きて来る。
朝食を勧めるが、ふたりとも食べられないと惣一郎達に礼を言い、帰っていった。
食後惣一郎達も、店主に礼を言いテントを収納して町に出る。
瓦屋根に石造りの町は、平家が多く通りは朝市の残りで人もまばらであった。
ギルドに着き中へ入ると、これから稼ぎに行く冒険者達とすれ違い、受付に向かう。
「すいません周辺の地図があれば欲しいのですが」
受付の女性が快く、近辺の細かい地図とセキヌス大陸全体の大まかな地図両方を出し、どちらも6ネルだと言う。
惣一郎は仕方ないかと金を出し、地図を手に入れる。
そのまま、町でも見て回ろうとギルドを出ると、後ろから、
「昨夜はご馳走さん!」
っと覚えてないが店に居ただろう冒険者に声を掛けられる。
「あんたらこの辺初めてなんだろ? 昨夜のお礼にいい事教えて置いてやるよ!」
男は急に声をひそめ、手で口元を隠す。
「いいか、領主には絶対に逆らうなよ。関わらないのが一番だ」
言い終わると惣一郎の肩をポンっと叩き、気持ち悪いウインクを飛ばしてギルドの奥へ消えて行く。
フラグ?
やな予感しかしなかった。
町で色々と見て回りながら、薬草や回復薬などを扱う道具屋を見つけ、中に入る。
独特の匂いを放つ店内で、長年この店を営んで来ただろう老婆が「何をお探しだい?」と声を掛けてくる。
「前にいたダンジョン街で珍しい物を手に入れてさぁ~ どんな物か品定めしてもらおうと寄ったんだが」
「ほぉ~ぅ、どれ見せてみな」
惣一郎は強魔力薬を取り出し老婆に見せる。
「なんだい魔力薬かい、珍しい物でも手に入れたのかと思ったら…… おや、こりゃすまぬ、十分珍しい様だね~」
ダンジョンで魔力薬はよくでも無いが、時々出る物だそうで、飲んだ者の魔力量を底上げしてくれると言う。
これはその強化版に値する、珍しい物だそうだ。
「買取なら1粒、そうだね~ 4,000ギーでどうだい?」
結構な金額であったが、売る気は無かった。
「じゃ4,500でどうだい!」
「いや、売る気は無いよ」
「ま、そうさね~ 大きな街ならもっと高く売れるだろうしね~」
「ついでにコレも見てほしいんだが」
惣一郎はマンドレイクも見せる事にする。
「おや、マンドレイクじゃ無いか」
この驚き様、良い物だったか?
「こりゃ薬を作る媒介になるんじゃ」
なるほど……
大きさも鮮度もいいとの事で240ギーで買取るそうだ。
持ってても使わんし、鑑定料と思う事にした。
ニコニコと老婆は、コレで回復薬が20個は作れると嬉しそうだった。
店を出て、惣一郎は強魔力薬が思った通りの丸薬でよかったとニヤける。
23
お気に入りに追加
1,858
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる